今回お縄になったのは、格安物件の殿堂都市・大牟田にある平家物件。
福岡県大牟田市80万円/平家付き/土地66㎡ のこちら。
前回紹介した大牟田物件も家2軒で300万とお買い得だったけど、今回は庭付き一戸建てが80万円という脅威の価格設定。
「本当は教えたくない福岡物件」の中でも、今回は本当に教えたくない物件だけど、まだ連載が始まったばかりでそんなに見てる人もいないと思うから、こっそり紹介しようと思う。
さっそく家の様子を見てみたい。
まずは外観だけど、こんな感じでノスタルジー全開。
これぞ古きよき日本家屋という出で立ちで、眺めてるだけで所有欲をそそる。これが80万っていうんだから、別に引っ越す予定もないけど思わずポチりそう。。。
壁は、昔ながらの鎧張り(よろいばり)。
鎧のような見かけからその名前が付いた工法だけど、雨風を耐えてきた木の味わいがたまらなくて、思わずなでなでしたくなる。
メンテナンスも必要だし施工にも手間がかかるけど、「便利?効率?なんだそれ、うまいのか?」と言わんばかりのオールドスタイルがしびれる。
次に見てほしいのが、この複雑な屋根構え。
屋根の形なんて家の性能に関係ないから、費用を抑えるならシンプルな形にすべきところ。それを、わざわざこんな複雑に組むってことは、オーナーが屋根にこだわってお金をかけた証。
なにより玄関まわりの入母屋(いりもや)風の外観が、昔の尋常小学校を思わせる偉そうな作りでとても良き。
さあ続いて、室内の紹介。
といきたいところだけど今回は残念ながら、室内写真や間取りの情報がまったく無い。
というのも、この物件はいわゆる「古家付き土地」というやつで、建物は価値ゼロとされて土地として売られている物件なのだ。
新築派からすると、こんな古い家は確かに価値ゼロ。というか解体費用がかかる負の存在だけど、リノベを楽しむ派にとっては、この古家が急にお宝に変わるんだから世の中は面白い。
ということで家をもう一度上空から見ると、右下と左下に不自然な出っぱりがあることに気付く。
おそらくここは増築された跡で、左の青枠部分は臭突(しゅうとつ:汲み取り便所の臭いを逃がす煙突)があるので、おそらくトイレ。だとしたら、右の黄枠部分はお風呂であろう。
歴史をさかのぼると、昭和の初期までは家にお風呂がないのが一般的で、トイレも江戸時代までは屋外の離れに作ったと言われている。つまりお風呂とトイレが増築されてるこの家は、かなり歴史のあるお宝級の古民家だと推測できる。
そして、もうひとつのお宝ポイントはこちら。
この黄枠部分を見てほしい。
南側に面した日当たりの良さそうな開口部…ということはつまり、これは絶対に縁側だ!!
目の前にあるこぶりな庭を愛でながら、縁側であたたかい日差しを浴びて、猫とまどろむ。
写真がないのが残念だけど、絶対にしあわせ時間を送れること間違いなし。
ということで、80万円という激安価格でお宝級の古民家と縁側が手に入るチャンス。
家のコンディションは不明ながら、お宝が解体される前に、このちいさな和風邸宅をポチってみてはいかがでしょうか。誰も買わないなら僕が買いたい…。
これまでの記事はこちら
▶空き家ポリス Vol.3 羊の皮をかぶる家
▶空き家ポリス Vol.2 川を満喫!Myリバー付き物件
▶空き家ポリスVol.1 街道筋の粋なやつ