空き家ポリスVol.1

本当は教えたくない福岡物件『街道筋の粋なやつ』

今月からスタートした新連載「空き家ポリスの本当は教えたくない福岡物件」。「住む予定もないのに、おもしろそうな物件を探して見に行く」ことを趣味とする空き家マニアが、福岡の空き家物件を紹介していきます。栄えある第1回には、文化財クラスの物件が登場!

今回の物件は 福岡県築上町 300万円/3DK/土地309‪㎡‬‬ のこちら。

風情ある古民家物件。築150年という筋金入りの古民家なのだが、それもそのはず、前面の道路は旧・中津街道で江戸時代から栄えた地域。

それがこの値段なのだから、街道筋の歴史的街並みを残したい会派の方は今すぐにでもポチってほしい(というか自分でポチりたい)。
室内も古きよき日本家屋の風合いが残っていて満点の出来。



▲無駄なものはなるべく無くそうとする効率重視の現代からは考えられない廊下の広さ。

▲ちゃんと木の建具を残してくれてます。

▲お約束の大奥体験ができる座敷スペース。みんなの憧れ。

こんな風に懐かしさと粋を感じる空間が色濃く残っているので、着付けでも習って着物暮らしを始めてみたい衝動に駆られる。


▲間取りはこんな感じ。奥にL字型の縁側があって大興奮。

ここで最初の外観写真に戻るんだけど、何か違和感を感じなかっただろうか。

通りに面した家って、たいてい塀とか柵で仕切られて建物は目隠しされてることが多いのに、ここはなぜかオープンでスケスケ状態。昔のお店とかなら道路ぎわにベッタリ建てそうだし、プライバシーやセキュリティより開放感重視だったのかとも思うけど、この時代の建物としては不思議…。

と、気になって調べて見たところ、なんと以前は立派な塀と門があった!

航空写真を見たところ、右隣の白壁の家(青線で囲んだ部分)と、今回の物件(黄色線で囲んだ部分)は昔は一体となっていたことが分かる。

どうやら右隣の白壁の家がお店で、その離れとして今回の住居部分を使用していた模様。

街道沿いなので、昔はほとんどがお店だったと思うけど、今回の物件だけ道路からセットバック(=引っ込んでいる状態)している理由は、前面にも庭が欲しかったのだな。

街道沿いは土地も高かったはずなので、ここに2軒分の家を構えてたということは家主も相当な資産家だったと思われる。この物件の出来栄えも容易に想像が付くというもの。

アプローチもこんな感じで、偉そうな感じが良き。

地域としては往年のにぎわいが薄れているとはいえ、この価格とこの内容は心惹かれて眠れなくなるほど。文化財クラスの物件だと思うので迷ったらGO!
福岡県築上町 300万円/3DK/土地309‪㎡‬

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空き家が大好きな空き家マニア。「住む予定もないのに、おもしろそうな物件を探して見に行く」のが趣味。人に説明するのが面倒なので、この行為を「空き家ポリス」と名付けパトロールしてます。福岡のプロダクション、カラクリワークス(https://caracri-works.com)の中の人。 twitterはこちら→ https://twitter.com/_akiyapolice

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