空き家で困る前に知っておきたい相続のこと、司法書士の森部さんに聞きました

少子高齢化や人口移動などを理由に、多くの地域で年々増加傾向にある空き家。福岡県も例外ではありません。空き家はそのまま放置しておくと、老朽化による倒壊や事故、景観の悪化、治安の悪化などさまざまな問題を引き起こす可能性があり、地域社会の安全や景観などに深刻な影響を与えるため、社会問題となっています。そこで福岡県では、空き家問題を解決するべく令和2年に専門の相談窓口「イエカツ」を開設しました。宅地建物取引士の資格を保有しているイエカツ相談スタッフが、さまざまな専門家と協力しながら、無料で相談に乗っています。今回は、司法書士としてイエカツ主催の相談会やセミナー講師などを担当している、森部修道司法書士事務所の森部修道さんにお話を伺いました。

空き家問題の現状とイエカツが行うサポート内容について、詳しくはこちらの記事をご覧ください

 

 

 

 

お話を伺った方

 

森部修道司法書士事務所

森部修道さん

Profile

福岡県司法書士会所属。早稲田大学卒業後、民間企業や久留米市役所などでの勤務を経て、平成27年に司法書士事務所開業。久留米市特定空家等対策審議会会長や福岡県司法書士会空家等対策委員会委員長などを務める。

 

 

 

誤解されがちな相続の落とし穴

 

——イエカツではどのような相談が多いですか?

森部さん:イエカツでの相談内容は、大半が「相続」に関するものです。例えば、「実家を売りたいけれど、相続登記が終わっていない」、「実家を相続したが、どうしていいかわからない」、「相続放棄をしたいが、手続きがわからない」といった相談が中心です。空き家問題イコール相続問題と言っても過言ではないくらい、相続が絡んでいます。

 

相続は、人生において1〜2回しか経験しないのが一般的です。そのため、相続についての知識がほとんどない方も多い。例えば、使う予定がない家を相続することになったとしても相続放棄のことを知らない方や、相続は全部相続するか、全部放棄するかのどちらかしか選べないことを知らない方も大勢います。また、田舎の土地や農地・山林は買い手がつかず、処分に困るケースも少なくありません。「売りたいけど売れないから、相続放棄したい」という方も増えています。

 

 

——家の相続に関して、どのような問題が多いですか?

森部さん:多いのは、相続登記がされていないパターンです。名義が亡くなった祖父母のままになっていたり、母親が亡くなったから実家を売りたいと思っても、父親が亡くなった際の相続が済んでいなかったり。亡くなった父親に前妻との子がいるけれど、「相続には関係ない」と思い込んでいるケースもあります。実際には、すべてのお子さんに権利があるので相続の際には関係してくるんです。そういったことを知らないことで、いざ相続となって戸惑うということも少なくありません。

 

 

——空き家に関して、よく見られる課題は何でしょうか。

森部さん:問題そのものは一人ひとり違うのですが、みなさん「どこに相談したらいいのかわからない」と悩んでいるように感じます。人によってどこがボトルネックになっているかは、話を聞いて引き出していかないとわからないんです。相続については私たち司法書士で対応できますが、実際家を売るとなると税理士さんや宅建業者さんでなければ対応できない話もあります。ですから、「空き家をなんとかしたい」と思っていても、「まず誰に相談すればいいかがわからない」という方が多い印象です。

 

その点、「イエカツ」の相談会に来ていただければ、いろいろな事業者さんが登録していますし、相談員の方が話を聞いて該当する専門家に割り振ってくれるのがいいところだと感じています。

 

 

 

「空き家は相続の問題」と知ってほしい

 

——空き家問題が起こらないようにするための対策として、事前にしておくべきことはありますか?

森部さん:空き家問題は相続の問題ですから、まずは家族と、今ある家を今後どうするかをしっかり話し合っておくことが大事です。例えば、親御さんが「長男に継がせよう」と思っていても、当人は「全くその気はない」といったケースも当然考えられます。また、どなたかが継ぐとなったら遺言書を作っておかないと、相続人同士で遺産分割の話になった時に後からいろいろ言い出す人が出てきてこじれる恐れもあります。

 

一方で、誰も継がないのであれば、ご両親などその家の名義人に判断能力があるうちに売って処分してしまう、といった方法も取ることができます。しかし、「家を処分して、親を高齢者施設に入所させる費用に充てたい」と思っても、認知症などになってしまって判断能力がなくなってしまうと、売却することはできません。そうなると、親御さんが亡くなって誰かが相続して処分するまで、その家は空き家状態になってしまいます。ですから、元気なうちに家族で将来の家の扱いを話し合い、早めに対応することが大切です。

 

 

——最後に、読者の皆さんへメッセージをお願いします。

森部さん:空き家の問題は、早め早めに対策を立てることが大切です。空き家になってからでは遅いので、親御さんがしっかりしているうちに家族で話し合っておくことをお勧めします。「我が家は相続で揉めるほど財産がない」なんておっしゃる方も多いですが、実際はいざ親が亡くなって遺産相続という時になると揉めることが多い。ですから、毎年家族が集まるお盆やお正月などのタイミングで相続については話し合っておきましょう。

 

また、すでに空き家になってどうしたらいいかわからない場合は、一度「イエカツ」に相談されるといいと思います。「イエカツ」であれば、お話を伺って、まず何をすべきか、誰に相談したらいいかを教えてくれます。それだけでもだいぶ状況が整理できると思うので、お困りの方はぜひ相談会などに足を運んでみてください。

 

福岡県以外でも同じようなサービスをおこなっているようですので、調べてみてくださいね。

 

 

 

施設概要

森部修道 司法書士事務所

 

 

福岡県久留米市原古賀町22-9サンセーヌ六ツ門1F [map]

電話番号:0942-65-4538
Fax:0942-65-4548

HPはこちら

 

 

福岡県空き家活用サポートセンター

住所:福岡県福岡市中央区天神1-1-1 アクロス福岡東オフィス3階((一財)福岡県建築住宅センター内)[map]

電話番号:092-726-6210

営業時間:9:00〜17:00

定休日:土曜日、日曜日、祝日、年末年始

HPはこちら

 

不労所得訴求

本業しながら副収入!エンクレストではじめる不動産投資

Sponsored

【天神へ13分。博多へ16分】エンクレストガーデン福岡

福岡市中央区で自然と利便に包まれた364戸の大規模プロジェクト。大規模公園に隣接し、全戸平置駐車場完備。多彩な間取りで様々なライフスタイルが叶います。

Sponsored

★福岡の観光・グルメ・ビジネスなど、最新記事の更新情報はこちらから

記事更新情報は、下記のフクリパ公式アカウントからも配信しています。
ぜひご登録ください。

「X(旧Twitter)」で受け取りたい方はコチラ

「LINE」で受け取りたい方はコチラ

LINE登録用

 

「メール」で受け取りたい方はコチラ

天神ビッグバン マップ

 

 

【PR】2040年まで人口増が予測される成長都市「福岡」!投資するならマンションがおすすめ。

次々と新たな商業施設、オフィスビルがオープンしている昨今。
福岡都心部の再開発プロジェクトである天神ビッグバン、博多コネクティッドによる変化も大きく、開発が終了して完成する物件も増えてきて、福岡市内中心部の景色は変わり始めています。

 

さらに、人口増加率では東京23区を超え、2040年までの人口増が予測され、日本全体が人口減少となる中でも引き続き成長を続ける都市「福岡」。

その福岡における最新の投資用マンション情報や将来への対策として必要な投資の中でも特にサラリーマンの方におすすめの「不動産投資」が学べるマンガなどの特典を無料プレゼントしています。

 

資料請求はこちら

資料送付はえんホールディングスグループの一員である株式会社えんより行われます。
えんホールディングスグループはWEBメディア「フクリパ」の運営母体です。

合わせて読みたい

空き家はひとごとじゃない!福岡の”イエカツ”事情

あなたの実家は大丈夫?空き家問題を解決する近道を、まちづくり不動産に聞いてみた

関連タグ:
#PR
#イエカツ通信
#不動産
この記事をシェア
LINE
福岡を今よりもっと良い街に!
フクリパ編集部
フクリパ・デスク(中の人)です。飛躍する街・福岡の 過去を知り、現在を理解し、未来を想像する、様々な情報をいち早くお届けします。「こんな記事が読みたい!」というリクエストは、各種SNSのメッセージにて承ります!

フクリパデザイン1

フクリパデザイン2

フクリパデザイン3

フクリパデザイン4

TOP