多様化する賃貸物件ニーズと福岡市の賃貸物件市場動向
ライフスタイルの多様化や社会構造の変化によって、賃貸物件に求められる条件は多岐にわたるようになりました。間取りや設備に加えて、セキュリティ対策や住環境など、個々のニーズに対応する物件が求められています。
近年の顕著な傾向として、少子高齢化や人口減少に加えて、2020年以降はコロナ禍による生活様式の変化やリモートワークの普及が、求められる住環境の変化につながっています。自宅での仕事スペース確保や快適性を求めて、ニーズがより多様化したといえるでしょう。
そうした賃貸物件の状況を背景に、福岡市の賃貸物件市場に目を向けてみましょう。福岡市は2025年2月時点での人口が165万人を超え、政令指定都市の中でもっとも高い増加率となっています。安定した人口流入を背景に、単身者層の動きが活発化。この傾向は、大規模開発が進行する福岡市の状況においては、今後もしばらく続くとみられています。
家賃は上昇傾向にあり、特に博多区や中央区などの人気エリアでの上昇率が顕著です。さらに、人口の多い東区や、福岡市近郊の春日市や大野城市、太宰府市といったベッドタウンとして機能する地域も、通勤・通学者の賃貸需要とともに、賃料水準も高止まりの傾向が続いています。
この活況の中で、賃貸物件を借りたい人にとっては、より希望に合う条件の物件を求めて、信頼できる不動産会社を探すことも必要となってくるでしょう。
入居前にチェックしたい3つのチェックポイント
多様化するニーズですが、実際にどのような条件に応えている物件が人気なのでしょうか。
物件を選ぶ際のチェックポイントとして、主に3つが挙げられます。
1. 水回り(洗面台やバス・トイレ、浴室などの仕様)
2. 設備(収納や宅配ボックスなど)
3. セキュリティ(防犯カメラや管理体制など)
各ポイントに対しての入居者ニーズを満たすためのハイスペックな物件は特に人気が集まっています。物件を選ぶ際は、ぜひこの3つのポイントをチェックリストとして、参考にしてみてください。
1.最大のポイントは水回り!
3つの項目の中でも、特にニーズの高い条件をみていきましょう。
快適な暮らしと聞いて最初に思い浮かべるのは、水回りに関することではないでしょうか。80年代後半から90年代にかけて建てられたワンルームマンションに多く採用された、風呂とトイレが一体化した「3点ユニット」ですが、近年では、快適性や衛生面からも、風呂・トイレ・洗面台が独立している物件が主流になりつつあります。さらに風呂には、追い焚き機能や浴室乾燥機能など、高度な設備を求める層も増えています。
また、単身や二人暮らしの世帯向けの賃貸物件では、一口コンロといった旧来型ではなく、キッチンがガスコンロを別で取り付けるつくりや、シンクと作業スペースがあり、コンロは2口というのが主流になりつつあります。
こうした水回りやキッチンに高度な機能が求められる近年の傾向は、賃貸物件を借りる中心の世代(20代〜30代)のニーズに合致していると言えます。プライベート空間の確保を求め、自宅で過ごす時間を充実させたいという若年層のニーズに応える物件は、今後も増えていくと考えられます。
2.生活のクオリティを高める設備にも注目
設備面では、生活の利便性を向上させる環境がそろっていることが、選ぶ際の必須条件ではないでしょうか。インターネット回線の通信速度や容量などは、優先度の高い設備となっています。入居時にインターネット契約を結ぶ必要がなく、インターネット利用料は無料、入居したその日からインターネットが使える物件は基本の設備になりつつあります。近年では、リモートワークの需要の高まりとともに、安定した強いインターネット環境が求められるようになりました。そうした需要に応える高速インターネットを完備する物件は特に、支持を得ています。
3.充実したセキュリティで暮らしに安心を
セキュリティ面も重要視したいところです。オートロックや防犯カメラはもちろんのこと、モニター付きインターホンなど、安心できる設備が多いほど、その安心度は高まります。また、借りる前に物件を確認する際のポイントとして、集合郵便受けの状態をチェックすると、その物件のセキュリティ度合いがわかります。ロック付きの郵便受けや宅配ボックスなど、安心感が高まる設備の有無などは、現地で確認しておくと良いでしょう。投函されたチラシが散乱している、清掃が行き届いていないなどの状態がある場合は、セキュリティ対策がおろそかになっている可能性が高く、管理体制に問題があると言えそうです。
近年では、管理人やコンシェルジュ常駐物件がセキュリティの視点から人気が高まっています。清掃が行き届いていることと合わせて、より安心して暮らすことができるのは一人暮らしの場合にはとても重要なポイントです。特に、初めての一人暮らしの場合には保護者の方としても安心できる物件が望ましいですよね
満足度を高めるなら「投資用の物件」を選ぶのもおすすめ
こうした条件を満たす物件を選ぶのは、なかなか難しく感じるかもしれません。
そこで、最後に魅力的な物件を見極めるために必要なコツをご紹介します。
毎日自分が暮らす場所を想像した時に、建物のデザインが気に入るものであるかどうかは、設備や環境と同じぐらい重要ではないでしょうか。周辺環境と調和するような外観や、帰るたびにホッとするエントランスの雰囲気など、デザイン性の高い、いわゆるデザイナーズマンションと言われる物件の多くは、サービスやメンテナンス面においても充実している場合が多く、選ぶ価値があると言えるでしょう。
入居者満足度の高い投資用物件
例えば、一年を通して植栽や花壇が整えられていたり、エントランスや共用部に上品なアートピースが飾られていたりすると、丁寧にメンテナンスされている物件である可能性が高いと言えます。
最近は、契約をオンラインで完結できるサービスの導入や、入居後のオンラインサポートシステムなども増えています。ハード面だけではなく、サービス面が充実しているのも大事なポイントです。
実はこうした条件を網羅している物件の多くが、「投資物件」と呼ばれる投資用の不動産です。
投資用物件は、投資価値を高めるために、高度な設備やサービス提供がなされていることが多く、安全なエリアや大通り沿いといった立地面の優位性も、その特徴に挙げられます。こうした条件をみていくと、実は賃貸物件としても満足度の高い環境がそろっていると言えそうです。
「投資用の物件」か気になる際には、マンション名やブランド名を検索してみましょう。検索結果から、オーナー向けや投資向けなどの情報が掲載されているものは「投資用の物件」です。ぜひ、新しい住まいとして選択することをおすすめします。
今回ご紹介した内容を参考に、あなたが叶えたい暮らしを想像しながら、チェックポイントを整理してみてください。