パンオタクが選ぶ福岡パン

20年以上変わらぬ「好き」を貫くパン屋さん「komapan」【福岡市西区】

福岡で10年以上パンブログを続け、2020年には城南区別府にパン喫茶をオープンさせた「pantiki」さん。毎日をリープアップしてくれる福岡のパンを、「ひとぱん入魂」の気持ちで1つずつご紹介いただくこちらの連載。90回目の今回は、福岡市西区のkomapanです。

遅ればせながら、、、今年1記事目です。

2026年もよろしくお願い致します!

 

前回は、一年の総括と言いますか振り返りのコラムを書かせていただきました。

その時に、改めて思いましたが、パンを好きになってから20年余り。「パン」であるという軸は同じとしても、筆者自身の嗜好というのは、結構変わってきているなぁと(振れ幅の大小はあるにしても)

 

例えば、今は毎年どこのお店のものを買うか楽しみにしている、クリスマス名物『シュトレン』も、昔はどちらかと言うと苦手だったのです。故に、シュトレンぽくない、カリカリした『ナッツがメインの焼き菓子みたいなもの』を買い求めていたけれど。今は、王道の凄さと言いますか。同じような材料を使っているのに、何故この店のシュトレンは、こんなにも美味いのか、、、的なところに魅力を感じています。

 

そして、その同時期には、ハード系のパンに傾倒していて、ふわふわのパンの魅力はそんなにわかっていなかったけれど。今は癒しというか。口に入れた瞬間から「はい、美味しい、100点!」みたいな優しさに包まれたい、ふわふわパンでホッコリしたい、そんな朝を迎えることも多いです。

 

 

こういう自分の中の変化は、良く言えば「パンアンテナを張り巡らせた結果」とも言えますが、悪く言えば「ブレブレのパン遍歴」とでも言いましょうか、、、だからこそ、ずっと、ずーっと同じパンが好き。こういうパンが好きなんです!とキラキラした瞳で言える人を、心から凄いと思うのです、なんて一途なの。

 

komapanさんにお会いした時に、まさにそんなふうに感じました。

今は福岡市西区今宿で、月に数回の間借り営業をなさっています。今宿といっても、JR駅前の飲食店やスーパーなどがある、住宅地的雰囲気のエリアからは、少し離れたところ。なんとも自然豊かな一画です、長閑です。

 

 

komapanさんのパンを初めて食べたのは、実はずーっと昔のこと。20年来のライフワークである個人ブログ初期。なのでkomapanさんも、20年は続けていらっしゃる、ということですよね。

 

女性がおひとりで、間借り営業だったり、カフェにパンを卸す、というのが、今ほど盛んではなかった時代。当時、西区姪浜にあったカフェで、確か焼き菓子も何か、購入させていただいたと記憶しています。

 

その後、ご自身のお店を構えられるなど、いろいろ、紆余曲折あられたようですが、今はここに、落ち着いていらっしゃるようです。周辺の長閑な雰囲気と、パンたちのお顔がとても合っていて、パンも人も、とても居心地良さそうに見えました。

 

komapanさんのイングリッシュマフィンをいただく

 

ハンドドリップで淹れて下さる美味しいコーヒーと共に、イートインも出来たので、ゆっくり、まったり、おやつタイム。頂いたのは、イングリッシュマフィンにクリームチーズとレーズンが入ったもの

 

 

イングリッシュマフィン自体、何故かあまり見かけない福岡のパン屋さん事情。それを焼いて下さっているだけでも嬉しい!尚且つこういう「背の高い天然酵母みっちり生地タイプ」は超好みなので、小躍りする勢いで購入させていただきました。

 

 

これとは見た目が異なるプレーンにも興味をそそられ、自宅で焼き戻してから頂きましたが、面白いくらい印象が違いますね。

 

半分にカットして焼き戻して、、、断面にしっかりバターを染み込ませる。ザクザクザクッ!という小気味良い音と共に、口中に広がる、シンプルな粉の甘み。噛み締め甲斐のある、密度がある生地だからこそ、咀嚼することで広がる素材の味です。バターもジュンワリ染み込んで、口中で広がって、、、なんとも口福、幸福、です。

 

お店で頂いたクリームチーズ入りのものは、しっとり、みっちり、した印象でしたが、プレーンをこうして焼き戻すと、香ばしさが際立ってくる。同じ生地でも、食べ方ひとつ、フィリングの有無によって、こんなにも印象が変わるのだなぁ、、、と(^^)

 

「わかっているつもりでいること」でも、こういう出会いの機会を頂く度に、ハッとさせられますし、認識を深める良い機会となりますね。そうなんです。やはり「いつものお店」に通うことも大切ですが、「新しいお店」や「久しぶりのお店」に伺うことも、素晴らしいことだよなぁ、、、と。

 

ホシノ天然酵母使用ならではの、酒粕のような風味がする、komapanさんのイングリッシュマフィン。筆者も、この酒粕っぽい風味が好きなんですよ。その旨をkomapanさんにお伝えしたら、ご自身もそうだと仰る。こういう味が好きだから、昔からずっと、同じなんです。作り方もずっと、同じ

 

そうサラリと仰いましたが、それって、とても凄いこと。ですよ!

売りたいパンと売れるパンは、違います。そう仰って、悩みながら試行錯誤なさるシェフたちのお背中を、何度か拝見したこともあります。悩んだ末に、当初の計画や夢とは少し違うものを作ることになった方も沢山いらっしゃる。でもその決断も、地域の方々に愛されるためだったり、沢山のスタッフさんたちの生活を考えた上だったり、、、けっして後ろ向きな決断ではないわけです。パンと人と、真摯に向き合った結果の決断でありますから、そしてそれが受け入れられるのか、というのもわからない、勝負でもあります。

 

故に、変わるのも勇気だなぁと、、、深く感じ入ります。また、新しい技術を知ったことで自ら「変わりたい!」と勉強して製法を変える、というのも、とても前向きな「変化」です。

 

そして、だからこそ、ずっと同じものを作り続ける「変わらない勇気」にも、尊敬の念を抱くのです。冒頭で述べさせて頂いた、ブレブレのパン遍歴を持つ自分だからこそ特に。

 

女性おひとりで切り盛りなさっている、こういうお店の店主さんたちからは、特にそういう強さ、のようなものを感じます。お店を大きくすること、ではなく、自分の信念を貫くこと、の方に注力なさっている感じ。変わるのが良い、変わらないのが良い、とかそういう話ではないのです。

 

そこはもう、あいだみつを先生の領域です。

「みんな違って、みんないい」

 

ただ、好きだから、そう結論付けできるその笑顔が、とても眩しく見えました。心に木漏れ日が差し込んできたみたいに、ふかふかにしてもらえました(布団か)

 

今年もこういう素晴らしい、人と、パンとの出会いが溢れる1年になりますように、、、

 

 

 

店舗情報

komapan

住所:〒814-0032 福岡県福岡市西区今宿上ノ原493 むくの木 [map]

駐車場:あり

営業日:不定期で間借り営業

【1月の営業】

1月14日(水)11:00〜16:00

1月24日(土)11:00〜16:00

Instagram:@komapan2016

 

※2月以降の営業日や出店場所はまだ決まっていないとのこと。今後の予定など詳しくはお店のInstagramをご確認ください!

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パンブロガー
pantiki
福岡在住。色々なパンを食べ歩き、「ひとパン入魂」を心に紹介するパンブログを10年以上運営。2020年には福岡市城南区別府に、ブログを三次元化させたパン喫茶「kissaten ぱんフレット。」をオープン。オリジナルのメニューの提供のほか、ロスになる前のパンにアレンジを加え、ストーリーと一緒に味わってもらう「パンのバトン活動」を続けている。

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