■ 30年前から若者をひきつける個性的なまち「大名」
まずは、福岡市中央区「大名」というまちについて、少し総括を!約400年前、江戸時代にさかのぼると、福岡城の東側、内堀に面し、上級武士の武家屋敷が並ぶ城下町でした。
「紺屋町(こんやまち)」「雁林町(がんりんのちょう)」など通り名にも名残を感じられますが、路地がこのように入り組んでいるのは、侵入した敵が一気に攻め込みにくいようにしたからだといわれています。
私は30年前に「シティ情報ふくおか」というタウン情報誌の編集者でしたが、その頃から大名は個性的な店主や飲食店、ショップが多く連なり、若者の人気を集めるスポットで、よく取材をしていたものでした。
穴場なエリアは南下して、福岡市中央区・今泉、薬院エリアに移っていきましたが、でも大名は、若者が集い、歩行者天国でもないのに、車と人が狭い路地を行き交う、活気あふれる場所です。
何を隠そう、十数年前から私は大名に事務所を置き、日々この賑わいの中で過ごしてきました。そしてここ2、3年、コロナの影響で閑散とした時もあったこの大名にある変化が起こっていました。
■ 50m歩くと韓国料理店に!一部リトルコリアタウン化する「大名」
当メディア「フクリパ」でもまとめて紹介しているように「天神ビックバン」の波は訪れており、大名小学校跡地は、リッツ・カールトンが姿を見せています。
>>天神ビッグバンとは
加えて顕著な変化は、韓国料理店が急激に増えたこと。私が大名に事務所をうつした2010年当時はたしか2つしかなかった韓国料理店が、いまや20軒以上になろうとしています。
しかも、コロナ禍にもかかわらず、2020年後半から2021年に10軒ほどオープン。通りに1つはあったり、50m歩くと1軒は見つけることができるほどです。
「リトル・コリア」というと少しオーバーかもしれません。一度だけ行ったことがある東京・新大久保のミニミニ版といった感じです。
思えば、日本では2020年から「第4次韓流ブーム」。『愛の不時着』や『梨泰院クラス』などのドラマや映画、『BTS』などのK-POPアーティストやグループが人気を集めています。
『BTS』のニュースが世界をかけめぐるなど、いまや韓国のコンテンツ人気は日本だけでないですけど。
日本での韓国人気の主流は若い人たち。渡航が解禁となった現在は多くの韓国の若者が訪れています。大名に集まる若い人を狙って、韓国グルメ店の出店が相次いでいると考えられます。
そして、福岡はもとから韓国と距離が近く、飛行機で約1時間弱、高速船で3時間弱。インバウンドをメインの仕事をしている私は、ビジネスパートナーが韓国にいて、40回以上訪問したことがありますが、東京、大阪に出張に行くよりも近い感覚なのです。
釜山の街をドライブしていると、福岡のラジオが入ってきた という嘘のような本当の話もあります。
数年前は、LCCが多数運航され、韓国〜福岡間も数千円(!?)のこともあり、韓国人の若い旅行者がまるで自分たちのまちのように大名を闊歩していました。韓国語もとびかい、隠れ家カフェをのぞけば韓国人ばかりということもよくありました。
大名には韓国資本のカフェや食堂も進出しています。この隣町のような感じが呼び寄せている気がしてなりません。
■ 福岡・大名の韓国料理の特色
なにより韓国料理店が増えて嬉しいのは、韓国に行った気分になれること。何を隠そう、私は韓国料理が大好き。大名の韓国料理店の特色を私なりに考えてみました。
●写真映えとリーズナブルな価格
チーズタッカルビ、UFOチキンなどチーズ料理はいまだ人気で、写真映えもスゴイ!昼、夜問わず2,000円〜3,000円台のお手頃なコースを提供している店も多いです。このリーズナブルな料金も人気の一因では。
●メインを中心にサイドメニューも豊富
福岡では、セットでついている店もありますが、別に注文できるメニューとしてチヂミやチゲがあるなど選択肢が豊富です。
●一人ならランチか定食の店がおすすめ
大名では、定食屋さんも多く、またランチだと1人前のセットになっているところも多いです。
ということで、タウン情報誌の元編集者である私が選んだお気に入りの5店舗を紹介します。