日本酒界に登場した新星「クラフトサケ」?!第三次“クラフト”ブームに迫る

クラフトビールやクラフトジンといった言葉をここ数年、よく聞くようになりました。原料や製法にこだわるクラフト系のアルコールは、今まで味わったことがない味や香りで私たちを楽しませてくれます。そんなクラフト系アルコールで新たに注目したいのが、日本酒をベースに生まれた「クラフトサケ」。福岡市の中心地で、クラフトサケづくりに取り組み、日本酒の新しい楽しみ方を提案するリブロムクラフトサケブリュワリーの代表・柳生光人さんにその魅力を伺いました。

お酒業界に“クラフト”が誕生。クラフトとは?


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お酒を語る際の“クラフト”という単語は、1970~80年代のクラフトビールやマイクロブリュワリーのブームとともに広く使われるようになりました。厳密な定義はありませんが、クラフト(craft)は英語で「技術」「工芸」「職人技」などを意味する言葉であることから、小規模な醸造所がつくる多様で個性的なお酒のことを指します。 これまでにない多様性と、個性的な味わいやブランドを備えているのが特徴です。

クラフトビールブームと、クラフトジンブーム

2000年ごろに始まった、クラフトビールブーム。きっかけは、1994年に酒税法が改正したことで、大手メーカーだけでなく小規模事業者がビール製造に続々と参入したことにあります。全国各地にブリュワリーが誕生し、多彩な「地ビール」が作られるようになりました。さらに、2018年に再び酒税法が改正され、ビールの定義が拡大。ハーブや果物など多くの副原料の使用が認められたのです。結果、個性的なクラフトビールが多く誕生し、今のクラフトブームにつながっています。

そんなビールに引き続き、ブームが起きているのが、小規模な醸造所で作られる、個性的な味わいの「クラフトジン」。クラフトジン流行のきっかけは、2009年、ロンドンで約200年ぶりにジンの蒸留免許を取得した「シップスミス」の設立でした。若い蒸留所の誕生を機に、再注目されたジンは、イギリスで大人気となり、世界へとブームが広がったのです。

次はクラフトサケ?! 今注目を集めるクラフトサケとは?

そんなクラフト系アルコールで次に注目したいのが、「クラフトサケ」です。クラフトサケとは、クラフトビールやクラフトジンと同じように小規模な醸造所で作られる日本酒を再編集したお酒のこと。


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日本酒と同じように、酒米を原料に作られますが、醸造の過程でさまざまな副原料を加えることで、従来の日本酒にはない味や香りが楽しめる醸造酒です。現在では、株式会社 JAPAN CRAFT SAKE COMPANYが仕掛ける「CRAFT SAKE WEEK」というイベントも、国内外から注目されています。
 
そんなクラフトサケ作りを行う醸造所は、全国にあり、これまでにない食材の組み合わせで新しいお酒の楽しみ方を提案しています。

・WAKAZE三軒茶屋醸造所(東京都世田谷区)

パリと東京で酒造りを行う株式会社WAKAZEの醸造所です。わずか4.5坪の醸造スペースで生まれる酒はまさに新感覚!出汁感が広がる「しいたけSAKE」やモヒートをモチーフにミント、スイカ、ラズベリーを用いたものまで、自由な発想に驚くこと間違いなしです。
https://www.wakaze-store.com/pages/3rd-anniversary

・haccoba(福島県相馬市)

米や麹を使う伝統製法はそのままに、フルーツやハーブ、ビールに使うホップなどを発酵過程で加えたクラフトサケを生み出しています。まるでワインのようなシンプルでスタイリッシュなボトルデザインもおしゃれで、お祝いや手土産にも喜ばれます。
https://haccoba.com/

・稲とアガベ(秋田県男鹿市)

福岡県出身の岡住修兵さんが代表を勤め、2021年に創業したクラフトサケ醸造所。有機肥料すら使用していない自然栽培のササニシキを原料に、精米歩合90%とほとんど削らずに作られたお酒は、まさに未知数。2021年販売分はすでに完売していますが、機会があればぜひ味わってみたいマニア必見のお酒です。
https://www.inetoagave.com/

そんな中、実は福岡にもクラフトサケにいちはやく注目し、製造している企業を発見。さっそく取材にうかがってみました。

福岡の街中でクラフト酒をつくる!

福岡でクラフトサケを醸造するのが「リブロムクラフトサケブリュワリー」です。酒蔵というと緑豊かな郊外にあるイメージですが、リブロムがあるのはなんと福岡市中央区。最寄駅は、渡辺通駅・薬院駅という福岡市の中心部です。バーを併設した醸造所を訪れてみると、一見カフェのような雰囲気。飲食スペースからは、ガラス張りになった醸造スペースを眺めることができます。

代表の柳生光人さんは、ニュージーランド留学を経験したことで、日本の素晴らしさ、日本人としてのアイデンティティを再認識。「いつか日本文化を発信する仕事がしたいと思うようになったのだそう。
さらにその後、幼いころから憧れだったイタリアへ旅行した際にその土地に惚れ込んだ柳生さん。イタリアはヨーロッパいちの米どころにも関わらず、酒造がないという現状(当時)を知り、酒造りの道へ進むことを決意。

そうして、山口県の「新谷酒造」や酒造りの神様として知られる能登杜氏の農口尚彦さんのもとで酒造りを学び、2021年にリブロムを立ち上げ、今に至ります。
ブームになりつつあるクラフトサケを支えるのは、柳生さんのような20〜30代の若者が中心です


柳生光人さん(左)と、醸造責任者の穴見峻平さん(右)

柳生さん

新しく自分たちの酒蔵を立ち上げようと思っても難しいのが現状です。酒税法では既存の日本酒生産者を守ることを目的に、日本酒製造免許の取得は非常にハードルが高いものになっています。もちろん方法もあって、日本では流通させず、海外へ輸出するために日本酒をつくる輸出用製造免許や廃業した酒蔵の免許を買い取るなどして、新規参入をする方もいます。とはいえ、日本酒の年間製造料が60キロリットルを満たす必要があり、相当な設備と規模が必要なので、街中で造ることは厳しいんです。

そこでたどり着いたのが「クラフトサケ」。クラフトサケは、厳密には日本酒ではありません。日本酒の伝統的な醸造工程は守りながら、さまざまな副原料を加えて作ることで、法律上、日本酒ではなく「その他の醸造酒」に分類されます。「その他の醸造酒」なら、年間製造量は6キロリットルを満たせば酒類製造免許が取得できます。小さな規模で、かつ街中で醸造することが可能です。

「日本酒文化をもっと身近に」というのが、リブロムのコンセプト街中でできる規模感、気軽に日本酒文化を体験できる場所・空間が必要で、そこで生まれる日本酒の醸造過程にアレンジを加えたクラフトサケは僕たちの目指すものにぴったりだったんです

副原料の違いで個性が出るクラフトサケは、自らの手で日本酒を醸したい若手たちによって全国で登場しています。業界としても「一丸となって盛り上げよう」という空気があり、SNSを中心に一般の方にも広まりつつあります。

リブロムが考えるクラフトサケの魅力とは?

フルーツや野菜、ハーブ、ホップなど、副原料によってさまざまな味やフレーバーとなるクラフトサケ。リブロムでは、副原料に食べられるお花“エディブルフラワー”を使用し、これまでビオラやマリーゴールドなどを醸造過程で加えたお酒を発表しています。実際に飲んでみると、花の香りやほんのり。甘いお酒というわけではなく、しっかりと日本酒らしさが感じられ、鼻に抜けるふわりと華やかな香りが楽しめます。柳生さんがエディブルフラワーを採用したのはどんな理由があったのでしょうか。

柳生さん

世界では日本酒が注目され輸出量は増えていますが、実は国内の消費量は減少傾向にあります。特に若い方は、日本酒が苦手だったり、そもそも飲んだことがなかったりするんです。そこで、感度が高い若い人たちが日本酒に興味を持つきっかけを作ろうと考えました。

花やフルーツを使ったお酒なら、若い女性にも興味を持ってもらえるかなと思って、まずはエディブルフラワーを使ったクラフトサケを醸造することにしました。僕が目指すのは「日本酒に興味を持ってもらうこと」だったので、花なら味や香りを主張し過ぎず、日本酒らしさを残しながら新しいお酒が作れるんじゃないかなと思ったのも理由のひとつです。同じ理由で、エディブルフラワーのほかにも、あまおうやイチジク、ピオーネなど、福岡県産のフルーツを加えたお酒にもチャレンジしました。

醸造所を福岡市の中心地に作ったのも、若い人が訪れやすいから。店舗デザインもカフェのような雰囲気で、気軽に日本酒を楽しんでほしかったんです。日本酒を飲んだことがない人の最初の一杯に選んでもらえたらうれしいですね。

さまざまなムーブメントを経て、お酒がむかう先とは

リブロムでは、昼は甘酒ドリンクを提供。夜には日本酒と共に料理も楽しめるバースペースが併設されています。ボトルパッケージも日本酒とは思えないスタイリッシュなおしゃれさがあり、日本酒マニアだけでなく、これまで日本酒に興味がなかった若い女性たちの来店も多くあります。私たちに新しい日本酒の可能性を見せてくれるクラフトサケですが、今後はどのように発展していくのでしょうか。

柳生さん

飲まない人からみると、日本酒って「アルコール度数が強くて、くさい」ってイメージがあるんです。あんまり格好いいイメージがない。一方で、ワインやウイスキーに詳しいって聞くと、格好いいなって思いますよね(笑)。海外のお酒だから格好いいのでしょうか。でも、日本酒は、日本の國酒(こくしゅ)。私たち日本人が、誇りを持てるものだと思うんです。日本人は、自分の国にもっと誇りを持ってほしい。そのためにも、日本酒文化を盛り上げたいし、クラフトサケを通して、日本酒のイメージを一変させたいです
 
クラフトサケに取り組む醸造所は、横のつながりもあるので、今後は全国各地のいろんな酒醸造所とコラボしたいと考えています。また、アパレルブランドとのコラボも検討中。アパレルも、お酒も、ライフスタイルの一部。日本酒に馴染みがない人でも興味を持ってもらえるような、ライフスタイルに合わせたお酒の提案をしていきたいと考えています。また、街中という立地を生かして、気軽に醸造所に訪れてもらい消費者の皆さんと一緒にお酒を作る体験型のお酒造りにもチャレンジしたいんです。若い方にとって、クラフトサケが日本酒の入口となり、日本酒文化にかかわるきっかけを作っていければうれしいですね。

醸造所によって個性があらわれるクラフトサケ。日本酒らしさがしっかりあるものもあれば、甘さや華やかな香りでイメージを大きく覆してくれるものもあり、その多様性も魅力的です。これまでなんとなく日本酒を避けていたという方は、一度、クラフトサケをいただいてみてはいかがでしょう。新しいトビラが開けるかもしれません。


■リブロムクラフトサケブルワリー
住所:福岡市中央区高砂1-21-27
電話番号:092-753-9298
営業時間12:00 ~ 23:00 
定休日月曜日
料理提供は17時〜(日曜日は軽いおつまみのみ)
▶LIBROM Craft Sake Brewery

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紙とWEBの編集ライター
戸田 千文
愛媛県出身。広島、東京生活を経て、転勤族の夫とともに2018年夏に福岡暮らしをスタートした。情報誌やレシピ本、WEBコンテンツの企画・制作を通して出会うローカルのおいしいモノ・楽しいコトが大好き。

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