- 九州各地で約半世紀に渡り、市民とともにクラシックコンサートの公演が開催されていることを知っていますか?
毎年、九州各地で開催されている日本フィルハーモニー交響楽団のクラシックコンサート(九州公演)。
日本フィルの九州公演は、1975年に6公演という規模でスタートし、今年で49周年を迎えました。九州公演は九州各地(福岡・北九州・大牟田・大分・宮崎・鹿児島・熊本・長崎・佐賀・唐津)の市民ボランティアの団体によって企画運営されており、世界にも類を見ない市民とオーケストラによる音楽文化を作る共同プロジェクトです。
日本フィルは「市民とともに歩むオーケストラ」として、九州に音楽文化を届ける活動を約半世紀にわたり途切れることなく毎年公演を開催しています。今年も「第49回九州公演 日本フィル in KYUSHU 2024」が2月10日(土)の北九州公演を皮切りにスタートし、九州の9カ所を巡ります。福岡県内では3カ所(福岡市、北九州市、大牟田市)の会場で開催されます。
九州公演での出演者の皆様の意気込み
九州公演に先立ち、福岡で記者会見が開催されました。ここでは出演者の方々のコメントをご紹介します。
●後藤朋俊(日本フィル常務理事)
九州公演は1975年が第1回目ですが、当時日本フィルはスポンサーから打ち切られて苦しかった中、まず九州の方が日本フィルを応援してくださった。これが九州公演の始まりです。芸術性と社会性を兼ね備えたオーケストラ・日本フィルの原点は、ここにあります。九州公演は実行委員会の皆さんと1年間相談をしながら一緒に作り上げるコンサートです。今は第一線で活躍している音楽家も、当時はまだまだこれからであっても、九州の方が温かく迎えて世に出していただいた。そういう意味でもこの九州公演は貴重な公演で、世界でもまれに見るツアーだと思っています。来年の50周年に向けての勢いをつけるこの49回を皆さんに支えていただきながら、成功させたいと思っております。
●下野竜也(指揮者)
今回、服部百音さんと日本フィルと一緒に九州を周り、ヴァイオリン協奏曲の王道であるメンデルスゾーンとどのように向き合っていけるか1つの楽しみです。小山さんとのモーツァルトもとても楽しみにしております。
幻想交響曲は過去何回か演奏はされていますが、なかなかこういう旅行で大規模な曲を持っていくことは予算面の問題で避けがちですが、こういう作品を九州の皆さんに聴いていただければという思いでお願いしました。
自分自身も次の世代にまたその時日本フィルを応援してくださった方々への恩返しというような気持ちで望みたいと思います。
●服部百音(ヴァイオリニスト)
下野マエストロとは14歳の時が初共演。10年前に弾いたのもメンデルスゾーンでした。それから10年という時を経て今また同じ曲でマエストロと久しぶりに共演を果たせるということも、とても不思議な引き合わせと感じています。各地を訪れてクラシックの何がいいのか、面白いのかを伝えていくことが私たちの1番大事な役目ですが、素晴らしいマエストロ、それからオーケストラの力でどこまでそれを伝えていけるか、それをどれだけ長い間続けていけるか。とにかく健康で頑張りたいと思います。
左より下野竜也さん(指揮者)、服部百音さん(ヴァイオリニスト)
●小山実稚恵(ピアノ)ビデオメッセージ
曲目は初めてのモーツァルトの協奏曲20番を。大変大曲ですけれども、非常にモーツァルトが全力をかけて作って、ベートーヴェンがすごくこの曲を気に入ってカデンツァも作ったというほどの作品です。今回、福岡そして宮崎、佐世保という3都市でさせていただきますが、実行委員会の方たちがものすごくその地元の愛と日本フィルへの愛を込めて、いつも運営に携わられています。私は今回が5回目。長いご縁とそれから深いご縁をいただいていることに感謝して、今回の演奏会を本当に楽しみにしております。
ビデオメッセージにて小山実稚恵さん(ピアノ)
動画はこちら>>第49回九州公演 日本フィル in Kyushu 2024に向けてメッセージ(小山実稚恵)
https://www.youtube.com/watch?v=CACJka9Y1WM
さらに、日本フィルの大牟田公演の事務局の方からもコメントをいただきました。
「北九州と大牟田はヴァイオリニスト服部百音さん、福岡はピアニストの小山実稚恵さんを迎えて、日本フィルのオーケストラの皆様との演奏を楽しめます。福岡、北九州、大牟田とそれぞれソリストや曲目が違いますので近場でお好きなプログラムを選べる楽しみもあります。様々な楽器を持つ100人程の人が1人の指揮者とともに1つの曲を演奏するオーケストラの素晴らしさを毎年九州公演で感じています。生で見てその迫力を体感していただくしかその感動は説明しようがないので、ぜひたくさんの方に来ていただけたら嬉しいです。九州公演はクラッシックにあまり詳しくない方も気軽に聞いて欲しいと曲目などを考えております。お求めやすい席や学生席なども準備しております。ぜひ、気軽にクラシックの音楽を楽しんでいただけたらと思います。」
市民とオーケストラが一緒に作り上げるコンサート。クラシックが好きな方も、あまり詳しくないという方も、この機会にぜひ足を運んでみてはいかがでしょうか?
公演情報
第49回九州公演 日本フィル in KYUSHU 2024
指揮:下野竜也
ヴァイオリン:服部百音*
ピアノ:小山実稚恵**
福岡県内での公演情報
2024年2月10日 (土) 15:00 北九州ソレイユホール
モーツァルト:歌劇《皇帝ティートの慈悲》 序曲 K.621
メンデルスゾーン:ヴァイオリン協奏曲 ホ短調 op.64 *
ベルリオーズ:幻想交響曲 op.64
2024年2月11日 (日) 14:00 大牟田文化会館 大ホール
モーツァルト:歌劇《皇帝ティートの慈悲》 序曲 K.621
メンデルスゾーン:ヴァイオリン協奏曲 ホ短調 op.64 *
ドヴォルジャーク:交響曲第8番 ト長調 op.88, B.163
2024年2月12日 (月) 14:00 アクロス福岡シンフォニーホール
モーツァルト:歌劇《イドメネオ》序曲 K.366
モーツァルト:ピアノ協奏曲第20番 ニ短調 K.466 **
ドヴォルジャーク:交響曲第8番 ト長調 op.88, B.163
チケットぴあ:https://t.pia.jp/pia/event/event.do?eventCd=2336304
ローソンチケット:https://l-tike.com/artist/000000000633146/
九州公演 特設ページ:https://japanphil.or.jp/blog/kyushu
日本フィルハーモニー交響楽団とは
1956年6月創立。現在は「オーケストラ・コンサート」「リージョナル・アクティビティ」「エデュケーション・プログラム」という三つの柱で東京都杉並区を本拠地に活動を行っている。
首席指揮者カーチュン・ウォンを筆頭に、充実した指揮者陣を中心に演奏会を行い、“音楽を通して文化を発信”している。首都圏での年150回を超える定期コンサートや被災地の支援活動、九州公演などの地方公演も行っている。2018年からメディアアーティストの落合陽一と最新のテクノロジーを駆使したプロジェクト(コンサート)を開催するなど、長い歴史を大切にしつつ、新しいものに積極的に取り組んでいる。