1.「来る」を「行く」の意味で使ってしまい通じない
標準語と全く同じ言葉だけれど、使うシチュエーションや使い方によって意味が変わってくる方言があります。
例えば、「来る」と「行く」。
九州では、電話で「今から来る」と言うときは『今からその場所に「自分が」来る』、つまり、そっちに今から行きますという意味で「来る」を使用します。
しかし、関東の人などが電話で「今から来る」と聞くと、あなたの所に誰か来るの?とか、こっちに誰か別の人が来るの?という風に捉えられます。
僕も九州から大阪に行き、関西出身の友達に「今から来るね」と連絡したけれど、うまく伝わらなかったという経験をしたことがあります。
当たり前に使っていた言葉だったので、方言だったと知り驚きました。
同様に「なおす」という言葉も、標準語と全く同じ言葉だけれど、使うシチュエーションや使い方によって意味が変わってくる場合があります。
九州で「なおす」は「片付ける」という意味で使われますが、全国の多くの地域では「修理する」という意味で使われています。
九州で「これなおしといて」と言うと「片付けといて」という風に伝わりますが、関東などでは「修理しといて」と捉えられ、「どこも壊れてないけど・・・?」と疑問に思われてしまいます。
ちなみに、「なおす=片付ける」は関西でも同じように使われているそうです。
なぜ、中国地方と四国がぽっかり空いて九州と関西で同じような使われ方をしているのか、とても不思議ですね。
(※中国、四国地方でも一部「なおす=片付ける」という使い方をする地域もあるそうです)
2.マンハッタンが全国区でないことに衝撃
福岡(九州)で「マンハッタン」と言うと、多くの人がパンのことを連想するかと思います。
福岡県民は、例えばクロワッサンがパンの名前だと伝わるように、マンハッタン=パンとして認識され、全国的に流通しているものだと考えています。
マンハッタンはリョーユーパンが1974(昭和49)年に発売した商品で、九州のコンビニやスーパーでは当たり前にように見かけます。
なので、当然全国で売られているものかと思っていたら、上京してからローカルなものだと知ったという福岡県民も多いようです。
同じように、福岡県民が全国で当たり前に買えると思っているものに「ブラックモンブラン(竹下製菓株のクランチチョコのアイス)」「うまかっちゃん(ハウス食品のインスタントラーメン)」「サンポー焼豚ラーメン(サンポー食品のカップ麺)」などがあります。
3.東京のバスが前から乗ることに違和感
福岡の路線バスは、後ろ(中央)のドアから乗り、料金を払い、前のドアから降りるのが基本です。
当たり前のように染み付いた動作なので、東京でバスに乗ろうとしたらみんなが前から乗っていて、慌てて前のドアに移動したという経験をしたことがある人も多いかと思います。
しかも、料金が前払いなので乗車時にもたついてしまうなどという場合も・・・。
何ごとも東京が基準と考えがちなので、後ろのドアから乗り、料金を払い、前のドアから降りるのは福岡だけだったのか・・・と考えてしまいそうですが、実は全国的に見ると、後ろのドア→料金支払い→前のドアの方がメジャーで、東京が特殊という状況のようです。
逆に関東などの人は福岡のバス停でみんなが一列に並ばずに待っているということに驚くそうです。
これは一つのバス停にいろんな路線のバスが頻繁にやってくるので一列に並ぶことが難しいというのが原因かと思いますが、言われてみるとたしかに不思議な光景かもしれません。
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当然全国で通用すると思っていたことが実はローカルだったというもの、その他にも色々とありそうですが、特に言葉に関してはあらかじめ知っておくと、コミュニケーションで恥をかかなくてすむかもしれませんね。
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<参照サイト>
「なおす」の意味は、片付ける?修理する? 境界線はクッキリ | Jタウンネット東京都
マンハッタン | リョーユーパン