多々良川について
今回ご紹介する「多々良川」は、福岡県糟屋郡久山町猪野の三日月山を源流とし、福岡市東区の博多湾へ注ぐ、全長約18キロメートルの二級河川です。
以前このコーナーでご紹介した「那珂川」「室見川」「御笠川」などと並び、福岡市を流れる代表的な川のひとつにも数えられています。
市民の憩いの場である河川敷では、スポーツを楽しむ子供たちの声が響き、ウォーキングやランニングをする人々の姿も多く見られます。また、春には河川沿いに桜が咲き誇り、美しい景観を楽しむことができます。
さらに河口付近は、多くの野鳥や渡り鳥が飛来する、豊かな自然が残る場所としても知られているんです。
多々良川のシンボル「名島橋」
そんな多々良川の河口に架かるのが「名島橋」。
1933年に完成したこの橋は、白く輝く御影石に覆われたヨーロッパ風の7連アーチが特徴で、その優美な姿は見る人を魅了します。
当時の日本としては破格の規模で建設されたことから、軍用道路や代用飛行場など、さまざまなロマンを秘めた逸話が残されています。
また、土木学会選奨土木遺産や国の登録有形文化財にも選ばれており、歴史的にも価値の高い橋として、今も福岡の東の玄関口を支えているんです。
多々良川で釣れる魚
こちらがチヌ(クロダイ)。近年は「チニング」というチヌ専用ルアーで狙うのが人気です。
画像出典:https://www.photo-ac.com/main/detail/23756632&title=%E9%BB%92%E9%AF%9B#goog_rewarded
多々良川では、主に河口付近でスズキ(シーバス)やチヌ(クロダイ)が釣れます。
比較的年中楽しめる釣り場となっており、その他にもアジ、タチウオ、メバルなどの魚種も狙えます。
全体的に水深は浅めで根掛かりはしやすいですが、護岸の消波ブロック付近や岩場、砂浜に多くの魚が集まりやすい傾向があります。
特にチヌ釣りはチヌ専用のルアーで狙う「チニング」という釣り方が人気で、都市部でも大型のチヌが釣れることでも知られているんです。
多々良川の釣りスポット
それでは改めて多々良川全体を見てみましょう。
多々良川の釣りスポットはおもに名島橋の北側上流と下流のエリアになります。
先述したように水深は浅く、岩などの障害物も多いため、根掛かりに気をつけましょう。
名島橋下流エリア
まずは名島橋の下流エリア。河口北側の川沿いは歩道になっています。
そのまま歩道を直進していくと、名島弁天橋に差し掛かりますが、橋の下にはトンネルがあり、さらに奥へと進むことができます。
トンネルを抜けると名島弁天橋の橋脚部分が現れます。この橋脚まわりも優良なポイントになっています。
橋の下流域は石積みの護岸になっています。このブロックまわりも釣果が期待できます。
さらに歩道をさらに下流へと直進します。
最河口部一帯は、砂地とごろごろとした大小の石が混在するエリア。根掛かりに気をつけながら攻めましょう。
歩道の突端まで辿り着くと、名島海岸公園が現れます。
この名島海岸公園は2本の石組みの堤防が伸び、2本の堤防の間には砂浜になっています。
多々良川の最河口部は湾のような形状になっており、周りには「名島城址」や「名島帆柱石」などの史跡や、みなと100年公園などのスポットが点在しています。
ちなみに左手奥に見えるのは「香椎かもめ大橋」です。
名島橋上流エリア
次は名島橋の上流エリア。
この付近は「多々良川緑地」として遊歩道が整備されています。
この付近は多々良川と宇美川との合流地点になっており、その川幅は長いところで400m以上もあります。護岸付近には魚の住処になりそうな構造物が点在しています。
名島橋と並走するようにJRと西鉄の鉄道橋も走っており、この橋脚まわりも優良ポイントとなります。
多々良川での釣りについての注意点
■多々良川の河口部は住宅地となっています。近隣住民のご迷惑にならないよう十分配慮しましょう。
■名島橋やJRと西鉄の鉄道橋付近では、くれぐれも釣竿が架線に触れないよう、かつ電車や車の運行の妨げにならないよう注意が必要です。
■多々良川緑地の遊歩道はジョギングや散歩などを楽しむ方も多くみられます。トラブルにならないようこちらも配慮が必要です。
■多々良川河口付近には駐車場はありません。車で行かれる際には近隣のコインパーキングを利用しましょう。
■ルールやマナーを守り、安全第一で釣りを楽しみましょう。
ということで、今回は多々良川をご紹介させていただきました。
国道3号線に架かる名島橋は、福岡市東区と博多区を繋ぐ重要な交通要所。その名島橋付近は東区エリアの優良な釣りポイントになっているんです。
さらに多々良川の上流部は大型のブラックバスが釣れるポイントも多いようなので、ぜひ大物を狙いに行かれてみてはいかがでしょうか。