福岡で人気のある賃貸とは?
―福岡で人気のある賃貸マンションって、どんな特徴があるんでしょうか。
真鍋次長
少し前までは築30年以上のような古い物件が余るほどあったのですが、最近はそういう古い物件にもお客さんがつくようになりました。
賃貸物件の引き合いがあるのは2月から4月がピークで、その時期は本当に物件が足りないんです。
福岡に支社・支店がある県外の企業は、人事異動の時期をわざわざずらすような会社もありますね。
例えば新卒研修が終わった8月に異動、という企業もあるほどです。
福岡は単身者が年々増え続ける「単身者の街」
2020年の国勢調査で福岡市の人口は前回から7万3,711人増え、4.79%増の161万2,393人となり、人口増加数・人口増加率で共に首位でした。
人口推計によると、 福岡市の人口は2035年まで増え続けるといわれています。
福岡市の単身者増加数のグラフからもわかるように、福岡は単身者が年々増え続ける「単身者の街」。
進学や就職でやってくる若い世代のほかに、管理職として単身赴任で福岡に住んでいる、40~50代の方も多いという特徴があります。
若い世代はワンルームや1Kなど手ごろな間取りを選ぶことが多く、40代以上の方は1DKや1LDKなどやや広めの物件を選ぶ傾向が多いのだとか。
その場合月額10万円を超えるくらいの物件を会社負担で借りることになるのですが、これでも首都圏の同クラス物件と比較すると、お得感は大きいはず。
その最大のポイントは、コンパクトシティであること。
福岡は交通・ビジネス・娯楽などの都市機能が中心部の博多・天神にキュッと集まっていて、しかもそのエリアに住むことができる。
これは東京にはないメリットです。
首都圏で物件を探すとなると、「何回乗り換えれば通勤先に着くか」という考え方になります。
しかし、福岡市内に住んで福岡市内に通うなら、「何回乗り換え」を考える必要はほとんどありません。
鉄道なら地下鉄と西鉄大牟田線を中心に考えておけば基本的には大丈夫。
乗り換えなしで通勤できるって、東京では考えられません。
福岡では、手軽な自転車や便利なバスで通勤する人も多い
さらに、日本一といわれるほど発達したバスが市内をくまなくカバーしています。
福岡のバス文化は、県外から来た方が驚くもののひとつ。
東京の山手線や地下鉄でわざわざ時刻表を見て乗る、という方は少ないと思いますが、福岡ではバスがそういう存在。
バス停で乗客が列を作らないのも、それだけ次から次へとバスが来るからだといわれています。
そして、現在急速に利用者が増えているのがシェアサイクルサービス「チャリチャリ」。
2018年にスタートしたサービスで、2022年7月には累計利用回数が1000万回を超えた実績を誇ります。1分4円で使えますから、10分でも40円。
雨さえ降らなければ、どの交通手段よりも便利だという方も多いようです。
最近では、「チャリチャリ」のポートを備えた賃貸マンションも登場し、人気を博しています。
単身の入居希望者が部屋を選ぶときの5つのポイント
―単身の入居希望者が部屋を選ぶときのポイントって、何でしょうか?
真鍋次長
いま福岡で選ばれている物件には5つのポイントがあります。
そこに注目するのがおすすめです。
単身者向け賃貸マンション・人気の5つのポイント
・ウォークインクローゼット
・同じ専有面積でも、より広く使える間取り
・インターネット回線完備、Wi-Fiがあると◎
・内廊下、カーペット敷き
・エントランスホールの天井が高く、高級感がある
最近人気といえば、ウォークインクローゼットがある物件
収納スペースが確保できるウォークインクローゼットは部屋がすっきりして、人気です。
以前はウォークインクローゼットがある賃貸物件は少なかったのですが、人気にともなって増えてきました。
同じ専有面積でも、より広く使える間取り
キッチンの配置を工夫するなどして、同じ専有面積でも使いやすく、広さを感じるような間取りの物件に人気が集まっています。
インターネット回線完備、Wi-Fiがあると◎
設備面でみると、そろそろ必須になってきたインターネット回線。
物件に備え付けになっていれば、面倒な手続きや工事立ち合いも不要です。
よっぽど専門的な使い方をしなければ、自分で回線を引くよりも賃貸物件に付帯している設備で十分でしょう。
今後はWi-Fiがついているかどうかがチェックポイントになってくるはず。
内廊下、カーペット敷き
そして、マンション全体にかかわるところでいえば、「内廊下」です。
賃貸マンションといえば、部屋に入る玄関ドアは屋外に面しているのが当たり前。
部屋に入ろうとしてカギを探しているあいだに雨に濡れちゃった……という経験をお持ちの方も多いでしょう。
ですが、最近増えているのがホテルのように部屋の扉が建物の内側にある物件。
これが、本当に女性には人気だといいます。
マンションのオーナー側からすれば「玄関ドアやロック部分を、風雨や潮風から守る」というメリットがあるのですが、住む側からは外から見られないという防犯面、そして高級感などさまざまな面から人気になっています。
エントランスホールの天井が高く、高級感がある
そして、エントランス。
ここは、広さよりも天井の高さがポイントです。
大理石やガラスを使い、明るくて高さを感じるエントランスは喜ばれるとか。
一昔前のマンションだとそこまで手が回っていない物件も多いですが、最近の新築賃貸マンションは「これ賃貸?分譲じゃないの?」といわれるような、高級感のある物件が受けています。
やはり友達を仕事や外出から帰ってきて気分が上がるかどうか、友達を呼びたくなるかどうか。
それを考えると、誰でもクオリティの高い物件に住みたいという気分になるでしょう。
これから福岡で部屋を選ぼう、という人にアドバイス!
―最後に、これから福岡で部屋を選ぼう、という人にアドバイスを。
真鍋次長
あとは、エリアとして避けたほうがいい場所というのもないんです。
治安が気になる場所というのもなくなって、親富孝通りだってファミリーが住める場所になりましたし、再開発がどんどん進んで「昔はあのへん怖かった」というエリアもきれいになって、住みやすい街になっています。
ここ最近、福岡の中心部は本当に安全な街になりましたよ。
ですから、自分が気に入って、予算に合う物件ならどこでも大丈夫です!
出典:森記念財団都市戦略研究所『日本の都市特性評価2021』
福岡市は生活利便施設で高評価を得て、さらに生活余裕度や市民生活・福祉の評価も高く、『日本の都市特性評価2021』にて「生活・居住」分野において第1位を獲得しました。
調査の結果が示すとおり、福岡のコンパクトさは、住む場所を選ばず、利便性の高い地域です。
「どこに住んでも便利」と言っても大げさではないほど。
「街の雰囲気が悪い」など、避けた方がいいエリアもありません。
福岡は、コンパクトで便利、安全で住みやすい街だと言えるでしょう。
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