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自転車盗難が多い街・福岡。盗難防止対策の“次世代キー”の最有力はなに?

全国の政令指定都市の中でも、自転車盗難件数が上位の福岡。実際、鍵をしっかりかけていても盗まれるケースが多く、確実に防ぐ方法がないのが現実です。そんな中、鍵自体を見直し、指紋認証で解錠が可能な「次世代の鍵」を生み出した企業が福岡に本社を構えるスリーアールソリューション株式会社です。その真相について探るべく、マーケティング部・平林佑樹さんにお話をうかがいました。

全国で3分に1台盗まれている?!自転車が多い街福岡は、自転車盗難件数も全国上位

新型コロナウイルスの影響などにより、公共交通機関を使った通勤が見直されるようになり、自転車通勤をする方が増えています。さらにチャリチャリなど、誰でも自由に使えるシェアサイクルサービスなどが普及。そのような複合的な要因が重なり、街には自転車が溢れています。
しかしみなさんどうでしょう。鍵もしっかりかけていたのに、自転車が盗まれてしまった経験ってないですか?

実は、福岡県警察の発表しているデータによると、平成30年に警察に届け出があった自転車盗難件数は8,454件、その多くは駐輪場や共同住宅での盗難ですが、驚くことに住宅侵入窃盗も多々見受けられました。
また、全国に目を向けてみても、政令指定都市における人口千人当たりの認知件数では、平成30年は大阪市に次ぐ2位という結果に。犯行の手口は年々巧妙化しており、鍵をかけていてもそのまま車に積み込まれてしまったり、工具で鍵を切断して持ち去ってしまったりすることも多いのだそう。

データ出典:福岡県オープンデータサイト(https://open-governmentdata.org/fukuoka-pref/)
犯罪の現状 – 福岡市(https://www.city.fukuoka.lg.jp/data/open/cnt/3/75907/1/bunkatsu2.pdf?20200601111834)

一般的な自転車盗難防止対策

では、私たちはどのような対策を取ればいいのでしょうか。一般的に考えられる対策についてご紹介します。


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・2つ以上の鍵をつける

やはり、自転車の盗難防止の基本は施錠すること。現在はワイヤーやチェーンなど様々な種類の鍵が販売されているので、違う種類の鍵を組み合わせて使うのがいいでしょう。窃盗犯に「鍵を破壊するのに手間がかかりそうだ」と思わせることが重要です。

・固定物を利用した“地球ロック”

鍵をかけていても、自転車ごとかついで盗まれてしまうことも。そこで、物理的に動かせない固定物に鍵をつなぐ、いわゆる「地球ロック」が有効です。ただし、道路標識などの公共物や、駐輪が禁止されている場所では避けるようにしましょう。

・より安全な駐輪場の選定

普段なにげなく利用している駐輪場を見直してみるのもひとつの手です。人通りが多い場所の方が、心理的に持ち去りにくくなります。また、防犯カメラが設置されていたり、照明設備が整っていたりすることも防犯抑止に効果を発揮します。

・自転車カバーを活用する

前段で述べたように、自宅の駐輪場でも盗まれるというケースが頻発しています。そこで有効なのが、自転車カバー。“高価な自転車が狙われやすい=メーカーやパーツを見て価値を判断していると考えられるため、カバーをかけておけば狙われにくくなります。

コロナ禍で高まる自転車需要。盗難対策として鍵の構造自体を見直す!

様々な窃盗防止対策をご紹介しましたが、実際、鍵をたくさん持ち歩いたり、狙われにくそうな駐輪場を探すのも大変ですよね…さらに、鍵をなくしてしまったり、ナンバーロックの番号を忘れてしまうなんてこともしばしば…。
そんな中、「面倒くさい」「邪魔」「場所をとる」…そんな悩みをすべて解消してくれる、指紋認証で解錠する次世代キーを発見したんです。開発を手掛けたのは、福岡に拠点を構えるスリーアールソリューション株式会社。ということで、さっそくお話をうかがってみました。

平林

昨年から、コロナ禍の移動手段として自転車の需要が高まっています。警察庁によると、自転車盗難の認知件数は年間16万件にものぼり、単純計算すると3分に1回自転車が盗難被害に遭っているといえます。中には鍵をかけていても盗まれてしまうケースも多く、なんと4割が鍵をかけた状態で盗難されているのだとか。自転車はもちろんのこと、さらに高価格帯で10万円以上する電動自転車の盗難は、社会問題といえます。こういった世の中の流れを察知して、指紋認証で解錠する自転車用鍵「ロッキンタッチ」の開発に着手しました。

世界にひとつだけの鍵「指紋」を使った次世代キー

なぜ「指紋認証」にという発想にたどりついたのでしょうか。驚くことにその理由は、いち社員が発したひとことが発端だったのだといいます。

平林

弊社では月に10商品以上の新商品を開発しています。そのスピード感の秘密は企画会議です。マーチャンダイザーを中心に、週に2回ほど新商品についてのアイデア出しを行う企画会議を行っています。その中で、「自転車の鍵を毎回出すのが面倒だ」という意見が出たのがはじまりです

平林

物理的に鍵を持ち歩かないとなれば、使えるのは自分の体だけということになります。そうなると、世界にひとつだけで、なおかつ誰にも盗まれないもの=“指紋”という発想に至りました
“指紋認証で開錠する自転車ロック”という機能面だけでいえば、似たような機能を持った製品は探せばほかにも出てくるかと思います。そこで、自転車の使用シーンを考えた時、福岡でもシェアサイクルのチャリチャリなど、複数人で自転車をシェアする機会が増えてきていることに着目し、指紋認証数を大幅に増やすことで、家族や共有の自転車でも使えるよう、差別化をはかりました

なんと、指紋の登録数は最大で50個まで可能なのだとか。家族分はもちろん、複数の指の登録が可能なので、片手がふさがっている時用に、両手分登録しておくのもいいですね。

テストマーケティングとしてクラウドファンディングを利用

スリーアールソリューションとしては初の自転車用ガジェット。発表の場として、クラウドファンディングプラットフォームMakuakeを選んだのはどうしてなのでしょうか。


ロッキンタッチのアームの太さは18mm。見た目の“ゴツさ”も、盗難防止策として有効なのだそう

平林

弊社は何度もクラウドファンディングで新商品を発表しています。というのも、これまでは支援や応援という要素が強かったクラウドファンディングですが、今は純粋に商品を購入する「ECサイト」のような役割も担うような流れになっています
そこで、弊社としても今回初の自転車用ガジェットとして、本当に私たちが考えているようは層の人たちが購入してくれるのか、そういったことを確認するテストマーケティングの場として捉えているんです

結果、目標金額10万円のところ現時点で約190万円が集まっています(クラウドファンディングは、12月13日18:00終了予定)。それだけではなく、平林さんたちがターゲットとして考えていた層=サラリーマン世代の男性が支援者のうち約8割を占めたのだそうです。

平林

ロッキンタッチを見た時に、男性に受ける商品だなと直感的に感じました。そこから、男性だから“ロック”だろ!と。もちろん鍵という意味も兼ねていますが…(笑)。そこに指紋で開けることを意味する“タッチ”を組み合わせて“ロッキンタッチ”というネーミングにしました。思わず口に出していいたくなるようなところも意識しましたね。
それに合わせてMakuakeのページづくりも、男性の使用シーンを想定した構成・キャッチコピーにしました。その結果、実際に支援してくださった方のうち8割は男性で、40〜50代の層にもっとも支持されるという結果になりました。

平林さんによる緻密なマーケティング、そして、スリーアールソリューションが大切にしている【「面倒くさい」「邪魔」「場所をとる」を解決する製品を生み出すこと。その結果、このようにたくさんの方に支持されたのだといえます。

クラウドファンディングやSNSで購入者とのコミュニケーションを図る

スリーアールソリューションは社員の意見を吸い上げるだけではなく、最近ではクラウドファンディングやSNSなどでも購入者や支援者の方たちの意見をしっかり吸い上げ、それを商品に反映させています。

平林

クラウドファンディングをやってよかったことのひとつが、支援者の方からの声が直に届くということ。昨年、温熱手袋をクラウドファンディングで発表して多くのご支援をいただいたのですが、実際の使用シーンをうかがってみると倉庫作業で使っている人が意外と多かったんです。だから、“洗える”という条件がマストだな、と。今年改良版として洗える温熱手袋を発表(詳しくはこちら)したところ、前年の約倍の1900ほどの人が支援してくださいました。

と、社員だけではなく、購入者の方からの意見も柔軟に吸い上げることで、たくさんの人の“困った”を解決しています。こうしているうちにもスリーアールソリューション内では企画会議が行われ、時代にフィットした商品が小さな会議室から生まれようとしています。
自転車盗難の手口はどんどん巧妙化していますが、このように、盗難対策グッズも時代とともに進化しています。定期的に、鍵の見直しをしてみるのもいいかもしれませんね。

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フクリパ編集部
フクリパ・デスク(中の人)です。飛躍する街・福岡の 過去を知り、現在を理解し、未来を想像する、様々な情報をいち早くお届けします。「こんな記事が読みたい!」というリクエストは、各種SNSのメッセージにて承ります!

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