福岡の地元銀行では第7位に福岡銀行、第8位に西日本シティ銀行がランクイン
第1位:三菱UFJ銀行12万7,264社(構成比7.93%)、第2位:三井住友銀行10万1,697社(同6.34%)、第3位:みずほ銀行8万840社(同5.04%)━━。
大手企業調査会社の株式会社東京商工リサーチ(東京都中央区、河原光雄社長)は2025年8月15日、『2025年全国160万5,166社の“メインバンク“調査』結果を発表した。
メガバンク3行がトップ3を占める中、地元銀行である福岡銀行、西日本シティ銀行がそれぞれ第7位と第8位にランクインしている。
第7位となった福岡銀行をメインバンクとする企業数は、前年比3.89%増の2万3,214社(同1.45%)だった。
また、第8位の西日本シティ銀行をメインバンクとする企業数は、同3.26%増の2万1,548社(同1.34%)となっている。
同調査において、地銀だけに限ってのランキングをみると、トップは第5位の北洋銀行であり、二番手は第6位の千葉銀行だった。
これらに続く、福岡銀行は地銀で第3位であり、西日本シティ銀行は同第4位となっている。
両行がランクインした背景の一つとして、福岡県における高い産業の集積度合が挙げられる。
中小企業庁が2023年12月13日に発表した『都道府県・大都市別企業数、常用雇用者数、従業者総数』によると、福岡県内における企業数は13万1,240社に上る。
福岡県内に本店を構える福岡銀行、西日本シティ銀行における県内企業のメインバンクシェア率は、それぞれ37.10%、32.51%と高い割合となっている。
これらの点が、両行がトップ10にランクインした要因と考えられる。
東京商工リサーチでは、今回のランキング結果について、「人口減少や地域経済の停滞、さらに金利上昇を背景に、取引先の移動やメインバンク変更など、金融機関の立ち位置にも濃淡が出てきた」とする。

出典:東京商工リサーチ『2025年 全国160万5,166社の“メインバンク“調査』(画像提供:東京商工リサーチ)

出所:中小企業庁『都道府県・大都市別企業数、常用雇用者数、従業者総数』
福岡銀行、西日本シティ銀行の本拠地・福岡県は金融激戦区
東京商工リサーチが同日に発表した福岡県内におけるメインバンクの企業数においても、第1位:福岡銀行、第2位:西日本シティ銀行という順位だった。
福岡銀行の県内企業におけるメインバンク取引社数は、2万1,976社(県内シェア率37.10%)であり、西日本シティ銀行は同1万9,257社(同32.51%)となっている。
以後、福岡ひびき信金(同4.06%)、筑邦銀行(同3.61%)、福岡中央銀行(同2.89%)が続く展開だった。
福岡県は、“金融激戦区“と言われている。
福岡県における金融機関は、地方銀行が4行、第二地方銀行が1行、信用金庫が8庫、信用組合が3組合ある。
また、福岡県内には、メガバンクをはじめとする都市銀行や信託銀行の支店も軒を連ねる。
さらに他県の地方銀行や第二地方銀行も本部や支店を構えている。
一方、九州の他県においては、地元の地方銀行が高いシェア率を誇る。佐賀県は佐賀銀行(同57.28%)、長崎県は十八親和銀行(同82.87%)、熊本県は肥後銀行(同57.95%)、大分県は大分銀行(同51.42%)、宮崎県は宮崎銀行(同60.17%)、鹿児島県は鹿児島銀行(同53.39%)が、軒並み50%を超える高いシェア率となっている。
これに対して、金融の一大激戦区を拠点に営業活動をする福岡銀行、西日本シティ銀行は、結果的に有力地銀に成長する背景と要因になったという見方もできる。

出所:東京商工リサーチ『2025年 全国160万5,166社の“メインバンク“調査』
参照サイト
東京商工リサーチ『2025年 全国160万5,166社の“メインバンク“調査』
https://www.tsr-net.co.jp/data/detail/1201661_1527.html
中小企業庁『都道府県・大都市別企業数、常用雇用者数、従業者総数』
https://www.chusho.meti.go.jp/koukai/chousa/chu_kigyocnt/2023/231213kigyou1.pdf
財務省福岡財務支局『管内各金融機関における地域密着型金融取組実績』
https://lfb.mof.go.jp/fukuoka/html/kinyu/chiiki/micchaku.html









