福岡市の商業地は4年連続でトップ、住宅地は50年目で初の首位
出所:国土交通省『令和6年地価公示の概要 令和6年3月』
12.6%増の商業地は4年連続で第1位、9.6%増の住宅地は初の第1位━━。
国土交通省は3月26日、土地取引の指標とされる、2024年1月1日時点での『公示地価』を発表した。
2024年度公示地価において、福岡市の商業地の上昇率は47都道府県庁所在地で4年連続の首位だった。
一方、福岡市の住宅地は、公示地価の全国的な調査を始めた1975年以降で初めてトップとなり、初の二冠に輝いた。
福岡市の商業地における上昇率1位は、西鉄天神大牟田線に今回誕生した新駅『桜並木駅』に程近い『博多区竹丘町2の1の11』であり、その上昇率は21.6%増だった。
なお、商業地における最高価格地点は、26年連続で『福岡市中央区天神1の96の1外』であり、1平方メートル当たり1180万円だった。
今回、福岡市の商業地について、国土交通省の説明資料である『50-7地方圏(1)地方四市』において、次のように解説している。
「商業地については、天神地区や博多駅周辺では、福岡市による再開発事業の進展等から、オフィス需要は堅調で、観光客を含めた人流回復に伴いホテルや飲食店舗の取引も活発化しており、その周辺地域では、旺盛なマンション用地需要も見られることから、地価の高い上昇が継続している」
一方、福岡市の住宅地における上昇率1位は、西鉄天神大牟田線の雑餉隈駅に程近い『博多区麦野3の17の24』の19.6%上昇だった。
なお、住宅地における最高価格地点は、42年連続で『福岡市中央区大濠1の13の26』で、1平方メートル当たり114万円だった。
福岡市の住宅地についても国土交通省の説明資料『50-7地方圏(1)地方四市』において、次のように説明している。
「住宅地については、中心部の希少性が高い高級住宅地や中心部と比較して割安感を残す地域を中心に地価の高い上昇が継続している。また、市内のマンションの販売は引き続き好調であるが、マンション用地の供給が少ないことから、開発業者による需要の競合が続いており、地価の高い上昇が継続している」
全国2.6万地点での商業地の上昇率トップはTSMC進出先
出所:国土交通省『令和6年地価公示の概要 令和6年3月』
公示地価とは、地価公示法に基づいて、国土交通省土地鑑定委員会が、土地の取引価格の指標にするため、全国2万6,000地点(うち6地点は福島第一原子力発電所の事故の影響で調査休止)における毎年1月1日時点での1平方メートル当たりの正常な価格を判定し、公示したものだ。
なお、今年1月1日午前0時以降に発生した『令和6年能登半島地震』による影響は、反映されていない。
全国約2万6000地点のうち、商業地における全国第1位の上昇地点は、『熊本県菊池郡大津町大字大津字拾六番町』(村上写真館)の33.2%増だった。
半導体受託製造の世界最大手である『台湾積体電路製造』(TSMC)が、熊本県菊陽町に日本初の生産拠点を設けたことで関連企業の事務所用地などの需要も旺盛だったことによる。
一方、住宅地における全国第1位の上昇地点は、『北海道富良野市北の峰町4777番』の27.9%増だった。
外国人も含めた別荘需要の増加が大きく寄与したものとみられる。
参照サイト
国土交通省『令和6年地価公示の概要 令和6年3月』
https://www.mlit.go.jp/totikensangyo/content/001732032.pdf
国土交通省『説明資料50-7地方圏(1)地方四市』
https://www.mlit.go.jp/tochi_fudousan_kensetsugyo/content/001730046.pdf