福岡新風景3_ツナガル株式会社

福岡新風景:経営者と語る福岡の魅力

移住系経営者・竹林さん(ツナガル株式会社)に聞く、九州の中の福岡の立ち位置。

福岡大学商学部・飛田先生の新連載!"福岡新風景:経営者と語る福岡の魅力"では、福岡へ新たに根を下ろした経営者たちの生の声をお届けします。さまざまな背景を持つ経営者がなぜ福岡を選び、どのように彼らのビジョンと地域の特性が融合しているのか、また福岡がもつ独特の文化、生活環境、ビジネスの機会はどのように彼らの経営戦略や人生観に影響を与えているのかについて、飛田先生が、深い洞察と共に彼らの物語を丁寧に紐解きます。福岡の新しい風景を、経営者たちの視点から一緒に探究していきましょう。福岡へのIターン、Uターン、移住を考えている方々、ビジネスリーダー、また地域の魅力に興味を持つすべての読者に、新たな視点や発見となりますように。

「福岡新風景:経営者と語る福岡の魅力」第3回は,ツナガル株式会社(福岡オフィス:福岡市中央区舞鶴)の竹林 謙さんです。竹林さんとの出会いは,とある勉強会に参加していた時にそのファシリテーターからのご紹介だったと記憶しています。「旅」,「経験」,「編集」をキーワードとするビジネスを営むツナガル株式会社。会社の名前もそうですが,事業として取り組まれていることも非常に特徴的で,今回のインタビューを通じて初めて知ることもありました。

 

竹林 謙さん

 

どんな話が伺えるのでしょうか。ぜひご一読ください。

 

 

 

大分県津久見市出身の竹林さんが、福岡移住にたどり着くまで

飛田:こんにちは。これまで竹林さんにはゼミで講義して頂いたり,壱岐商業高校で実施しているアントレプレナーシップ教育プログラムに登壇頂いたり,さまざまな形で関わって頂きました。まず自己紹介と福岡に来られるまでの経緯について教えて下さい。

 

竹林:ツナガル株式会社の竹林と申します。福岡に引っ越してきたのは2016年で今7年目から8年目になろうかというところです。生まれは大分県の津久見市です。両隣は臼杵と佐伯といって,町並みもきれいだったり,両隣ともお城のある町なんですけれども,僕らの町ってお城もなくって,石灰石が採れる街なのでコンクリートジャングルっていうんですかね,田んぼもなくって,田舎なんだけれども,面白い景色の中で育ちました。

 

18から東京に出まして,電気通信大学で認知科学というコンピューターがどうやって人の心を持てるのかみたいなことを研究していました。キャリアの初めは大学院の頃にデザイン会社を立ち上げるみたいなことを経験しました。周りがSEやメーカーに就職する友人ばかりだったのですが、自分には向いていないな、と。

 

その後,デザイナーという職業に触れて「めちゃくちゃ向いてるな」って思った記憶があったので,大学院に通いながら2年間ぐらいデザイナーとして活動しました。そして,新卒で「自分で手を動かすだけじゃなく、自分ひとりではつくれないものを人とつくる仕事に就きたいな」と思って,クリーク・アンド・リバーという会社に新卒で入りました。そこはクリエイターの人材エージェンシーなので,毎日キャリアコンサルタントとして人に会いますし,クリエイターをお客様に紹介するというような仕事をしていて,クリエイターの価値創出みたいなのが結構仕事として好きだったんですね。

 

転機の1つめは,入社してすぐに(2008年に:飛田注)リーマン・ショックが起こったこと。人材系の仕事が一気になくなって,これなんかやばいことが起こってるなっていうショックを受けました。

 

とにかく人材紹介のオーダーがないという時代になってきたので,自分たちで仕事を作らなきゃいけなくて,自分たちでプロデュース事業をやったらいいんじゃないと思いました。入社2年目,3年目ぐらいの出来事です。

 

そうこうしていると次に(2011年に:飛田注)東日本大震災が起こって,同じタイミングで,大手広告代理店に出向で行くことが決まりまして,東北の震災復興事業というのに携わりました。これがキャリアを決定付けるひとつだったのかなと思っています。福島第一原発の問題とか,流れ着いた瓦礫の問題とかをどのように処理していくのか,どうやって国民に向けてコミュニケーションしていくのか。当時からフェイクニュースとかの問題もありましたし,合意形成を地域と住民,国とどのようにとっていくのかみたいな,非常にセンシティブな仕事だったんですけれども,そのコミュニケーション設計を環境省や復興省の人とか,福島の方々とお話しながらやっていたというのが,3年間ぐらい続きました。

 

そうすると,東北の沿岸部とか,辺境の地に行くわけなんですけれども,元々自分が大分県津久見市で生まれて,人口15000人ぐらいで,何の魅力もないなと思ってたし,仕事があるわけないと思っていたような地域で,かつ東北も同じくあのリアス式海岸なので自分の田舎の景色にめちゃくちゃ似てるんですね。そういうのを重ね合わせて,「今自分が東北の沿岸で働かせてもらって,いろんな知恵が集まったり,みんなで力を合わせてこの街をどうにかしようとしてる。復興したり復旧したり,避難先から帰ってきたり,そういう人の営みを見て,日本の地域にもっと光を当てる仕事をしたい」というふうなことを思い始めたのが20代後半です。

 

この頃から地方創生とか,地域で働くこととか,コミュニティデザインとかいうキーワードに興味を持って勉強し始めました。さらに転機になったのが,地域を舞台にした仕事をしたいなと思って,実際に魅力のある地域ってどういう地域なんだろう。そういうことを自分全然勉強してこなかったなと思って,2015年の1年間,バックパックを背負って世界一周旅行に出かけました。ひとつの地域に入ってそこの地域の暮らしを見てみるみたいなことをやっていたんですけど,食文化とか,観光とか,そこのまちまちでの営みを見ながら,「まちのアイデンティティってどういうところにあるんだろうか」ということを考えながら見て回りました。全然福岡までたどり着かないですね(笑)。

 

そういう経験を重ねていると,自分がフィットする街っていくつか条件があるなと思って。港があること。もうひとつが大学があること。大学を中心とした街ができていると,人の流動性が高くて,人の流動性が高いからこそできる商売とか,「まちづくり」みたいなのが垣間見えて,若者が流動的にいるっていう場所がいいんだろうなと。最後に,できれば人口30万人ぐらいのところ,何かそれぐらいの街って「まちの色」みたいなのがあって,大都市になってくると,何かその色が薄れちゃう。そこで候補に挙がったのが,スペインのセビージャ,唐津,別府,このあたりがいいなと思って,そういう街へのアクセスのいいところに住もうと思って,福岡に着地したのが2016年ですね。

 

 

 

ツナガルの多様性とローカルはいかに繋がるのか?

飛田:福岡に2016年に来られて,今はツナガルという会社を経営されています。マネジメントチームの中におられると思うんですけど,ツナガルという会社自体は,いつどういう経緯でできたんですか。

 

竹林:ツナガルは今年14年目の会社になるんですけれども今フェーズ3ぐらいの進化を遂げています。

フェーズ1は制作会社としてスタートしました。クリエイティブの会社としてスタートして,フェーズ2は、地域に根ざした仕事を深めていったと同時に、海外に向けたインバウンドプロモーションの事業が会社の主力サービスになったのが、2016年くらい。フェーズ3が最近2年間ぐらいなんですけれども,自社事業として,国際交流の事業を始めたりとか,旅行業の免許を取得して,自分たちならではの体験を提供するということを始めました。最近ですと中東に支社を作ったりとかしています。

 

飛田:インドに竹林さんが関心があるっていうのは,最近もXだったり,SNSでも拝見してるんですけども,仕事を1回置いてでもインドに行かなきゃいけないって,何か思ったことがあったんですか。

 

竹林:そうですね。インドも6回,7回ぐらい行ってるんですけど,僕の妻もインドによく行くんですね。うちの社員とかにも,インドに行こうよってよく言うんです。日本の常識って,とても狭くって,海外に行かれたことのある方だったらそれは自覚してると思うんですけど,常識の振れ幅をなるべく若いうちに作っとかないと,この国のこのやり方,この暮らし方,この常識だけで暮らすのってめちゃくちゃ息苦しいんですよね。人間の生き方のバリエーションみたいなのを見に行ったり,日本の常識が通用しないっていうところに身を置くってのが,なんか僕の中の,ライフワークになってますね。

 

飛田:それがやっぱり一番インパクトがあったことですか。インドに行かれて。

 

竹林:どうだろうな。ヨガの聖地であるリシュケシュに行くんですけど,ひたすらヨガを通して人生観を磨いている方たちがいて,そういう実践者,求道者から直接お話を伺うっていうのも,斬新な体験です。

 

飛田:僕あんまりヨガとかもよくわからないし,必ずしもクリエイティブ事業に詳しいわけでもないのですごい素人質問なんですけど,そういうものって結びつくものなんですか。

 

竹林:どうなんだろう。僕らのチームの話をすると,結論結びつくと思います。よく一般的に「ダイバーシティであることがイノベーションの源泉だ」みたいなこと言うじゃないですか。飛田さんはご存知のように,僕らの会社は非常にダイバーシティで,フランス人が2人で,うち1人は日本語喋れない。チームでいうとマレーシアから帰ってきたばかりの子,アメリカから帰ってきたばかり、タイから帰ってきたばかり、大学を中退してツナガルに入った、などなど。福岡の地元で育って,地元の大学で,ストレートで入社してる人って1人もいなくて。だからこそできる発想とか,常識っていうのがそもそもない中から生まれてくるアイデアみたいなのはあるんじゃないかなと思います。

 

 

飛田:逆にそれがハレーションになったりするようなことってのもあると思いますが,一般的にローカルって新しいものを受け入れづらいみたいなことを言うじゃないですか。新しいものっていうこととクリエイティブなことっていうのはまた違うような気もするんですけど,その繋がりが持っている多様性っていうものはどうやってローカルに入っていくのかなと。

 

竹林:それはプロセスの中で解決できる問題かもしれないですね。必ず地域のキーマンに会いに行って,その方たちの意向を聞いておくこととか,関係性を築くときに地域と僕らが受発注の関係にならないっていうことが重要かなと思っていて。僕らがひとつの特定の地域に対してこの地域をどうしたいっていうよりも,その地域の方たちが持っているアイデンティティとか文化や歴史からどう次の時代を作っていくのかというところを一緒に模索する。そうするとそのビジョンって見つかるんじゃないかなと思ってます。

 

 

 

ツナガル株式会社の仕事とは

飛田:僕はいつもツナガルの皆さんの仕事ぶりを拝見していて,こんなことを聞くのはちょっとあれなんですけど,何を仕事してるんですか。

 

竹林:行政からの観光振興とかインバウンドプロモーションとかのプロポーザルを受けるのが半分以上で,ようやく最近この旅行業,自分たちの旅行事業が立ち上がってきて,そこも収益化し始めたかなという感じです。あと飛田さんは僕らの中の仕事じゃないというか社会事業みたいなところを見られてるので…。何やってるのって感じだと思うんですけども,あれもなんか僕らからすると,会社を使った大きな鍵みたいなもので,なんか世界と地域のローカル,日本のローカルを繋げてみるとどんな化学反応が起こるんだろうか,と。プロジェクト(NOMADOプロジェクト)を見てもらってると思うんですが,やっぱりあそこに参加した方たちって,多少人生変わってると思うんです。

 

※ NOMADOプロジェクトとは,人間中心設計に基づき,関係を育む共創プロセスと,感情や関係の状態に注目したデザインを実施するもので,ツナガリが生まれ,社会を発展させるための活動を「ENdemicムーブメント」と定義し,コミュニケーション・アート・科学技術・リサーチ活動を行っています。

詳細はhttps://nomado.tsunagaru.co.jp/(※)を参照してください。

 

なんかそういう人生が変わった経験って,5年後10年後にはわからないかもしれないけれども,30歳になったときにそういえばあのときあんな人たちと交流したなとか,自分たちが気づいていないような発想方法を習得したなとか,ゆくゆく判明するようなプロジェクトを今やっています。あれはでも結構旅ですね,僕らの中では。

 

飛田:旅に行くときって,元々インセンティブを期待して旅には行かないですよね。

 

竹林:見てみたい景色があるとか,小さい頃読んだあの本に感動したから行ってみたいんだとか。その好奇心を会社として,仕事としてやってみるとどんなことが起こるんだろうかっていうのを試すために,余白を社内で作っているんです。自分たちが好奇心だけでできるようなことにちょっとだけ投資してるっていう感じ。自分自身が旅人として,気付けば遠くに来たもんだ,振り返ってみるといろんな経験させてもらったなっていう旅からわかることってのはたくさんある。けれども,元々そういうふうなものが得られると思って行っているわけではない。これが結構重要なことかなと思っています。人間の出会いとかもそうだと思うんですけど,そういうようなこと(旅で偶然出会うような機会)が今もさらに求められてきてるときなのかなみたいなのはすごい感じましたね。

 

ツナガルっていう会社って名前がよくって,つながりを作りたい,つながりを作る媒介でありたいっていう人しかいないんですよね,この会社。なのでライフワーク的にも,自分とつながりっていうものを何かしら自分の中で咀嚼して,考えたり,実践したりしてる人ばかりだと思うんです。

 

 

 

福岡から見える九州の景色

飛田:竹林さんが今福岡にいて,福岡から見えている景色ないしは福岡をどういうふうに見ていますか。

 

竹林:九州に引っ越してきて,いちいち感動するところがいくつかあるんですけれども,例えばご飯を食べに行ったときに,これは今朝採れた玄界灘のサワラで,信頼できる仲買人から仕入れていて,小石原焼の器で食べて,九州の甘い醤油でそれを味わうみたいな,お皿から生産から食べるところのプレゼンテーション全てが九州で完結していて,またさらにそれを九州のお酒で合わせるみたいなね,この体験って東京になくて。いいなって思う文化が全部九州内で完結しているっていう。いつも感動しますね。

 

もうひとつが今の話にも少し関わるんですけれども,九州って島として閉じているじゃないですか。だからこそ見える文化の連続性みたいなのもすごく面白くて。旧街道を歩いたときに感じる,文化の連続性みたいなのがすごく面白いなと思って。これは九州のかわいらしさというか,こぢんまりとしたかわいらしさ。その辺の場所を転々と,町から町に動いたときに感じる文化の連続性,その微差を楽しむみたいなものとか,この街のアイデンティティはこれなんだっていうことを浮き彫りさせたりとか,その辺のストーリーを作れると面白いんじゃないかなと思っていますね。

 

 

飛田:昔は藩として独立国家だったので,それぞれの地域にそれぞれ小さな規模で独特の文化があるのは面白いと思って見ています。旅人としてそれを見ていくとか,外から来た人間としてその一連の繋がりを楽しむっていうことは僕も実感していますが,逆にそれが稀に九州の中で違いを強調しすぎるあまりに,統一感がなくなるっていうか,アイデンティティのぶつかり合いというか,そういったものにも繋がっていくような気もするんですけど,どう感じられますか。

 

竹林:あるんじゃないですか。やっぱり地域性とか。地域のプライドがあるがゆえに保守的になったり。

 

飛田:福岡はある種九州各地から生まれ育った人たちが集まる場所になっていて,九州の坩堝(るつぼ)みたいな形になっている。もちろん福岡の会社と仕事をされていたりすることもあると思うんですけど,例えば地域ごとだったり,あるいは九州,福岡,東京,別の地域の会社だったり,行政とやり取りをするうえで何か違いを感じたりすることはありますか。

 

竹林:どうでしょうね。福岡は九州のいろんなところに分散させるという機能がありますね。観光目線でいくと(東京や海外から来る人は九州各地に向かう際に)福岡起点になっているわけで,福岡からどこかに行くとか,福岡っていうところである種キュレーションされて,いろんなまちの文化を知ることができる。その入口となるような場所なのかなと思っています。

 

飛田:なんかそれは東京とはちょっとまた違う感じですよね。

 

竹林:東京とは違いますよね。やっぱりなんか福岡って九州を代表してる感じがあって。そこにはさっきの文化の連続性みたいなのの文脈をキュレーションしてるっていうのがやっぱりあるなと思います。

 

飛田:九州の特殊性っていうか,その特徴っていうのをもっと生かしていくために,ビジネスパーソン,特に福岡,九州に住んでいるビジネスパーソンにできそうなことってどんなことが考えられますか。

 

竹林:僕らの会社の言葉なんですけど,「目利き」になるっていうのが重要なスキルだなっていうふうに僕は最近言っています。観光の仕事もそうですし,地域のプロモーションの仕事もそうですし,「目利き」っていうのはそこの地域コンテンツで何が面白いのかっていうことを知り当てること。あとは外の人が何を求めているかっていう言語,インサイトを知っているとか,外目線を持った上で地域コンテンツを発掘できる編集できるっていうのが重要なスキルなのかなと思ってます。

 

飛田:竹林さんのキュレーションっていうのは例えばどういうことですか。

 

竹林:新しい文脈を作るって言い換えてもいいかもしれないですね。

 

例えば今僕たちの旅行のチームでは,中東のお客様が一番多くって,中東の富裕層目線で見たときの九州の面白さと,自転車旅行をしようとしに来たスペイン人が感じる九州の魅力って全然違うはずなんです。そういう違う目線を持って,九州のいろんなコンテンツを編集して一連の体験を作り上げていく。こういうことかなと思います。

 

飛田:結局やっぱりこのクライアントというか,ユーザーがどこの国の人で,そこではどういう生活が行われていて,どういうことに興味関心がある人たちでっていうことを,よく知るっていうところから始まる。

 

竹林:そうですね,それは重要だと思います。

 

飛田:それって特に営業するときにもすごい大事で,お客さんの情報をよく知りましょうって話だと思うんですけど,なかなか実は難しいことだと思っていて,何かその竹林さんがお客さんの情報だったり,そのコンテクストを把握するときに特に気をつけておられることとかってありますか。

 

竹林:なんだろうな。実際に聞く。予想で話をしない。友達でも,サンプル数少なくてもいいので,こういうのってこの地域の方たちから見たらどう見えるっていうのをちゃんと把握しておくってのが重要かなと思います。

 

飛田: 最後になんですけど,竹林さんの目線から見える九州,福岡の可能性,それともっとこれからこういうことにチャレンジしていきたい,みたいなのがありましたらお願いします。

 

竹林:九州のいろんな地域を見ていると,人間一人の存在によって,めちゃくちゃ大きく地域が変わる,コミュニティが変わるっていうケースをたくさん見ています。それだけ人の持っている可能性とか発想の無限の「ふくよかさ」みたいなのってあるはずで,これがなぜか小都市になるとイチかゼロになってしまう。例えば,大分県の国東半島に行くと、山手線よりひとまわり大きい範囲の中に10万人しかいなくて,10万人分の1と,160万人のうちの1って全然持ってるエネルギーが違うわけですね。でも,福岡はもっとこの160万人がいろんな声を上げながら地域のことを考えながら,そのキュレーション力を持ったり,プロデュース力を持ったり,九州の福岡以外の場所に関心を持っていくようなことって必要なんじゃないかなと思ってます。

 

あと,地域プロデューサーの育成みたいなのにとても興味ありますね。旅人力。僕たちが実践的にやってきた旅人力を増やしていくこととか,NOMADOプロジェクトのような国際交流に関心を持って頂いて,一緒にやっていくパートナーができたらなと思っていて。これが今代理店の中とかフリーランスとかで点在している状況だと思うんですけど,地域プロデューサーっていう職群がもっと集団化してもいいんじゃないかなと思ったりしています。もう今年で40になりましたけれども,ちょっと時間をかけて,地域プロデューサーネットワークを紡ぐ立場にシフトさせていってもいいのかなと思っているところです。

 

飛田:ありがとうございます。引き続きいろいろとご縁をいただければと。今日はどうも長い時間ありがとうございました。

 

竹林:ありがとうございます。

 

 

 

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福岡大学商学部 准教授
飛田 努
福岡大学商学部で研究,教育に勤しむ。研究分野は中小企業における経営管理システムをどうデザインするか。経営者,ベンチャーキャピタリストと出会う中でアントレプレナーシップ教育の重要性に気づく。「ビジネスは社会課題の解決」をテーマとして学生による模擬店を活用した擬似会社の経営,スタートアップ企業との協同,地域課題の解決に向けた実践的な学びの場を創り出している。 著書に『経営管理システムをデザインする』中央経済社がある。

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