東京藝術大学大学院文化財保存学専攻の修士・博士課程での最優秀作を「お仏壇のはせがわ」が表彰
仏壇や墓石の販売、屋内墓苑の受託販売を手掛ける株式会社はせがわ(本社:福岡・東京、代表取締役社長 新貝 三四郎)は毎年、東京芸術大学大学院において美術研究科で文化財保存学を専攻した大学院生による最優秀作品に対して、『お仏壇のはせがわ賞』および同特別賞を授与している。
仏壇や墓石などの販売を主に手掛ける同社が、東京芸術大学大学院に『お仏壇のはせがわ賞』と同特別賞を設けているのは、一体ナゼなのか?
この点について、株式会社はせがわの広報担当者は、次のように説明する。
「文化財を守るための技術を伝え残すことは、日本の美とこころを次の世代につなぐことだと、はせがわは考えます。
文化財保護を担う技術者の育成に貢献することを目的とし、2007年より毎年、東京芸術大学大学院美術研究科 文化財保存学専攻修士課程 修了最優秀作品に『お仏壇のはせがわ賞』を、2009年より同博士課程 修了最優秀作品に『お仏壇のはせがわ賞 特別賞』を授与させていただいています。
今回でのべ32名の受賞者を輩出しました。」
今回、17回目となる『お仏壇のはせがわ賞』は、2022年度修士課程修了最優秀作品(狩野山雪筆『四季耕作図屏風』左隻模写)の作者である平片仁也さんに贈られた。
また、14回目となる同特別賞の受賞者は、2022年度博士課程修了最優秀作品(『聖林寺十一面観音菩薩立像』模刻)の作者である朱若麟さんだった。
ここ10数年で半減している伝統的工芸品の事業従事者
経済産業省製造産業局伝統的工芸品産業室が、2022年7月にまとめた『経済産業省説明資料』によると、伝統的工芸品産業の従業員数は2008年度に11万5,000人だった。
その後、緩やかな減少傾向をみせており、2020年度には5万4,000人まで減っている。
文化財を守るための技術を伝え残していくために文化財保護技術者の育成を貢献していく活動の意義は大きいと考える。
文化財保存の担い手育成を支援していく
お仏壇のはせがわは一体、どのような経緯で東京芸術大学大学院での美術研究科 文化財保存学専攻での修士課程修了の最優秀作品、同博士課程修了の最優秀作品に対して、『お仏壇のはせがわ賞』を贈ることになったのだろうか?
この点についても、株式会社はせがわの広報担当者は、次のように解説する。
「東京芸術大学から依頼を受けて2007年に誕生したのが、『お仏壇のはせがわ賞』です。
文化財修復に携わる技術者が少なくなる中、文化財保存の優れた担い手を育成するためには欠かせない社会的な活動であると、はせがわでは考えています。
あえて『お仏壇の』と称しているのは、日本人の祈りの心が多くの文化財や芸術を生み育んできた歴史的な背景があるからだと理解しております。
そして、今も伝統工芸の技を継承しつくられているお仏壇の美術的な価値を認めていただいているからにほかなりません。」
「お仏壇のはせがわ」は仏壇業界初の東証上場企業、創業地は福岡県直方市
同社は、1929年9月に福岡県直方市で初代社長の長谷川才蔵氏が、『長谷川仏具店』として創業した。
1966年に株式会社長谷川仏壇店として法人化、1976年に現社名へ変更する。
1988年、福岡証券取引所に上場して、仏壇業界で初の上場企業となる。
現在、仏壇や墓石の販売、屋内墓苑の受託販売を手掛けて、関東や東海、九州地区で130店舗を展開(2023年3月現在)。
東京証券取引所のスタンダード市場に上場(証券コード8230)し、2022年3月期の売上高は198億円弱だった。
参照サイト
東京藝術大学「第17回 お仏壇のはせがわ賞」受賞作品決定 国宝・文化財修復の次世代の担い手を育成
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000036.000028816.html
株式会社はせがわWebサイト
https://www.hasegawa.jp
『経済産業省説明資料』(2022年7月 製造産業局 伝統的工芸品産業室)
https://www.bunka.go.jp/seisaku/bunkashingikai/bunkazai/kikaku/r03/09/pdf/93743201_06.pdf