福岡市 高島宗一郎市長:特別対談インタビュー

高島市長が明かす、「福岡市の成長の源泉は、未来への〝希望〟」

「福岡市の未来に新たな価値観を創出し、福岡市のファン増加を図る」ことを目的とする『フクリパ』。 開設3年目を迎え、記事の掲載数でも600本を突破しています。 今回、日本で最も元気な都市として注目を集める福岡市の高島宗一郎市長を迎え、福岡市の魅力やポテンシャル、未来像などについて、フクリパの運営会社である株式会社えんメディアネットの坪倉伸一代表取締役と語り合ってもらいました。

なぜ天神の都心再開発事業を『ビッグバン』と名付けたのか

坪倉

福岡市の魅力や元気などを全国に発信するメディアの立場から、福岡市のプロジェクトを見てみると、今、最も目立っているのは都心部の再開発事業「天神ビッグバン」です。

これから街がどう変化していくか、とても楽しみなのですが、高島市長は天神ビッグバンに対してどのような思いや考えをお持ちなのでしょうか?


高島市長

ビルの建設には様々な規制があるのですが、一般的な規制に加え、空港の近い福岡市は、ビルの高さも厳しく制限されています。そういった様々な基準をクリアしようとすると、採算性が低くなり、建物の更新がなかなか進んできませんでした。

その結果、福岡には、古い耐震基準の時代に建てられたビルが数多く残ってしまうことになったのです。
さらに、十分な広さのあるフロアや優れたセキュリティ機能など、入居する企業側のニーズに応えられるオフィスビルも少なく、グローバル企業を誘致できなかったという苦い経験もあります。

そこで、ビルの高さ制限などを緩和することで、ビルを建て替えるメリットを生み出し、まちをアップデートさせようというのが「天神ビッグバン」なのです。

たしかに天神ビッグバンは再開発事業なのですが、敢えて『ビッグバン』とネーミングしたのは、多くの人に「この街は、30年後も50年後も大きく広がり、発展し続けるんだ」というイメージを持ってほしかったからです。


天神ビッグバンの説明図(画像提供:福岡市)

高島市長

今日より明日の方が良くなっていく、そんな未来を描ければ、誰もが「頑張ろう!」という前向きな気持ちになれるのではないでしょうか。

天神ビッグバンにより、耐震性の高いビルへの建て替えを進め、九州で最も人が集まる街・福岡の安全・安心を確保することはもちろんですが、高機能なビルに生まれ変わらせることで、高付加価値なビジネスの集積につなげていきたいと考えています。

福岡市は、九州からの人材流出を防ぐ〝ダム〟だった!?

坪倉

高付加価値なビジネスを呼び込んでいくということは、天神ビッグバンは、ハード面だけでなく、ソフト面でも波及効果が生まれるということなのでしょうか?

高島市長

そのとおりです。
実際、天神ビッグバンの規制緩和第1号である『天神ビジネスセンター』には、これまで福岡になかったような企業が新たに入居しています。

このように天神ビッグバンは単なるハード整備ではなく、高付加価値な企業を集積させて、自己実現できる場を作っていくという、実はソフト面のアップデートなのです。
福岡市で取り組んでいる様々な事業を貫くコンセプトでもあるのですが、福岡を「より大きな夢がかなう街にしたい」というのが私の強い思いです。

よく、「福岡市は九州中から人を吸い上げている」と言われますが、それぞれの街で人口、特に若者が少なくなっているのは、「いま住んでいる街では、自己実現ができない」からです。

その結果、東京や大阪に出てしまうと、簡単に帰省もできなくなります。

それが、福岡だったら、週末に祖父母にお孫さんの顔を見せに行くこともできますし、何かあったらすぐに駆けつけられます。
しっかりしたマーケットを作り、福岡市が「より大きな夢がかなう街」になることで、本来、東京や大阪へ流出するはずだった人材を九州にとどめるという、いわばダムの堰としての役割を果たしていかなければならないと考えています。


天神ビッグバンの規制緩和第1号である『天神ビジネスセンター』

自然やアートを生かす世界的トレンドで福岡市を経営

坪倉

ハード面を整備する一方、自然や文化・芸術などの充実もまちづくりには重要です。

この点、福岡市では、『Fukuoka Green NEXT』や『Fukuoka Art NEXT』などで、自然やアートに関連した政策にも取り組まれていますね。

高島市長

都会にどうやって緑を取り入れていくか、無機質で直線的なイメージになりがちな開発事業において、人が癒されたり、感性の部分で刺激を受けたりできる場所をどう組み込んでいくかというのは、グローバルなトレンドにおいても大事なポイントです。

特に、自然に関して言うと、福岡市はよくコンパクトシティという言葉で表現されてきましたが、その「コンパクト」が意味するのは、「山や海などの自然が身近にあり、それを存分に満喫できることだ」というのを、より分かりやすい形にしていく必要があります。

そのために、具体的には、都心の近くにある自然の整備、ブラッシュアップを進めているところです。

例えば、『Fukuoka Green NEXT』というプロジェクトでは、油山のリニューアルを行っています。
また、『Fukuoka East&West Coastプロジェクト』では、海辺の魅力を高めるため、西の北崎エリアでは歩道をきれいに整備し、東の志賀島では無電柱化の工事を進めています。


『Fukuoka East&West Coastプロジェクト』で歩道が整備された北崎エリア(画像提供:福岡市)

今後求められるマインドセットは〝東京・大阪・福岡〟

坪倉

フクリパでは、今後、福岡で活躍するクリエーターやアーティストらも取り上げて発信していこうと考えています。
多彩なプロジェクトを始動させて福岡市を盛り上げてきた高島市長は、まちづくりと新しいチャレンジに対してはどのような考えをお持ちなのでしょうか?

高島市長

当然のことながら、チャレンジをする人にしかチャンスは巡ってきません。
それはまちづくりでも同じです。

日本全体で人口減少が進む中、今後、都市間競争が激しくなり、都市も選択と集中が行われる時代になると思っています。
その時、福岡が選ばれる街であるために天神ビッグバンのようなハード面のアップデートを行っていますが、それだけではなく、人のマインド面でもアップデートが必要だと考えています。

たしかに最近、「福岡は元気だ」と言われていますが、「他都市と比べて元気が良いで終わってはいけない」という気持ちが強くあります。
目標を低く置いた時点で、それ以上のところへは絶対に到達できないからです。

だからこそ、世界のリーダーが集まるサミット開催にも手をあげ続けているわけです。
そういった会議の開催を狙える位置に福岡がいるということ、つまり、「東京か、大阪か、あるいは福岡か」というのが当たり前というマインドセットが大切だと考えています。
そして、私たちが見据えているのは「アジアのリーダー都市」なのです。


ビル建替え工事の仮囲いを使いアーティストの成⾧支援に取り組む活躍を応援する『Fukuoka Wall Art Project』(画像提供:福岡市)

国際的な都市間競争で〝人が集まって来る〟都市を目指す

坪倉

世界的なトレンドや国際情勢も踏まえた上で高島市長は、福岡市の未来像に対して、どのように思い描かれているのでしょうか?

高島市長

私が市長に就任して以降、福岡市の人口は15万人以上増えて、現在、162万人を超えています。
しかし、福岡市は東京、上海、ソウルといった人口1000万人規模以上のメガシティに囲まれており、162万人程度の人口とは、文字通りケタ違いなのです。

現状で満足したら、以前のような一地方都市に戻ってしまいます。
常に一番を目指して挑戦していかないと、周辺の大都市の間で埋没してしまうのです。

「福岡市はポテンシャルがある街だ」とよく言われます。

しかし、ポテンシャルがある街というのは、ポテンシャルを発揮できていない街なのです。
ポテンシャルのある街と言われて満足している方もいますが、褒め言葉ではありません。
ポテンシャルは、誰かが、今開花させるという明確な意志を持って行動することで初めて生きてくるのです。

先ほどもお話ししましたが、今後、都市でも選択と集中が起こります。
つまり、 選ばれる都市へさらに人が集まり、そうでない都市からは徹底的に人が去っていく時が来るでしょう。
その時に、福岡市が〝人が集まって来る都市〟であるため、私は、目標を国内ではなく、グローバルに置き、「アジアのリーダー都市」を実現するとの思いでチャレンジを続けています。

メディア出身のトップが語る、地元Webメディアの本義

坪倉

福岡市には多彩なWebメディアがあり、福岡の魅力を全国に発信しています。
このような中、フクリパも含めた地元メディアへのメッセージをお願いします。

高島市長

メディアには、それぞれに役割と使命があると思います。
明るい話題を提供するメディアもあれば、マイナス面を指摘するメディアもあるでしょう。
その上で「その情報を伝える目的は何なのか」をメディア自身もしっかりと自問することが重要だと思います。
結果的に「みんなが幸せになるためにやっているのか」、それとも「みんなが不幸になるためにやっているのか」。

今日のような時代、正解はありません。
正解のない問いに対してはメリットとデメリット、ベネフィットとリスクを比べながら、どっちがベターかという選択をする時代です。
つまり、何をしたから正解、不正解ではなく、冒頭でもお話ししたとおり、大切なのは、「今日より明日の方が良くなるという希望」を持てるかどうかなのです。 

人口減少をはじめいろいろな問題が起きている中、希望を失った時点で終わりです。
だからこそ、私自身も記者会見の場では、発表したニュースを見聞きした人たちが、誰かに伝えた際に明るい表情や前向きな会話になるように心掛けています。


令和4年度当初予算案について記者会見をする高島市長(画像提供:福岡市)

高島市長

「みんなが元気になる」「街が明るい話題であふれていく」上で、地元Webメディアの果たす役割は大きいと思います。
特に、フクリパさんは、わかりやすく前向きな内容であり、何よりも読み終えた時に「未来に向けて福岡が良くなっていく」「自分たちも頑張ろう」という素敵な後味を与えてくれるメディアだと思っています。

記事を読んだ読者のみなさんが、明るく前向きな気持ちになれば、みんなが動き出します。
いろいろな投資も始まるでしょう。
そしたら、絶対に未来は変わると思うのです。
ですから、フクリパさんのこれからの活躍には大いに期待をしています。

坪倉

本日はどうもありがとうございました。


今後ともよろしくお願い致します。

福岡市長 高島 宗一郎 【たかしま・そういちろう】

1974年生。1997年九州朝日放送にアナウンサーとして入社、情報番組や環境番組のキャスターを務めて2010年、36歳で福岡市長に就任。
2014年、2018年の選挙でいずれも史上最多得票で再選、現在3期目。
2014年3月、国家戦略特区(スタートアップ特区)を獲得、スタートアップビザをはじめとする規制緩和や制度改革を実現するなど、数々の施策とムーブメントで日本のスタートアップシーンをけん引し、福岡市を開業率日本一に導く。
2017年日本の市長で初めて世界経済フォーラム年次総会(ダボス会議)へ招待される。
規制緩和で誘導する都市開発プロジェクトやコンテンツ産業振興などの積極的な経済政策によって、政令指定都市で唯一、7年連続での税収過去最高を更新する。

『フクリパ』運営会社・株式会社えんメディアネット 代表取締役 坪倉 伸一【つぼくら・しんいち】

1978年生。高知県出身、2001年に株式会社えんに入社。
営業部で長年、福岡市内の不動産事業に従事してきた経歴を経て、株式会社えんメディアネットの設立に際して代表取締役に就任し、福岡の情報を全国に発信するWEBメディア「フクリパ」を立ち上げる。
趣味はバスケットボールと野球、座右の銘は「過去を知り、未来を予て、今を活きる」

【参照サイト】

『Fukuoka Art NEXT』
『Fukuoka Green NEXT』 
みんなで守り・楽しみ・活かす都市・ふくおかの森づくり
油山市民の森等リニューアル事業
『East&West Coast』

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編集者兼ライター
近藤 益弘
1966年、八女市生まれ。福大卒。地域経済誌『ふくおか経済』を経て、ビジネス情報誌『フォー・ネット』編集・発行のフォーネット社設立に参画。その後、ビジネス誌『東経ビジネス』、パブリック・アクセス誌『フォーラム福岡』の編集・制作に携わる。現在、『ふくおか人物図鑑』サイトを開設・運営する。

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