仏教は、「無理ゲーがデフォの人生で、少しでも心穏やかにプレーするための攻略法」である。
宗教と聞くと「得体がしれない」とか、「神話でしょ」「よくわかんないけどこわい」というイメージを持つ人がいるかもしれませんが、少なくとも仏教に対しては、この本を読めばそのイメージが吹っ飛びます。
世界が仏教であふれだす
詳細はこちら著者の稲田ズイキさんは平成生まれの僧侶。副住職をしながら、立ち飲みバーで失恋を浄化する「失恋供養」というイベントをしたり、「フリースタイルな僧侶たち」というフリーペーパーの編集長を務められたりと、およそ一般的な「お坊さん」のイメージとはちょっと違う活動をされている方です。
「なぜ鬼滅の刃はこんなにも心に刺さるのか」を不思議に思って探っていたとき、ジャンプとお経を毎日読んでいるという彼の記事と本に出会いました。それからは煉獄さんの言葉が、仏教でいう”諸行無常”※や”自灯明・方灯明”※に思え、しんどい時は「まあ、一切皆苦※だからしょうがないか」と、あらゆる物事や言葉、自分の気持ちに仏教フィルターを通せるようになりました。
※諸行無常・・・この世のすべてのものは変化し、不変は存在しないという教え。「老いることも死ぬことも人間という儚い生き物の美しさ」である
※自灯明・方灯明・・・他人ではなく「自分と真理を灯の明かりとしてよりどころにしなさい」という教え。煉獄さんが最後に残した言葉「心を燃やせ」は、私にはそれに聞こえてたまらない
※一切皆苦・・・人生とは苦しみである、という、仏教の大切な4つの教えのうちの1つ。元も子もないが、人生は無理ゲーがデフォだと思えば、変に期待して落胆することもない
最後のシーンは悲しいけど好きすぎて、毎回泣きながら読みます
無理ゲーな人生にガチで向き合い、真理にたどり着いたブッダの人生攻略法は、たとえ信仰しなくとも「まああのブッダもこう言っていますしね」と思いだすだけで、少しは今日が生きやすくなります。
普通に笑えて、心が軽くなる、とっても敷居の低い仏教本。鬼滅の刃が好きな人にもおすすめしたい一冊です!
>>合わせて読みたい:『鬼滅の刃』のゲーム開発を手掛け、徹底的なマーケティングと漫画への熱量でヒット作を生み出す福岡のサイバーコネクトツー代表、松山洋。
>>稲田ズイキさんの鬼滅の刃考察連載記事もぜひ!:https://vjumplay.com/generated/vlog/929
>>フクリパbooks#001飛田先生のおすすめ本はこちら:https://fukuoka-leapup.jp/biz/202202.425
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世界が仏教であふれだす
稲田ズイキ 著
出版社 : 集英社 (2020/12/16)
単行本 : 208ページ
定価 1,200円+税
https://www.amazon.co.jp/%E4%B8%96%E7%95%8C%E3%81%8C%E4%BB%8F%E6%95%99%E3%81%A7%E3%81%82%E3%81%B5%E3%82%8C%E3%81%A0%E3%81%99-%E7%A8%B2%E7%94%B0-%E3%82%BA%E3%82%A4%E3%82%AD/dp/4087880508