福岡県内の整備による経済波及効果6,661億円、約4.4万人の雇用を見込む

出典:福岡県『東九州新幹線の福岡県内における経済波及効果調査を実施』
福岡県は2026年4月28日、北九州市から大分市、宮崎市を経て鹿児島市を終点とする『東九州新幹線』日豊本線ルートの経済波及効果調査結果を発表した。
『東九州新幹線経済波及効果調査』によると、建設に伴う需要など整備による福岡県内の経済効果は6,661億円、開業による観光客数の増加などの効果は毎年699億円になるとの試算だった。
福岡県の調査では、宮崎県が2024年度に実施した『東九州新幹線等調査』における整備費試算結果を引用している。
総額3兆8,068億円とされる東九州新幹線日豊本線ルート全体の整備費のうち、福岡県内の区間で見込まれる整備費は3,983億円だ。福岡県内における東九州新幹線整備に伴って発生する雇用者誘発数については、2万9,279人と試算している。
これら福岡県内における直接効果に加えて、資材の原材料関連費や作業員らの消費活動に伴う関連産業への第1次間接効果として、生産誘発額1,711億円、雇用者誘発数8,389人と推計する。
そして、直接効果に第1次間接効果を加えた第1次波及効果としては、同5,694億円、同3万7,668人を見込む。
さらに雇用者所得の増加分のうち消費に回されることによってさらに発生する第2次(間接)波及効果は、生産誘発額967億円、雇用者誘発数6,051人とのことだ。
東九州新幹線日豊本線ルートの整備による福岡県内の経済波及効果は、第1次波及効果(同5,694億円・同3万7,668人)と第2次(間接)波及効果(同967億円・同6,051人)を加えた数値である。
福岡県における東九州新幹線日豊本線ルートの整備に伴う経済波及効果は、生産誘発額6,661億円、雇用者誘発数4万3,719人と試算している。
なお、福岡県内区間の整備費3,983億円に対する経済波及効果6,661億円の倍率は、1.67倍だった。

出典:福岡県『東九州新幹線の福岡県内における経済波及効果調査を実施』
開業後に新規入込客528万人増、経済波及効果は年間699億円と試算

出典:福岡県『東九州新幹線の福岡県内における経済波及効果調査を実施』
福岡県が発表した『東九州新幹線経済波及効果調査』によると、開業後、新たに年間528万人の入込客(特定の地域を訪れた来訪者)増を見込んでいる。
コロナ禍前の2019年度における福岡県の入込客数実績値について宿泊客は年間856万人、同日帰り客は年間3,076万人であり、その合計は年間3,932万人だった。
東九州新幹線日豊本線ルートが開業した場合、宿泊客は年間106万人増加し、日帰り客も年間422万人増えると推計する。
そして、新規に発生した宿泊・日帰りの入込客数増による年間の生産誘発額は455億円、同雇用者誘発数は3,682人と試算している。
直接効果から発生する第1次間接効果は、同166億円・同1,041人だ。
そして、直接効果に第1次間接効果を加えた第1次波及効果は、同622億円・同4,724人となっている。
一方、第2次(間接)波及効果は、同77億円・同484人としている。
その結果、第1次波及効果に第2次波及効果を加えた経済波及効果は、同699億円・同5,208人だった。
なお、経済波及効果を直接効果で割った経済波及効果倍率は、1.54倍となっている。

出典:福岡県『東九州新幹線の福岡県内における経済波及効果調査を実施』
なお、東九州新幹線をめぐっては、宮崎県でも経済波及効果調査結果が公表されている。
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東九州新幹線整備が福岡県内にもたらすメリットや期待

東九州新幹線は、1973年11月15日の『昭和48年運輸省告示第466号』によって、建設を開始すべき新幹線鉄道を定める基本計画に追加された路線だ。
基本計画において、東九州新幹線は、「起点:福岡市」「終点:鹿児島市」とし、「主要な経過地:大分市附近、宮崎市附近」と規定されている。
各地で開業した整備新幹線についても、自治体による経済波及効果の試算が行われている。
2016年3月に開業した北海道新幹線の場合、北海道内においては年間136億円と推計している。
また、2022年9月に開業した西九州新幹線の長崎県内で年間193億円、2024年3月に延伸開業した北陸新幹線では、福井県内で年間309億円の経済効果が見込まれている。
既存の整備新幹線でも一定の経済波及効果が確認されており、東九州新幹線についても地域経済への波及が期待される。
東九州新幹線が福岡県内で整備された場合、東九州との移動時間離短縮をはじめ、北九州市の交通アクセス向上や福岡県経済圏の拡大、さらに広域観光の振興などが想定される。
東九州新幹線の北九州~大分において、北九州空港付近に新幹線新駅が開設した場合、北九州空港の交通アクセスの向上にもつながる。
また、深刻な混雑・需要逼迫状況にある福岡空港の代替機能を高めることも期待される。
参照サイト
福岡県『東九州新幹線の福岡県内における経済波及効果調査を実施』
https://www.pref.fukuoka.lg.jp/uploaded/attachment/285557.pdf
福岡県『東九州新幹線経済波及効果調査 調査結果』
https://www.pref.fukuoka.lg.jp/uploaded/attachment/285389.pdf
宮崎県『東九州新幹線等調査の結果について』
https://www.pref.miyazaki.lg.jp/sogokotsu/kurashi/kotsu/20241126082128.html









