日本人女性に多い、靴のお悩み“幅広問題”
2004年に東京の大手婦人靴商社に入社し、主に大手専門店やアパレル向けの靴のOEM制作を担当していた谷山さん。2020年に独立し、「大量生産ではなくお客さまに向き合った靴をつくりたい」という思いで日本製のレディースシューズ専門ブランド「harmerry」を立ち上げ、履き心地とデザインにこだわったレディースシューズを開発しています。
婦人靴業界に15年以上携わってきたその経験から、日本人女性には自分に合わない靴を無理して履く、もしくは自分の足のサイズをしっかり把握していない方が多い傾向にあると言います。
株式会社ブレインズオフィス代表の谷山謙一朗さん
谷山さん
サイズのほかに、女性からは「自分は幅広だからオシャレな靴は似合わない」と、ほしい靴を諦めているという悩みを聞くことも多いです。中には足のサイズをきちんと計測していないために、ご自身が幅広かどうかも把握していない方もいらっしゃるようですね。
・「幅広」とは…?
文字通り足幅が広い状態の足のこと。親指の付け根の関節から小指の関節までの幅(足囲、ワイズとも呼ばれる部分)が広く、靴を履いた時に小指が痛むことがあれば幅広の傾向があるかもしれません。
幅広さん必見!無理なく履ける靴選びのポイントは?
ここまで記事を読まれた方の中には「私はサイズが合っていない靴を履いているかもしれない」と思った方もいらっしゃるかもしれません。では、ジャストフィットの靴を選ぶにはどこに気をつけたらいいのでしょうか?
正しい足の計測方法や自分にフィットする靴選びについて、谷山さんにいくつかポイントを伺いました。
・足を正しく計測すること
谷山さん
「足囲」は親指の付け根と小指側のでっぱりをぐるりと一周させた寸法、「足幅」は足の親指の出っ張りから小指の骨の出っ張りまでの長さになります。この「足長」「足囲」「足幅」の3点を正しくメジャーで測っておくことが、幅広でも無理なく履ける靴を選ぶポイントになります。harmerryの靴もそうですが、特にインターネットで靴を購入する場合は試し履きができないので、このサイズをチェックすることで失敗のない靴選びができると思います。
・つま先からかかとまでフィットする靴を選ぶ
谷山さん
特にヒールの靴は体が前に傾斜する姿勢になるので、窮屈すぎると傷みが出やすくなります。窮屈過ぎず、また隙間があり過ぎないジャストフィットのものを選ぶようにしましょう。
・ソールの柔軟性や厚みにも注目する
谷山さん
自分の足にピッタリの靴を選ぶと気分も向上!
サイズをきちんと測って自分の足にピッタリの靴を見つけると、疲れにくい、歩きやすいといった体へのメリットがある他、精神的なメリットもあることを谷山さんが教えてくれました。
谷山さん
ジャストフィットの靴を見つけると気分が向上しますし、“もっとオシャレを楽しもう”という気持ちの向上にもつながると思います。
幅広さんでもオシャレが楽しめる靴を開発
幅広に悩む女性の声聞いたことがキッカケとなり、谷山さんはご自身でもその解決策に乗り出しました。“幅広さん”向け専用の靴「ワイドフィットパンプス」を開発したんです。
こだわったのは、履き心地に加えてデザイン性の高さ。“ダサ見え”せず、仕事やプライベートでも兼用できる機能性の高いレディースシューズを実現しました。
谷山さん
そこで幅広の方こそおしゃれを楽しんでもらえるような靴を目指し、開発したのが「ワイドフィットパンプス」です。幅広の木型を使用し、サイズを豊富に展開しました。さらに細見えを叶えるスッキリした設計、仕事やプライベートにも兼用できるシンプルなデザインとカラーを兼ね備えたパンプスに仕上げています。ヒールは2.6cm~3cmの高さを設け、ペタンコに見せかけて身長をちょい盛りすることができます。
12月24日には「超らくフラットシューズ」という新商品をリリースしました。こちらは厚手の生地を採用することで、足の指の形が目立ちにくい仕様にしました。
これからも幅広といった女性のお悩みやニーズに合わせた靴を開発していきたいと思います。
自分に合った靴を履くことは快適に過ごせるだけでなく、「オシャレを楽しもう」という気分の向上にもつながります。そんな最高の“相棒”を見つけるには、まずは自分の足の状態を知ることが第一歩。足のサイズを正しく知って、痛みや違和感のない最適な靴を見つけ、オシャレも楽しみましょう。