福岡市の〝災害に対して安全〟に8割強の福岡市民が支持
福岡市が実施した『令和5年度市政に関する意識調査』における特定テーマの一つは、「防災への意識について」だった。
具体的な設問の一つとして「現在住んでいる地域が、災害に対して安全だと思っていますか?」と問い掛けた。
これに対して、「安全だと思う」21.8%、「どちらかといえば安全だと思う」62.5%という回答だった。つまり、災害に対して安全だと思う福岡市民の割合は8割強という結果となっている。
一方、「どちらかといえば安全ではないと思う」という割合は12.5%、「安全ではないと思う」については同2.3%だった。
出典:「令和5年度市政に関する意識調査」画像提供:福岡市
また、同調査では、「日頃、特に不安に思っている災害は何ですか?」という問いも設けた。
これに対して上位5項目は、下記の通りだった。
◎第1位:地震82.1%
◎第2位:台風59.8%
◎第3位:感染症(新型コロナウイルス感染症、鳥インフルエンザなど)47.4%
◎第4位:猛暑46.5%
◎第5位:火災46.0%
出典:「令和5年度市政に関する意識調査」画像提供:福岡市
同調査での「日頃、特に不安に思っている災害は何ですか?」という設問を通じて福岡市民が最も不安に思っている災害は地震ということが明らかになった。
政府の地震調査委員会が2021年3月に発表した『全国地震動予測地図』2020年版によると、今後30年以内に強い揺れが襲う確率で福岡市は6.2%だった。
この数字は全国47都道府県庁所在地において8番目の低さとなる。
もっとも、『令和6年能登半島地震』が発生した石川県の金沢市は6.6%で同12番目であり、油断大敵だ
災害備蓄をしている家庭は43.8%。上位は懐中電灯、水、食料
今回の『令和6年能登半島地震』における教訓の一つとして、あらためて家庭における災害用備蓄の重要性が明らかになった。
「ご家庭では、災害に備えた備蓄をしていますか?」 同調査においても災害備蓄について問い掛けており、災害に備えた備蓄している家庭の割合は43.8%と半数以下だった。
また、備蓄している家庭においても「3日以上」は55.6%という結果となっている。
出典:「令和5年度市政に関する意識調査」画像提供:福岡市
備蓄をしていると回答した福岡市民に対して、「ご家庭では、災害に備えてどのような物を備蓄していますか?」と尋ねたところ、トップは懐中電灯であり、その割合は85.2%だった。
次いで82.3%の水(飲料水、調理用など)となっている。
以下、食料(レトルトご飯、パン、缶詰、栄養補助食品など)78.5%、衛生用品(マスク、ティッシュ、トイレットペーパーなど)75.2%、ラジオ54.4%、カセットコンロ54.2%と続いた。
出典:「令和5年度市政に関する意識調査」画像提供:福岡市
住まいにおける災害リスク「あり」は1/4、同「なし」は1/2
今回の調査において、「お住まいは大雨や台風などの災害リスク(土砂災害、洪水、高潮)がありますか?」との設問については、災害リスクが「ある」25.8%、「ない」47.7%だった。
出典:「令和5年度市政に関する意識調査」画像提供:福岡市
福岡市では、各家庭における防災行動計画として『マイ・タイムライン』の作成を推奨している。
『マイ・タイムライン』※4とは、大雨や台風などの災害時、各自がどのようなタイミングでどのように行動を取るべきかを事前に決めておくものだ。
福岡市のホームページからは、『マイ・タイムライン』の作成シートのダウンロードが可能だ。また、福岡市役所1階にある情報プラザをはじめ、地域防災課、各区役所情報コーナー、各区総務課、入部・西部出張所で配布している。
出典:「令和5年度市政に関する意識調査」画像提供:福岡市
参照サイト
福岡市『市政に関する意識調査』
https://www.city.fukuoka.lg.jp/shicho/kocho/opinion/002.html
地震調査研究推進本部事務局(文部科学省研究開発局地震・防災研究課)
https://www.jishin.go.jp/evaluation/
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