福岡観光初心者にもおすすめ!博多旧市街モデルコース半日街歩きガイド -博多駅~呉服町エリア-

「福岡市の見どころって何?」ときかれると迷わずあげるポイントの1つに「博多旧市街」があります。ここは、散策に楽しいだけでなく、今の活気あふれる福岡市を形作ってきた歴史とエスプリがギュッとつまっているところでもあるのです。今回は「博多旧市街」のうち博多駅〜呉服町エリアを紹介します。

福岡市内観光コース「博多旧市街」とは

日本の都市の多くは、港を中心に国内や海外との交易で発達してきました。

 

福岡・博多もそのひとつで7世紀ころ日本に外国からの使節がくるとまず、鴻臚館(こうろかん・福岡市中央区城内)でお迎えをして、西の都といわれる大宰府政庁へお連れしていました。そう考えると、福岡・博多は京都より古い歴史を持つ都市のひとつといえます。

 

古くから海外との交流が深かった福岡・博多が世界的にみても栄えていたのが中世(12世紀〜16世紀頃)。平安時代末期に、貿易拠点として宋(中国)の商⼈が居住し、今の櫛田神社あたりに日本初のチャイナタウンが形成されたと言われています。

 

また元寇を経て、室町時代には日本と中国や朝鮮、琉球との交易を行う商⼈が活躍し、日本最大の貿易港湾都市として栄えていました。
 

「博多旧市街」エリアとしては、博多駅前から海に向かってまっすぐ伸びる大博通りを中心に、御笠川と博多川に挟まれたあたりを指しています。

 

ビジネス街のビルがたち並ぶ通りから一歩入ると、多くの神社仏閣があり、都心とは思えない静寂が広がります。当時の博多の歴史や伝統文化を体感できるスポットが多くあり、博多の商人や中国からの商人が闊歩した活気あふれる博多に思いを巡らすこともできます。

 

今回は博多駅から大博通りの東側の呉服町界隈のおすすめモデルコースを紹介します。ゆっくりまわると半日くらいでまわることができますよ。

■博多旧市街>>https://yokanavi.com/hakataoldtown/

 

【アクセス】博多駅博多口から出発、まずは時空散歩から

博多駅博多口から出発しましょう。博多バスターミナルに向かう2階通路から行くとわかりやすいです。

 

A. 博多駅博多口を出発/博多区博多駅中央街

2階通路のつきあたりに博多旧市街のマップ案内板があります。

 

右手に行けば、博多千年門への最短ルートになります。

 

バナーフラッグで誘ってくれます。

 

つきあたりの交差点で、上の標識に沿って左折しましょう。

 

承天寺通りをまっすぐすすみましょう。もちろん博多駅からの2階通路ではなく、大博通りからも行くことができます。案内版も充実しています。

 

大博通り沿いには、福岡の歴史的ポイントの説明展示があるので、チェックしてみて。

 

ちなみにこれは、国宝であり、福岡市博物館に展示されている「金印」!

 

 

B. 出来町公園「九州鉄道発祥の地」/博多区博多駅前

博多駅から博多千年門の向かう途中にあるのが出来町公園。そこには、「九州鉄道発祥の地」の碑があり、この場所が旧博多駅構内であったことを物語っています。

 

【出来町公園】
■住所: 福岡市博多区博多駅前1-10 [MAP]

 

【お寺巡り】静寂と時を超える散策を楽しむ

出来町公園から見えてくるのが、博多千年門。

 

C. 博多千年門(はかたせんねんのもん)/博多区博多駅前

平成26年(2014年)に完成し、まさに博多旧市街のウエルカムゲートとなっています。

 

博多の寺社様式で、門扉の板材には太宰府天満宮より寄贈された樹齢千年の「千年樟(せんねんぐす)」を用い、欄間の彫刻には博多織の献上柄模様が刻まれるなど、深堀りすると当時の歴史を秘めたストーリーが込められています。

 

ここではぜひ記念スナップを撮影してくださいね。ここから石畳の道が続き、両側には承天寺など寺社が並びます。

 

【博多千年門(はかたせんねんのもん)】
■住所: 福岡市博多区博多駅前1丁目 承天寺通り [MAP]

 

D. 承天寺(じょうてんじ)/博多区博多駅前

承天寺の庭にある「饂飩蕎麦発祥之地の碑(うどんそばはっしょうのちのいしぶみ)」

 

承天寺は、鎌倉時代(1242年)に、宋出身の貿易商・謝国明が伽藍を建立、宋で学び大変な苦労の末に禅の大法を修めて帰国した聖一国師を開山に迎えたと言われています。

 

聖一国師はさまざまな文化を持ち帰ったとされ、承天寺の庭には「饂飩蕎麦発祥之地の碑(うどんそばはっしょうのちのいしぶみ)」、饅頭などの碑があります。

 

現在の博多祇園山笠は、疫病が流行した際に、聖一国師が施餓鬼棚に乗って聖水を振りまいたことが起源とも言われています。この碑がある庭の静寂がとてもすてきです。静かにマナーを守って、見学しましょう。

 

【承天寺(じょうてんじ)】
■住所: 福岡市博多区博多駅前1-29-9 [MAP]
■詳細はこちら

 

E. 東長寺(とうちょうじ)/博多区御供所町

承天寺を後にして、大博通りに出て北にすすむと、東長寺が見えてきます。

 

806年、唐から帰国した空海(弘法大師)が日本で最初に創建したと言われる東長寺。写真の五重塔がひときわ目をひきますが、ここでは福岡大仏をお参りすることをお忘れなく。

 

木造(檜)坐像では、日本一の大きさの大仏で、16.1mの高さをもつ光背は7仏や13仏も彫られ、後壁面には5000以上もの小仏が祀られています。大仏の台座内には「地獄極楽めぐり」ができるようになっていて、私は友人やお客様を必ずご案内するようにしています。

 

桜の時期の東長寺はひときわ美しく、安らかな気持ちになります。

 

【東長寺(とうちょうじ)】
■住所: 福岡市博多区御供所町2-4 [MAP]
■詳細はこちら

 

F. 妙楽寺(みょうらくじ)/博多区御供所町

ここからは、東長寺の東側・御供所町通りに行きましょう。この御供所町通り沿いこそ、私にとっては博多旧市街のセンターのイメージです。

 

まずは、山門入口が見えてくる妙楽寺です。

 

1316年開山の妙楽寺は、創建当初、博多湾岸の息浜(おきのはま)にあり、山号を石城山(せきじょうざん)といいました。元寇防塁の際に築造された石塁の上に築かれた堂々とした建物が、海上から見るとまるで石城のように見えたことにちなんだもの。

 

中国、朝鮮の禅僧や外交使節の宿泊所として文化交流の場に。1600年に現在の地に移転し、博多を代表する貿易商・神屋宗湛などの墓があります。

 

ここでは、座禅体験もできますのでホームページから事前に申込を。

 

【妙楽寺(みょうらくじ)】
■住所: 福岡市博多区御供所町13-6 [MAP]
■詳細はこちら

 

【ショップ巡り】歴史が詰め込まれた手仕事と老舗の味を訪ねる

妙楽寺から少し北へ歩くと、ナチュラルであたたかな雰囲気のショップが見えてきます。

 

G. Maison HAKOSHIMA(メゾンハコシマ)/博多区御供所町

Maison HAKOSHIMA(メゾンハコシマ)は、福岡市東区箱崎で戦前まで生産されていた綿織物「箱崎縞」を復刻し、現代の生活にあわせた服や布小物を販売しているショップで、奥には喫茶コーナーがあります。

 

実際の箱崎縞で使用されていた糸種と同じもので織り上げ、織り上げる際にとても手間がかかるそう。大切に使いこみたくなる品です

 

箱崎縞を復元した生地のパンツ「はこパン」はとても着やすそう。平織で描く縦縞(ストライプ)と格子(チェック)模様のシンプルな綿織物は、洗うとふんわりと柔らかい風合いで肌触りも抜群とのこと!

 

イベントも開催されるときがあり、私がお伺いした3月上旬は「パンのトリセツ月間」開催中で、パンのためのカバン「KAPAN」を購入してしまいました。

 

喫茶で、自家焙煎のコーヒー (煎り具合により異なる550円〜)と箱プリン(600円)をいただきました。

 

Maison HAKOSHIMAディレクターで、博多織職人でもある尾畑圭祐さんとの機織り体験も含まれるツアーはこちら>>博多織職人と歩く旧市街職人の機で機織り体験(2時間)

 

【Maison HAKOSHIMA(メゾンハコシマ)】
■住所: 福岡市博多区御供所町12-2 本山ビル1F [MAP]
■TEL: 092-984-0721
■営業時間: 12:00~18:00(L.O17:00)
■定休日: 日曜・月曜 ※その他Instagramで告知
■イベント開催情報、箱崎縞をイメージしたバウムクーヘンのケーキ販売もInstagramより
■詳細は@hakoshima_japon

 

H. 西門蒲鉾本店/博多区上呉服町

さらに御供所町通りを北へ、聖福寺の緑を右手にみながら歩んでいきましょう。西門橋の通りには、西門蒲鉾本店があります。

 

大正2年(1913年)に創業というから、110年余の老舗です。蒲鉾に最適なイトヨリダイを使用、水は麦飯水で加水し、職人が昔ながらの製法で、一本一本丹精込めて手作りしています。

 

かまぼこはもちろん、私はここの揚げ物が大好きです。紅しょうが天、枝豆つまみ天など酒のつまみにも、食事にも最適。

 

紅ショウガ天(350円)がお気に入りですが、旬の新玉ねぎ天(350円)、チーズ天も美味しい!

 

そして注目なのは、季節のイベントや誕生日と、ギフトとしてもぴったりな「オリジナル蒲鉾」です。似顔絵なども入れてオーダーメイドもできます(詳細はホームページを参照)。

 

お祝い、バレンタインなどの季節のイベント、似顔絵などオリジナルが作れます

 

蒲鉾の味わいもさることながら、店主の上田啓蔵さんの博多愛と知識に尊敬の念を抱いています。一年を通して博多の歴史や文化を学ぶ「博多っ子講座」を主催。

 

私は月1回の講座にもあまり参加できていない、出来の悪い生徒でしたが、福岡・博多の歴史、魅力の奥深さに引き込まれてしまいます。今年の講座の予定や申込先は次回お知らせしますね。

 

【西門蒲鉾本店】
■住所: 福岡市博多区上呉服町5-172 [MAP]
■TEL: 092-291-2466(フリーダイヤル: 0120-317-917)
■営業時間: 9:30~18:30
■定休日: 火曜・第2・第4日曜
■詳細はこちら

 

I. 博多水引 ながさわ結納店/博多区上呉服町

たくさんの色から選べるのも嬉しい!上品な雰囲気のブローチ

さあ、次は博多水引ながさわ結納店へ。「水引」とだけきくと、ピンとこない方もいらっしゃるかもしれませんが、祝儀袋の表に飾られる飾り紐を思い出してください。主に結納品や贈答品の表紙などに使われています。

 

博多水引は、50年以上前に結納品の水引職人である、先代の長澤宏昭さんがはじめ、現在二代目の長澤宏美さんが、博多祇園山笠のエネルギッシュで粋な博多を思わせる独自の色とデザインで表現した水引細工を展開しています。

 

色合いを選ぶのも楽しいワインボトルリボン。私も購入しました

 

ワインボトルにかけるリボンやブローチなどのアクセサリー、箸置きなど、この博多水引が入るだけで、凛とした粋、華やかな雰囲気をまといます。

 

ワインボトルリボンは、JR九州の超豪華列車「クルーズトレインななつ星」で、販売されているそうです。

 

その他、櫛田神社や護国神社のお守り、太宰府天満宮では古代梅の金封など神社で、さらに全国の商業施設や企業でも取り扱われています。オンライン購入もSNSからできます。

 

インテリアの水引にも注目です

 

福岡市で配布されている、福岡市オリジナル婚姻届冊子の表紙も飾っています。人との縁も結ぶ博多水引の世界にぜひ触れてみてください。

 

【博多水引 ながさわ結納店】
■住所: 福岡市博多区上呉服町13-231 [MAP]
■TEL: 092-271-0813
■営業時間: 10:00~18:00、日・祝 ~17:00
■定休日: 月曜
■詳細はこちら@hakatamizuhiki

 

J. 光安青霞園茶舗/博多区中呉服町

ながさわ結納店から、少し歩きます。福岡初心者の方は、聞き慣れないかもしれませんが、地下鉄呉服町駅がある通り「明治通り」と「昭和通り」の間にある光安青霞園茶舗を目指します。

 

1716(享保元)年に創業というから、300余年の歴史をもつ老舗の茶舗。福岡県の名産・八女茶を中心に日本茶を販売しています。

 

日本茶喫茶 「茶愉 青霞(ちゃゆせいか)」が併設され、奥深い日本茶の世界を楽しむことができます。セットを注文すると、お茶と茶菓子を二品選ぶことができます。お茶も茶菓子もどれにするか本当に悩んでしまいます。

 

茶菓子に使う抹茶は、厳選された八女の星野産で、特に「抹茶生チョコレート」はまるでお茶そのものを食べているような美味しさです。

 

時空を超えるような落ち着いた雰囲気の中で、日本茶をゆっくり堪能できるのも魅力です。

 

【光安青霞園茶舗】
■住所: 福岡市博多区中呉服町8-1 [MAP]
■TEL: 092-291-0365
■営業時間: 月~金8:30~18:30、土曜日8:30~17:30
■定休日: 日・祝日
■詳細はこちら

 

散策MAP付!今回は「静」の博多旧市街を楽しむモデルコース

Aの博多駅を始点にJの光安青霞園茶舗までが今回の博多旧市街の街歩きモデルコースです。

 

博多駅から広がる「博多旧市街」の世界、いかがでしたか。大きな通りから一歩入ると、この静寂と庭の緑、息づく伝統を感じることができます。

 

次回は、活気あふれる博多商人のまちを散策しましょう!お楽しみ。

 

 

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編集者
帆足 千恵
福岡のタウン情報誌の編集者として1990年代から海外30カ国、60エリアを取材し、世界の旅行情報を発信。2001年より外国人旅行者向けの編集制作や企画、調査、マーケティング、プロモーションを行い、九州インバウンドのパイオニア的な存在。2020年4月 海外旅行情報サイトを公開予定。

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