福岡PayPayドーム (ペイペイドーム) の超マニアックお散歩ガイド!開業30年の足跡を巡る

福岡をこよなく愛するライター大塚たくまが、福岡で起きていることを徹底深掘りしていきます。今回の深堀りは、「福岡PayPayドーム」の超マニアックなお散歩ガイドです!

こんにちは。ライターの大塚たくまです。

福岡市中央区地行浜にある福岡PayPayドームは「福岡ドーム」として、1993年3月にオープンしました。実は2023年で開業30周年を迎えます。

福岡ドームが開業したころ、ぼくはまだ5歳。95年に初めて野球を観に行って以来、何度も何度も福岡ドームに通いました。

ダイエーのV2もここで見たし、B'zもここで初めて見られたし、憧れのPaul McCartneyに初めて会えたのもここだった。福岡ドームはぼくの夢を叶える場所でした。

そんなぼくも35歳。5歳しか変わらない福岡PayPayドームに残る歴史の痕跡を辿ることにしました。この記事を読めば、あなたはオフシーズンでも福岡PayPayドームのお散歩を楽しめます。

1993年に開業した「福岡ドーム(現 福岡PayPayドーム)」とは?


https://www.youtube.com/watch?v=h6BKMjSGYTI

1993年3月、福岡ドーム(現 福岡PayPayドーム)が誕生しました。野球だけではなく、コンサートはもちろん、各種展示会などさまざまなイベント開催でも用いられる多目的ドームです。

じつは地上7階建てで、最高部の高さは地上84mもある超巨大な建築物です。建築面積は70,000平方メートルあり、ドーム球場の建築面積では2022年現在で日本一を誇っています。

両翼約100m、中堅約122mあるにも関わらず、フェンスの高さが約5.9mもあるということで「日本一ホームランが出にくい球場」と言われていました。しかし、2015年にホームランテラスが設置されたことに伴い、現在ではむしろホームランが出やすい球場となっています。

日本初の開閉式屋根を採用。ぼくは小さいころ、晴天時の屋根が開いた状態で試合観戦をしたことがあります。

しかし、騒音の問題や「反射角の違いが選手のプレーに支障をきたす」といった問題が発生し、基本的に屋根が開いた状態での試合開催はなくなってしまいました。

現在でも年に数回、屋根が開いた状態で試合を開催する「ルーフオープンデー」が行われています。日没前の気持ちの良い日差しや、美しい夕焼け、日没後は爽やかな夜風を感じ、いつもと違う雰囲気が楽しめるので、おすすめです。

さて、オフシーズンの福岡PayPayドームにやってきました。

今日は福岡ソフトバンクホークスさんのご協力のもと、福岡PayPayドームに「歴史の足跡」を探しつつ、お散歩します。

福岡PayPayドームは、2019年にフルリニューアルが施され、内装が大きく変わりました。ダイエー時代から遺るものは、ほとんどなくなってしまっていることが考えられますが……。探せば、きっと何かあるはず。

福岡PayPayドーム散歩①藤井ゲート

ダイエー時代の名残として、まず触れておかなければならないのは15番通路「藤井ゲート」だと思います。

「藤井ゲート」は、福岡ダイエーホークスに所属していた、現役中の2000年に病死した藤井将雄投手の活躍をファンに知ってもらいたく設置されたものです。彼の背番号にちなんで、15番通路は、本人の成績とメッセージが掲示された状態で保たれています。

「プロ野球選手は、まわりの人々に夢と希望を与える職業だという人がいます。でも、ボクは逆です。たくさんの人々から夢や希望、エネルギーをもらってきました。そのことがうれしかったんです。」

ぜひ、このパネルに刻まれた、ご本人の文章を読んでみてください。この文章だけで、彼の人柄が伝わるんじゃないかなと思います。

死後20年以上が経過しましたが、藤井ゲートの装飾は亡くなった当時よりもさらに充実しています。

藤井将雄投手の背番号15番は今も欠番になっており、現在でもホークスのロッカールームには背番号15を着けた、藤井投手の名前入りのハリー人形が飾られているそうです。

藤井将雄選手は、今でもホークスに影響を与え続けているんですね……。

「藤井ゲート」は、15番通路に該当する座席のチケットを持っていなくても、見られます。野球観戦の際は、ぜひ観に行ってみてください。

福岡PayPayドーム散歩②「For the Customers」プレート

福岡PayPayドームの外に出ました。

福岡PayPayドームの関係者入口の近くに、ダイエー創業者の中内㓛氏の有名な言葉「For the Customers」の文字が刻まれています。

なかなかの大きさですごい迫力です。1993年と記されており、福岡ドームが開業されたときのものだと思われます。

「For the Customers」は、ダイエーの企業理念です。ホークスの親会社はダイエーからソフトバンクに変わりましたが、現在でもこの精神は建物に刻み込まれています。

関係者入口ですが、このプレートを見学することはできるので、ダイエーファンだった方、ぜひ観に行ってみてください。

福岡PayPayドーム散歩③暖手(だんて)の広場

福岡PayPayドームに行った時、なんか周囲に握手の手がウニュウニュ出てる、奇妙なものが置かれているのに気づいたことはありませんか。それが「暖手」です。

もともとは「暖手の広場」として、1箇所にまとまっていました。現在では、ドーム外デッキの各所に散らばっています。

屋外に設置されているので、握手し放題。面白いアイディアですよね。

手は細かなしわまで忠実に再現されています。しかし、握手されまくっている人気者だと……。

この通り、テッカテカになっている人もいます。この「暖手」の制作が90年代初期だったこともあり、現在では鬼籍に入っている方も多く、たいへん貴重な品物です。

そんな貴重なものを雨ざらしの屋外に設置してしまうなんて、いかにも90年代らしい豪快な企画です。


Bon Jovi全員と記念撮影なんてことも

この「暖手」、じつはかなり凄い人たちと握手ができます。あなたにもっと「暖手」を楽しんでほしいので、大塚たくまが選ぶ「PayPayドームで握手できるスゴい人ベスト5」を発表します。

5位 B'z(3ゲートそばベンチ脇)

5位で、B'zです。

びっくりしてませんか。5位で、B'zなんです。暖手って、そのレベルなんです。

B'zは何度もドームでライブをやっていると思いますが、ファンでも知らない人は意外といらっしゃるんじゃないでしょうか?

ぼくもせっかくなんで、肩を抱いて写真撮っておきます。うぇーい。

4位 王貞治(2ゲートそばベンチ脇)

4位は王貞治さんです。さすがホークス、ちゃんと王さんの「暖手」もあります。

おそらくホークスファンがダイエー時代からたくさん握手しているんだと思います。「暖手」の中で一番テッカテカに輝いていました。

3位 藤子不二雄(1ゲートそばベンチ脇)

このへんから「丁寧に保管しなくて大丈夫?」と心配したくなるレベルになってきます。藤子不二雄が2人並んで揃っています。

「藤子・F・不二雄ミュージアム」でも、本人との握手はできませんよ。Aさんは忍者ハットリくん描いてるし。かわいい……。

これ「トキワ荘マンガミュージアム」とかに置いたら、たいへんな騒ぎになりそうですよね……。ペンだことか、一生懸命観察しちゃいそうです。貴重な右手。

2位 ポール・マッカートニー(7ゲートそばヒルトン側)

なんと、元ビートルズのポール・マッカートニーまで。

やばいって。これ、とんでもないお宝だって!!お願いだから、雨ざらしにしないで!!

……はい、ぼくはビートルズファンです。これ、いったい鑑定したらいくらつくんだよ、マジで。

ポール・マッカートニーは93年の来日公演で福岡を訪れているんです。そのときに型をとったものと思われます。

じつはずっとやりたかったけど、公衆の面前だからできなかった、頬ずりをかましときます。これが公共物なの、ヤバすぎ。

ちなみにどうでもいいですが……。

ポール・マッカートニーの隣は地元のスター、武田鉄矢さんです。

なんか武田鉄矢さんって、「ポール・マッカートニーの右に出る男はオレなんだよ」なんて、笑い話のネタにしてそうだなって、思っちゃいました。妄想です。

1位 マイケル・ジャクソン(7ゲートそばヒルトン側)

お願い、一刻も早くしまって〜〜!!

せめて、アクリルのショーケースとかに入れて〜〜!正気かよ!!お宝すぎるって!!

……信じられますか? まさにこの瞬間もマイケル・ジャクソンの手がそのまま、福岡市中央区で雨ざらしになってるんですよ。

マイケル・ジャクソンは指を開いており、すこし握手しにくいです。企画内容は伝わっていたのか、ちょっと疑問。忙しい中、おりゃっと手を突っ込んだのかな。

そんなことを想像しながら、マイケル・ジャクソンの華奢な手と握手します。すごい体験だ。

まだまだ「暖手」には大物がたくさんいますので、気になる方は公式サイトで発表されているリストをご覧ください。
>>https://www.softbankhawks.co.jp/stadium/facilities/dante.html

ちなみに、暖手の番外編として、謎の手形も大量に設置されています。


手が小さい筆者

こちらは「21世紀を担う子供達」と題したもので、「暖手」の除幕式に参加した福岡市所在の小中学生の手形です。

小中学生と言っても、90年代中盤の小中学生ですので、現在は30代か40代。名前が記されている人もいれば、諸事情で名前が消されている人もいます。

福岡PayPayドーム散歩④鷹観世音大菩薩(たかかんぜおんだいぼさつ)

8ゲート前にある、鷹観世音大菩薩です。ダイエー時代にできたもので、ここでホークスの必勝を祈願できるといったものです。

ぼくも一生懸命、必勝を祈願しておきました。いろいろと勝ちたいので……。

試合開催時でも、多くのホークスファンが素通りしており、あまり大事にされていない気がする鷹観音……。福岡ソフトバンクホークスはとても大切にしています。


ハリーホーク Twitterより (C)SoftBank HAWKS

クライマックスシリーズに勝てるよう、ホークスのマスコット全員で祈願した様子をSNSに上げることもあれば……。


福岡ソフトバンクホークス公式YouTubeより (C)SoftBank HAWKS

YouTubeには、シーズン開幕前に鷹観音に必勝祈願している様子が残っていました。貴重な映像です。

次回、福岡PayPayドームに行った際は、ぜひ鷹観音に必勝祈願へ行ってみてください。きっと勝てます!

福岡PayPayドーム散歩⑤ホークⅠ世像

「HAWK 1827年、ホラプク号に乗り込んだホーク1世は、90日の航海の末、この地にたどり着いた。1世は豊かな自然と新鮮な水が手にはいるこの大地を開拓し、移り住んだ。」

ホークスのマスコットは「ホーク・ファミリー」と呼ばれ、12球団でもっとも数が多いマスコットとして有名です。そんな「ホーク・ファミリー」のご先祖が、この「ホークⅠ世」です。

まるでテーマパークのようなノリの、この像。

福岡ダイエーホークス時代はドーム一帯を「ホークスタウン」と呼んでおり、そんなホークスタウンの礎を築いた人という、立ち位置だったはずです。

この「ホークⅠ世」も、ぼくが子どものころからこの場所に建っています。これからも何なのかよくわからないまま、大事にされ続けることでしょう。

祝30年! 実は楽しい福岡PayPayドーム散歩


一応この街灯も開業当時からあるらしい

PayPayドームのまわりにある「ダイエー時代からあるもの」を探して歩き回ってみたところ、とっても面白かったです。

この、よーく見ると鷹がデザインされているベンチも、子どもの頃からあると思います。いつできたものなのかは、よくわからないそうです。庭に置きたい……。


7ゲート付近にあります

この鷹デザインのポストも、ダイエー時代からあるはず。現在も稼働中の現役ポストで、ちゃんと集荷されます。

ちなみに、ここから郵便を送っても、特別デザインの消印がつくことはないそうです。

2023年は球団創設85周年&ドーム開業30周年のWアニバーサリーです。これを機会に、福岡PayPayドームのノスタルジーに浸ってみてはいかがでしょうか。

【福岡PayPayドーム】
■住所: 福岡市中央区地行浜2-2-2
https://www.softbankhawks.co.jp/stadium/

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ライター・編集者
大塚たくま
福岡をこよなく愛する編集者。みんなが知っているようで深くは知らないことを徹底深堀して「実はここが面白い!」を見つけることを得意とする。グルメ・旅行の他、自身でスポンサーになるほどのアビスパ福岡サポーター。

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