カフェテラスポピー

都心の真ん中にひっそり佇む、創業50年の老舗喫茶店「カフェテラスポピー」【福岡市中央区】

いつの時代でも「カフェ」という存在は人々をトリコにします。近年のSNS人気も相まって、おしゃれなカフェ巡りを楽しむ女性も多い中、脚光を浴びているのが「昭和レトロな喫茶店」や「ネオ喫茶」と呼ばれるお店。中年以上の方はノスタルジックを感じ、若者にとってはおしゃれなカフェにないレトロ感が斬新だと感じるんだそうです。この記事では福岡にあるそんな「昭和レトロを感じられる喫茶店」や「ネオ喫茶」をご紹介していきたいと思います。

大丸福岡天神店の一角に佇む「カフェテラス ポピー」

 

今回ご紹介する「カフェテラス ポピー」の場所は福岡市中央区天神一丁目。

天神一丁目と言えば、福岡市役所や天神中央公園、アクロス福岡といった公共施設に加え、天神ビッグバンによる再開発の中心部という、まさに「天神のど真ん中」というエリアなのです。

 

 

渡辺通り沿いに大手百貨店の「大丸福岡天神店」の本館南側を歩いていると・・・

 

 

奥の一角に「カフェテラス ポピー」を発見しました!赤いオーニングとキーコーヒーの立体看板が目印です。

 

 

ガラス窓には店名のポピーの花をあしらったロゴマークが。このロゴマークのデザインは絵画に造詣が深かったマスターのお父様のアイディアなんだそうです。

 

 

レトロな球状のライトと色褪せた看板が長い年月を物語っています。

 

 

入り口上部にあるドーム状のオーニング。こちらもかなり年季が入っています。

 

 

エントランスには大きなメニューボードが掲示されているので、入店前にメニューをチェックすることができますよ。

 

老舗喫茶店らしい、レトロ感あふれる店内空間

 

窓際のテーブル席。大きなガラス窓越しに道向かいの三越、そして多くの人や車が行き交う渡辺通4丁目交差点といった天神の日常風景が見渡せます。

 

 

木とグリーンの座面を組み合わせた椅子は「ADAL」社製のもの。カーブを描いたルックスがクラシカルな雰囲気を演出してくれています。

 

 

昔ながらの喫茶店らしい、L字型のカウンター席。奥はオープンキッチンになっており、調理風景を眺められます。

 

 

壁面に飾られた様々な絵画は、アートが好きだったという先代のコレクション。

 

 

至る所に様々な作品が飾られているので、ぜひチェックしてみてくださいね。

 

実は大丸側にも入り口があるんです!

 

カフェテラス ポピーには2つの入り口があり、実は外からだけでなく大丸福岡天神店側からも入店できるんです。

こちらはその大丸福岡天神店側の入り口。

 

 

入り口横のショーケースには、昔の喫茶店で良く見られた食品サンプルのメニューがズラリ!どれも美味しそうですねえ。

 

 

壁面の大きな絵画は京都の着物の絵付師さんによる力作!

 

 

店内は全席喫煙OK!天神では喫煙OKの喫茶店やカフェは絶滅危惧種となっているので、愛煙家にとってはうれしい限りです!

※なお、喫煙可能店につき、20歳未満の方は入店できませんのでご注意ください。

 

カフェテラス ポピーの歴史

 

ネルドリップ抽出中のマスター・溝口元二さん。ネルドリップは創業以来変わらぬ抽出方法なのです。

 

この「カフェテラス ポピー」が産声をあげたのは1975年(昭和50年)。来年で創業50年を迎えます。

 

創業者である先代はマスターのお母様。中州を代表する高級クラブで勤務しながら、ご自身で飲食店も展開されておられました。

 

きっかけとなったのは、かつて福岡市博多区呉服町にあった「博多大丸」が、西日本新聞会館に入居する形で現在の天神に移転したこと。その際に店名も「大丸福岡天神店」と改称されたのですが、ちょうどそのタイミングで西日本新聞の関係者とのご縁があったことで「カフェテラス ポピー」を開業するに至ったんだそうです。

 

店名の由来は「ポピー」の花言葉の一つに「思いやり」という意味があり、その言葉を気に入った先代が名付けられました。

 

先代は非常に商才にあふれた方で、最盛期には大丸福岡天神店の中に2店舗、さらに福岡三越や博多デイトスにも出店されていたんだそうです。

 

その後、バブル期を経て徐々に店舗を縮小され、現在はこの大丸福岡天神店1階の店舗のみとなりました。

 

現在のマスターである息子の溝口元二さんは、大丸福岡天神店に長らく勤務されておられましたが、約20年前に家業を継ぐために「カフェテラス ポピー」に入店。

 

2019年に先代が亡くなられてからは、2代目として当時の営業スタイルそのままにお店を切り盛りされています。

 

老舗喫茶店らしい懐かしさを感じるメニューの数々

 

それでは改めてメニューをチェックしてみましょう。

ドリンクメニューはネルドリップ抽出のブレンドコーヒー(600円)をはじめ、クリームソーダやコーラフロートなどバリエーション豊かに揃っています。

また、コーヒーは特別な豆を使用した月替わりのスペシャルブレンドコーヒー(750円)も楽しめます。

 

 

そしてフードはオムライス、ビーフカレー、ドライカレー、パスタ、サンドイッチといった老舗喫茶店らしい洋食メニューが並びます。

もちろんパフェやコーヒーゼリー、ケーキなどのスイーツもありますよ。

 

 

今回はフードメニューの中から一番人気の「オムライス」をオーダーしてみました。お値段はサラダ・ドリンク付きで1,400円。

このオムライスは、先代が神戸にある有名店のシェフからレシピを教えていただき作り上げたもので、50年間変わらぬ製法で作られています。

 

 

ふんわりタマゴと自家製のデミグラスソースとチキンライスとのバランスが絶妙で、さすが老舗の味です!

 

 

ネルドリップ抽出のブレンドコーヒーは、滑らかな口当たりとまったりとした甘味と飲みごたえが感じられる一杯。愛煙家の方はタバコとともに、至福のひとときを過ごしてみてくださいね。

 

 

 

来年で創業50年。親子二代にわたって営み続けてきた「カフェテラス ポピー」は、変化と成長を続ける街・天神の片隅で、これからも昔と変わらぬスタイルで歴史を積み重ねていくことでしょう。

 

 

カフェテラス ポピー

住所:福岡市中央区天神1丁目4−20

TEL:092-712-3466

営業時間:9:00〜18:00(O.S 17:30)

定休日:元旦のみ

喫煙:可

 

 



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ライター
久原茂保
2001年より福岡発のカフェ情報サイト「CAFE@TRIBE(カフェ・トライブ)」を開設。以来、20年以上に渡り福岡県を中心に数多くのカフェを訪れ、日々取材活動に励んでいる。近年はカフェアドバイザー業やカフェのリブランディング、カフェプロモーションなどカフェ業界の知見とネットワークを活かしたオンリーワンな事業を展開中。グラフィックデザインやWEBデザイン、広告コンサルも。

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