珈琲屋さんで「冷めてくると味が変わって来ますので、変化も楽しんでくださいね」と言われたことはありませんか?
温かい湯気が立つ珈琲も勿論美味しいのだけれど、冷めてくるにつれて、次第にその味の輪郭をはっきりさせてくる、その頃合いを頂くのもまた一興。
アイスクリームは、その逆で、普段冷た〜いのを食べているから気づかないけれど、溶けてドロドロにぬるくなったのを食べると、こんなに甘かったの!? とビックリするくらい。
そう考えると、キンキンに冷たかったり、熱々過ぎたりすると、その味そのものを感じ取れていないかもしれないなぁ。
美味しく食べるためのタイミング
こちらのクリームパンと出会った時に、まさにそのことを思い出した。
mills by Truffle Bakeryさんは、2月末にできたばかりの、まだ新しいお店ですが、関東を拠点に全国に店舗を増やされていて、どのエリアでも大人気です。
看板商品の『白トリュフの塩パン』の美味しさは言わずもがな、個人的にはこのクリームパンに、心奪われてしまった次第。
「 『賞味期限5時間』 の生しぼりクリームパン 」
そう書かれたポップに釘付けになってしまうのは、わたしだけではない筈。
何故5時間なのだ!?と。
時々、モンブランではお見かけする『賞味期限〇〇分』。あれは、モンブランクリームの下のメレンゲがサクサクのうちに食べて欲しい、というシェフの想いから出来た制限時間。では、こちらのクリームパンの制限時間の真相はいかに……!?
素材の味わいと風味を感じるための”適温”
百聞は一食にしかず。そして、作り手さんの想いを受け止めるべく、購入後ソッコーで頂きました!
まずは生地。さっくりサクサクのブリオッシュ。この生地うみゃーい! です、バター感とたまご感に溢れている。
そして件のクリーム。
これがまぁ乳と卵の風味が、ほんとうに良いバランス!たまごが消えることなく、乳も活きている。これを感じ取れたのは、温度にも関係あるのでは。
シュークリームを食べた時に感じていたこと。『バランス良すぎるクリーム』は、どちらの味もしないなぁ、という小さな不満。それって温度にもよるんじゃないかと、気づいてしまったのです。
キンキンに冷えたクレームパティシエールではなく、程よく常温に近い状態でいただいたからこそ、素材それぞれの良さを感じ取ることが出来る。常温クリームの相乗効果!? で、ブリオッシュの生地から発酵バターならではの、チーズのような酸味と風味も、感じ取ることが出来た。
でも、生クリームも入っているし、常温に置いておくにも衛生面で長時間は不安。そういう意味での制限時間……?
そして、もうひとつ。元々、制限時間には、サクサク感や、安全性のみならず、「風味を感じ取る賞味期限があるから」だと個人的には感じていて。
モンブランも、翌日になると栗の風味、少し飛んでいる気がしますし、焼き菓子もそうです。せっかくのバニラやアーモンドパウダーの風味を味わうなら、「日持ちするしー」なんて食べるのを後回しにせず、買ったら早めに食べるが吉。
時間制限の理由を、温度による素材の味わいの感じ易さ、衛生面、そして、風味。
この3つと勝手に感じ取りました。
はい、とても勝手に! 笑
コラムに書くならちゃんと真相を聞いてこーい! というご意見もあるでしょう、そうでしょう。
ですが、「このパンって、なんでこんなに美味しいの!?シェフはこういう想いで作られたんじゃないかなー」なんて、想像を膨らませながら食べるパン。とても美味しいです。楽しいです。なので、皆様もこの美味しさと、それぞれの受け止め方を楽しんで見てください。
どうしても真相を知りたい貴方は、お店の方に(お手隙の時を狙って)聞いてみるのも良いかもしれません。
(ご注意※お店の包装には10℃以下で保存と書いてあります(^^))
店舗情報
mills by Truffle Bakery 福岡春日店
〒816-0849 福岡県春日市星見ヶ丘6丁目90
住所:〒816-0849 福岡県春日市星見ヶ丘6丁目90[map]
営業時間:9:00~19:00
電話番号:092-558-8815
定休日:月曜日(※不定休あり)
駐車場:あり
Instagram:@trufflebakery
https://www.instagram.com/TruffleBAKERY/