安い旨い個性的!『福岡の間借りカレー5選』空前のブーム!

カレー激戦区と言われる福岡では、ここ最近間借りカレーが急増中!そもそも飲食店の数が多いグルメ激戦区の福岡ですから、空いた営業時間を間借りさせてくれる店も多く昨今のカレーブームも後押しして、週末限定や期間限定、定位置に留まらない場所を変えながらカレーを提供するなど、カレーの種類はもちろん営業スタイルも様々な間借りカレーが存在します。その中でも SNS発信だけで連日テレビ取材を受け、予約必須の人気店になったタマカレー店主の幸田卓也さんに、間借りカレーのきっかけや魅力などを伺いました。合わせてその他、今福岡で人気の間借りカレーも紹介します!

■今話題の「間借りカレー」とは?

「間借り」の本来の意味は、料金を払い人の家の部屋を借りること。飲食店における「間借り」は、飲食店やバーなどの営業時間外に、店舗のスペースを借りて他の店を出すことです。そのカレー版が、「間借りカレー」と呼ばれています。

今、グルメな街として知られる福岡でも、「間借りカレー」が続々と増加中です。私が把握するだけでも、福岡市内では30件を超えるほど。その多くは、「副業として始めることができる」「実店舗を出す前にマーケティング調査できる」「個性的なメニューにチャレンジできる」などの理由が特徴的です。

今回は、福岡の間借りカレー界で話題のタマカレー店主 幸田さんに、間借カレーが流行の理由を伺ってきました。

■まずは、店舗探しから。間借りカレーの始め方は?

――幸田さんは大名の鉄板焼屋さんTAMAで間借りカレー「タマカレー」を始めます。夜営業の鉄板焼屋さんのランチ時間を使っての営業でした。旅先のスリランカから帰国して3週間というスピード感の中、どのようなやり方で間借りカレーを始めたのでしょうか?


タマカレー店主の幸田卓也さん

幸田さん

間借りの始め方、重要なポイントは、3つです。

1. ネットワークを生かし、間借り先の店をみつける

まずは間借り先のお店をみつけること。一般的にはお客さんとして店に行き、オーナーと話をするという当たり前のことが大前提だと思います。

僕の場合は友人が飲みに行っていたお店で僕が間借りしたいことを話してくれていたので事前情報が先方に伝わっていて、スムーズに行きました。

間借りするお店と出会うことは、なかなか簡単ではありません。そのためにはいろいろな飲食店を巡ること、飲食店に詳しい友人を通じたネットワークを持つことが重要です。

2. 間借り先のアイドルタイムを確認する

間借りはお店のアイドルタイムを使った出店が基本です。アイドルタイムは、ピークタイムの逆の意味なので、例えばランチをやっているお店ならピークが過ぎた14時〜17時頃のお客様が少ない時間帯のこと指します。

ランチをやっていないお店なら、11時~夕方までを指します。そのお店のクローズ時間をちゃんと確認します。

3. 間借り先のお店オーナーと信頼を築く

最後は、信用です。間借りさせてくれる飲食店にとって、アイドルタイムを有効活用してくれるというメリットがあっても、お金もかけ思いもある自分の店を貸すということですから、信頼関係は必要です。
 
自分をさらけ出し、それが合う人を探しました。人として合うかどうか、そしてお互い尊敬できるかどうかが、貸す側にとっても、借りる側にとっても間借りで店をオープンさせる時に大事なことなんじゃないかと思います。

■間借りカレーは、借りる側・貸す側お互いにとってメリットだらけ!

――間借りするお店をみつけて、オープンまでのスピード感の要因は、間借りさせてくれた店にとっても幸田さんにとってもメリットが多いことも理由のひとつなのでは?


現在は間借り営業を休業し、実店舗オープンに向けて準備中

幸田さん

間借りする側のメリットは、一番は、初期投資がないところだと思います。

1.初期費用が少ないから始めやすい

実店舗を出す前の段階としてチャレンジができるということが大きいですね。店を始めるには初期投資として、店舗や機材の準備が必要になりますが、間借りの場合はそこの負担が少ない分、ハードルが低いと思います。

リスクが少ない分、料理や自分の時間にお金をかけられます。だから個性豊かなこだわりのお店が実現しやすいです。

2.その他のメリット(特徴)

・カレー作りを趣味とする人もぴったり
・副業でやってる人もいる
・お客さんも一緒に楽しめる

貸す側の飲食店にとっても、店舗も新たな収益になります。稼働していない時間はもったいないので、お互いメリットがあるんじゃないかなと思います。

もし、飲食店のスタッフの中でやりたい子がいたらやらせてみるのもいいと思います。僕はそれまで飲食経験はありましたが、自分でゼロから考えた料理をお客様に提供して、お金をもらった時は手が震えました。やる気にもつながると思いますよ。

■初期投資ない分、自由に創作!一日50食の大ヒット商品に!

――ピーク時は一日50食提供していたSNSでも“映えるカレー”として話題のタマカレーの代表メニュー「森羅万象(しんらばんしょう)カレー」。ベトナムとスリランカで得たスパイスやハーブの知識はもちろん、タマカレーのカレーは幸田さんの食への思いがたっぷり詰まった、映えだけじゃない味も人気のカレーです。


森羅万象(しんらばんしょう)カレー 1,700円。20種類ぐらいのスパイスを使い、腸の調子が悪い人にハーブを多めに整腸作用を入れてあげるなど、食べる人によってスパイスの種類や配合を変えることも

幸田さん

以前に飲食店のまかないで毎日ラーメンを食べていて身体を壊してしまったことをきっかけに、健康志向が高めの店に移ったんですが、そこで東南アジアの料理を提供していたんです。魚醤にすごく感動して、その時ベトナムにとても興味を持ちました。
 
その後、完全無添加の自然派レストランで料理も学び、その頃母が病気になって、身体の仕組みや食について更に学びました。スリランカで本場のカレーを勉強した時に、スリランカでワンプレートに前菜や副菜すべてのっているカレーを見て、“一皿でフルコース食べれられるじゃん!”と感動しました。それが僕のカレーにつながっています。
 
身体、魂、食べ物、その3つで人の身体ができています。何かがうまくいかない時はそのうちのどれかが悪くなっているんだと思っています。スパイスもハーブも僕は薬だと思っていて、無農薬の野菜を使った前菜や副菜と一緒に、一皿に僕が思う身体によい食べ物を詰めこんだカレーが、森羅万象(しんらばんしょう)カレーなんです。

そして、好きで行ったベトナムとスリランカでしたが、やっぱり恋しくなったのは日本のダシでした。味噌汁が飲みたい、ダシをとった料理が食べたいと思いました。どこの国でもお母さんの料理って美味しいじゃないですか。あれが料理の最終形態だと思うんです。
 
だからタマカレーのカレーは、映えると言われている色も自然のものだし、スリランカカレーにルーツを持ちながら、ダシや季節の野菜を組み合わせた、唯一無二の創作カレーなんです。僕の人生を食べてほしいと思ってつくってます(笑)

■間借りカレーの経験から実店舗開店への夢へ


「ジャイアン」という愛称で親しまれている幸田さんの陽気な人柄にファンも多い

幸田さんが無農薬・無添加・スパイス・ハーブにこだわれるのも、料理や自分の時間にお金をかけられた間借りというスタイルだからこそなのかも。

初期費用がかかっていない分、材料にお金を掛けられるし、いい商品がつくれる、それがヒット商品につながったのではないでしょうか。
 
タマカレーは2021年末に一旦休業。3年間休みなくカレーを作ってきたので日替わりで作ってきたレシピのストックがたまったので、次の目標はお客さんと生産者さんをつなぐこと、そして自分の店を出すことが今年の目標だそうです。

2022年のタマカレーがこれから楽しみです。

【タマカレー】
■現在、休業中。今後の活動についてはinstagramより
■詳細は@tama_curry_

■安い旨い個性的!他にもあるある福岡の間借りカレー

――福岡にはまだまだ間借りカレーがいっぱいありますが、その中からおすすめの4店舗をご紹介。どこもこだわりが詰まった人気カレー、ぜひ味わってみてくださいね!

朝8時から営業!九州唯一の西インドカレー屋「あさなつこ」(福岡市博多区)


「ムンバイスタイルのチキンキーマパオセット」 850円。1種類のカレーに厚切りトーストや副菜がついたモーニングメニュー

「西インドのモーニング文化を福岡で感じてもらいたい」と、福岡いや九州で唯一西インドスタイルのモーニング、ランチを提供。西インド料理はもちろん、旅で出会った他インドの味も。

モーニングのカレーには、厚切りトースト、副菜、ミニチャイがセットでついています。不定期でランチ営業“ひるなつこ”がオープンすることも。SNSをチェックしてみてくださいね。

<メニュー>
・ムンバイスタイルのチキンキーマパオセット 850円
・コラプリスタイルのミサルパオセット 700円
・スパイシーチキンレバー 250円
 
【あさなつこ (参道ワイン 香 間借り) 】
■住: 福岡市博多区冷泉町6-5-1 ホテルニューガイア1F [MAP]
■営: 事前にSNSをご確認ください
■詳細は@asanatsuko

薩摩地鶏を使ったスパイスカレー「間借りカリー セロトニン」(福岡市中央区)


「バターチキンカリー」950円

チキンは薩摩地鶏を取り寄せ。大学時代から世界を旅しながらカレーを食べ歩き、さまざまな味を知り学び続けてきた店長の仲道さんが、独学でカレーを作り続け、2020年にオープンさせた間借りカレーの店。

仲道さん曰く、こだわりは「味付けのバランスとチキンの食感、そしてカレーをカリーと言っているところ(笑)」だそうです。
 
<メニュー>
・キーマカリー 950円
・バターチキンカリー 950円
・モッツアレラタグカリー 950円
・ぢどりブツ切りキーマ 1,100円
※2種がけ+200円、タンドリーチキントッピング+300円、大盛り+100円

【間借りカリー セロトニン (ぢどりの宴屋 間借り) 】
■住: 福岡市中央区薬院2-2-19 [MAP]
■営: 11:30〜15:00
■休: 日曜
■詳細は@curry_serotonin

多国籍料理を皿の上で自由に表現する進化形スパイスカレー「CodaSPICE」(福岡市内各所)


ヴィヤンドミールス(肉類メイン)、ポワソンミールス(魚介類メイン)全部盛り合わせ 2,500円

現在佐賀の有名ハンバーグ店で働きながら、コーダスパイスとしてカレーを提供している店主の山領浩太さん。

フレンチ出身の山領さんがつくるカレーは、その知識を最大限に生かした独創的なカレー。現在は福岡や佐賀の店を借りてコラボ営業や間借り、イベント出店など不定期にオープンしています。
 
<メニュー>
「ピリヤニと出汁カレー御膳」(ピリヤニ2種、出汁カレー2種、副菜3種) 1,600円
【ピリヤニ】
・海老魚介出汁ピリヤニ
・鶏牛ガラ出汁ピリヤニ
【出汁カレー】
・焼き鯵出汁のとろろ汁カレー
・椎茸出汁の海苔ダルカレー

【CodaSPICE (間借り先情報は常に更新中) 】
■詳細は@coda_spiceandharb

博多新名物、丸腸ぷりぷりキーマで挑む間借りカレー「ケンチャンスマイル」(福岡市中央区)


丸腸ぷりぷりキーマ 1,100円

最高級のぷりぷりの丸腸が7〜8貫入った丸腸ぷりぷりキーマは、ベースのキーマカレーもスパイスからじっくり仕込んだこだわりたっぷりの採算度外視カレーです。

モツ鍋のイメージでつくっているので、ごぼう、ニラ、キノコ、胡麻等が入っていて香りやアクセント、食感がたまりません。和食出身の店主ならではのこだわりです。近日、ブラザーカレーとしてリニューアル予定
 
<メニュー>
・丸腸ぷりぷりキーマCURRY 1,100円
・ココナッツグリーンキーマCURRY 880円
※その他日替わりCURRYあり
 
【ケンチャンスマイル (酔リミチスタンド マチルダ 間借り) 】
■TEL: 092-752-2123
■住: 福岡市中央区大名1-3-5-1 ARKcubeⅡ202 [MAP]
■営: 12:00〜15:00/17:00〜22:00
■詳細は@brother_curry_

—-
福岡に続々増加中の間借りカレー。実店舗以上にこだわりがある店が多い印象がありました。

タマカレーの幸田さんがおっしゃっていたように、誰かの場所を間借りするという人との信頼関係を大事にできる人がやっているからこそ、カレーという食に加えて人としての魅力があることも、お客様に人気の秘密なのではないでしょうか。

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ライター
山内 亜紀子
福岡女子短期大学音楽科卒。卒業後ラジオ局の番組制作に関わる。その後転職し、福岡の数々の情報誌とWEBメディアの編集・ライターを勤める。編集では映画紹介やコラム、インタビューを経験。2015 年よりフリーの広報、ライターとして主に映画、グルメ、旅行コラムを執筆中。

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