ボトルドカクテルとは?
ボトルドカクテルとは、その名の通り、通常はバーでグラスでいただくカクテルをボトリングしたもののこと。現在、ロンドンやニューヨークのバーでは、ボトルドカクテルがブームになっているそうですが、日本での認知度はまだまだ。ですが、コロナ禍でなかなか自由に外出することが叶わない今、どこにいてもプロがつくったおいしいカクテルをいただけるということで、じわじわと広がり始めています。
長期樫樽熟成「リキュール朝倉」と、歴戦のバーテンダーによる化学反応に期待
今回のボトルドカクテルのベースとなったのは、7年前に販売した「リキュール朝倉」というお酒。実はこちらも、長年に渡って長期樫樽熟成麦焼酎を研究してきた株式会社篠崎の金字塔とも言える商品なのです。
昨年7月にCAMPFIREで発表した「リキュール朝倉」のプロジェクトも200%を超える支持が集まった。開発秘話として掲載されている日本式ウイスキーのエピソードは篠崎の商品開発の原点になっている
そもそも、焼酎は樽を数年寝かせることで、香り高く味わいもまろやかになり、ウイスキーを思わせる深い琥珀色に染まります。けれども、焼酎として販売する場合、そのままの色味は規定上NGとなり、販売できないのです。
どうしても原酒のおいしさを表現したかった篠崎さん達は、焼酎ではなく色味の規制の無いリキュール類として商品化。7年前には一般販売を始め、2020年の7月には、決定版とも言える「リキュール朝倉 追熟シリーズ アーキビスト」をクラウドファンディングサイト「CAMPFIRE」で発表しました。
今では焼酎愛好家のみならず、飲食業界のプロにも広く支持されているブランドに成長しています。
ー今回のボトルドカクテル開発のきっかけは、「リキュール朝倉」にあったそうですね。
篠崎さん
ーなるほど。今回は、西中洲の「バー・カぺル」新谷彰教さん、中洲の「BAR Lapin」上野真暉さん、大名の「CITADEL」小原義満さんとそれぞれ開発されたそうですね。どのような経緯で選出されたのですか?
梅野さん
ーバーテンダーとの共同開発は初めての取り組みなんですよね。篠崎さん側からはどんなリクエストをされていたのですか?
篠崎さん
福岡市中央区西中洲「バー・カぺル」店主の新谷彰教さん。全国のカクテルコンペティションの受賞歴も多数
ーカクテルのおいしさは、配合するレシピの緻密なバランスがあってこそですよね。バーテンダーの皆さんとはどんな風に進められたんですか?
阪本さん
中洲のオーセンティックバー「BAR Lapin(ラパン)」のオーナーバーテンダー、上野真暉さん。フレッシュフルーツカクテルのほか、テキーラなども得意分野
ーボトルに詰めて時間を置くことで味わいも変わってくると、バーテンダーの皆さんもおっしゃっていましたね。
阪本さん
大名でカクテルバー「CITADEL(シタデル)」のオーナー小原義満さん。株式会社FUNKtion代表取締役として、自社でもボトルドカクテルの商品化に力を入れている
(左)BAR Lapinのオーナーバーテンダーをしている上野氏による「Beau Parfum(ビュー パルファン)~美しい香り~」。福岡県の県花・梅と桜の香りをプラスし、リキュール朝倉の樽の香りとのマッチングと余韻が楽しめる味わい。(中)「バー・カぺル」店主の新谷氏による「VIVA ASAKURA」。朝倉市の特産物である巨峰や桃などのリキュールやシロップを配合。甘酸っぱく爽やかな味わい。(右)「CITADEL」の小原氏による「ASAKURA BLACK OLD FASHIONED」。ウイスキーを使ったカクテル「オールドファッションド」を大胆にアレンジ。リキュール朝倉にコーヒー豆を漬け込み、香ばしいコーヒーフレーバーを表現
ボトルドカクテル第二弾も進行中。前回とは異なる世界観に乞うご期待!
クラウドファンディングサイトにアップしてからも、YouTuberとコラボしたり、テレビで取材を受けたりと、さまざまな告知を展開。結果的に支援は200%にまで上り、追加販売の問い合わせも殺到したそうです。
ー今回のボトルドカクテルについて、再販の予定はあるのですか?
梅野さん
なんともショックなお話しですが、ガッカリするのはまだ早いですよ!
なんと、ボトルドカクテル企画の第二弾が夏頃にスタートするそうです。次回は、東京や京都の新進気鋭のバーテンダー4名が登場予定。ボトルドカクテルのブームがジワジワと広がっているのではないでしょうか。
ちなみに、レシピなどの詳細は調整中とのことですが、かなりエッジの効いた内容になりそうとのこと。これは見逃せないニュースです。続報はウェブサイトなどでチェックしてくださいね。
お客様と一緒にワクワクしたい!困難な状況も楽しみながら前へ
ークラウドファンディングでのチャレンジを通して、モノづくりへの変化を感じましたか?
篠崎さん
ークラウドファンディングページでは、株式会社篠崎だけではなく、バーテンダーの皆さんのご紹介や感想もかなり詳しく紹介されていますね。商品だけではなくて、コロナ禍で困難に向き合っているバー業界に注目してほしいという意図もあるのでは?
梅野さん
ークラウドファンディングのページにも掲げていらっしゃるように、バーテンダーの皆さんは“同志”。援助するのではなく、モノづくりを通して一緒に前に進みたいという想いなんですね。
篠崎さん
ー今後はどんなプロジェクトを考えていらっしゃいますか?
篠崎さん
誰しもが少なからず新型コロナの影響を受け、表情が沈んでしまいがちな現状ですが、篠崎さん達は、まるで遊びの計画を立てている時のような明るい口調で次のプランについて話してくださいました。クラウドファンディングのページで紹介されているバーテンダーの皆さんもまた、達成感に満ちた表情で微笑んでいます。プロが見せる本気とクリエイティブの喜びにこそ、ボトルドカクテルの魅力が詰まっているのではないでしょうか。
株式会社 篠崎
江戸時代後期に福岡県朝倉市で清酒製造業を創業。「麹を使った商品で社会貢献をする」という方針のもと、伝統的な日本酒や焼酎、甘酒に止まらず、さまざまな挑戦を続けている。特に、近年では樽で長期熟成させた焼酎やリキュール類に力を入れており、クラウドファンディングサイト「CAMPFIRE」で発表した「リキュール朝倉」は、業界内にも大きな反響を呼んだ。現在は、ボトルドカクテル企画の第二弾を準備中。詳細はサイトで確認を。
http://www.shinozaki-shochu.co.jp