毎年7月1日から15日にかけて福岡市で開催される博多祇園山笠。
鎌倉時代に、疫病が流行した際に聖一国師(円爾…承天寺の開祖)が施餓鬼棚に乗って博多の町を祈願して回ったことが発祥と言われています。
現在は博多人形師による飾りを取り付けた山車が飾られた「飾り山」、神輿のように担いで町を練り歩く「舁き山」という形で祭りが執り行われています。
6月1日になると博多の町では長法被姿の人を見かけるようになります。
長法被は流れ(町の区割りのようなもの)によって異なり、様々な柄のものがあります。
また、長法被は山笠の開催期間中は「正装」となり、冠婚葬祭の場でも長法被姿が認められています。
町を長法被姿の人が歩くようになると、博多の人は「山笠が近づいてきたなぁ」という気持ちになるものです。
博多どんたくは5月3日と5月4日に福岡市で開催される祭りで、毎年200万人が来場する一大イベントです。
博多どんたくのルーツは古くから博多で行われた「博多松囃子」にあり、江戸時代頃は福岡藩の藩主である黒田家に正月に赴く行事として行われていました。
明治維新後に博多松囃子は中止させられてしまいますが、明治12年に「どんたく」と名前を変えて復活することになりました。
「どんたく」という言葉はオランダ語で「休日(日曜日)」を意味する「ゾンターク(Zondag)」が由来となっています。
戦時中に再び中止となりましたが、戦後に再開され、現在に至っています。
開催日には盛大にパレードやイベントが行われ、博多の町が盛り上がります。
しかし、「どんたくに雨はつきもの」というジンクスがあり、どんたくが開催される5月3日と5月4日のどちらかは雨が降ると言われ、過去のデータを見ても、高確率で雨となっています。
どんたくに行く際には雨がっぱか傘を持って行ったほうが良いかもしれません。
福岡市東区の箱崎にある筥崎宮で 9月12日~18日まで行われる放生会(ほうじょうや)は、どんたく、山笠とあわせて「博多三大祭」と言われています。
お祭りのピーク時には前に進めなくなってしまうほどの人で賑わいます。
放生会とは、万物の生命を慈しみ、殺生を戒める神事で、もともとの起源は、お釈迦様の前世といわれている流水長者が、池が干上がって死にかけていた魚を助けたら三十三天に転生して感謝報恩した、ということに由来していると言われています。
放生会は全国各地で行われていますが、筥崎宮で行われている放生会はとくに規模が大きく、本来の放生会にプラスして商売繁盛や交通安全などが色々ミックスされて開催されています。
お祭りの開催期間中には参道に約500軒もの様々な店が出され、毎年、のべ100万人が訪れています。
なかでも度々話題になるのが巨大なお化け屋敷。
昭和感あふれる看板と呼び込みの掛け声のインパクトが強くて忘れられなくなるのか、放生会=お化け屋敷とイメージする人も多いようです。
そのため、放生会の話になるとけっこうな確率でお化け屋敷の話題になります。
もちろん、お化け屋敷以外にも様々なグルメや博多名物の出店がありますのでとても楽しめます。
※注:今年(2020年)の放生会大祭(神事)は、神職及び祭典奉仕者のみで行われるため、屋台等の出店は中止となっています。
令和二年「仲秋大祭 放生会」に関するお知らせ
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今年は様々なイベントやお祭りが中止となってしまいましたが、ぜひ来年の開催に期待したいものです。
お祭りに行けないこの期間はお祭りのルーツや意味について知る期間にしてみるというのも良いかもしれませんね。
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