深夜にゴミの収集が行われるのは福岡市民にとっては当たり前のことですが、全国的に見ると非常に珍しい制度です。
もともとは朝の車の渋滞を緩和するために1960年代から取り入れられた制度でしたが、深夜の防犯にも役立つことや、カラスなどの動物が寝ている夜の間に出して回収することでゴミを荒らされないなど様々なメリットがあることから福岡市では深夜のゴミ収集が定着しました。
深夜のゴミ収集は市民からの評判もよく、朝の忙しい時間帯をゴミ出しに使わなくてよい、夕飯の生ゴミをすぐに出せて衛生的であるなどの理由から、9割以上の人が満足しているというアンケート結果もあるのだそうです。
福岡市内の居酒屋や旅館などでは、大きな盃と長い槍を持った武士の人形をよく目にします。
この武士は福岡藩の藩祖・黒田官兵衛(如水)と、初代藩主・黒田長政に仕えた母里太兵衛(もりたへえ)という人物で、福島正則から巨大な盃に入った酒を飲み干せば何でも褒美を与えると言われ、見事飲みきって豊臣秀吉ゆかりの名槍「日本号」をもらったというエピソードが有名です。
母里太兵衛のこの逸話は福岡の民謡「黒田節」のモデルにもなっていることもあり、福岡・博多に住む人に古くから親しまれています。
そのため、母里太兵衛の博多人形が市内のいたる所に飾られていたり、博多の玄関口である博多駅前に母里太兵衛の銅像が設置されたりしています。
福岡県民や博多の人が大酒飲みというイメージは、もしかしたらここから来ているのかもしれませんね。
新幹線停車駅の駅名は、名古屋市は「名古屋」、京都市は「京都」、広島市は「広島」といった具合に、とてもわかりやすいのですが、福岡市の新幹線停車駅の駅名はなぜか「博多」となっています。
まず、「福岡市」という地名は明治22年の市町村制度施行により付けられたものです。
江戸時代、那珂川の西側を「福岡」、東側を「博多」と呼び、福岡は武士の住む町、博多は商人の住む町という大まかな住み分けが行われていました。
明治22年の市町村制度施行で、福岡エリアと博多エリア・その周辺をまとめて福岡市と名付けられたものの、翌年に博多部選出議員から博多市に改称してほしいという申し出があり、福岡市か博多市か投票で決定することとなりました。
結果、わずかな差で福岡市の票数が上回り、そのまま福岡市とすることになりましたが、その代わりとして当時開通したばかりの鉄道の駅名が博多駅と名付けられました。
博多駅はその後も発展を続け、新幹線が開通するなど福岡市の中心駅となっていきました。
そういった流れで新幹線の停車駅は「福岡駅」ではなく「博多駅」という名称になっています。
もし投票で「博多市」の票数が上回っていたとしたら、逆に、現在の博多駅は「福岡駅」になっていたのかもしませんね。
福岡・博多の町を歩いていると、民家の表札の横などに小さな猿のお面が飾られているのをよく目にします。
福岡市民にとってはあまりにもありふれた光景なので疑問に思うことすらないかもしれませんが、他県では見られない風習です。
この猿のお面は福岡市早良区の藤崎にある「猿田彦神社」で販売されているもので、年に数回開催される庚申祭の日に購入できます。
庚申祭の日には福岡市内外から多くの人が猿のお面を求めて神社を訪れ、持ち帰ったものを魔除けとして玄関先に飾っています。
最近では猿は木から落ちない、ということで受験生などにも人気なのだそうです。
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こうしてみてみると、福岡の人には当たり前でも、県外の人にとってはとても興味深いということは意外とたくさんあるものですね。
今、当たり前にしている行動や見ているものも、実は、他県の人にとっては不思議な「謎」なのかもしれませんよ。
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<参照サイト>
福岡市のゴミ収集が「真夜中」に定着した理由 | 東洋経済オンライン
博多の豆知識 vol.4 福岡市か博多市か!? | 福岡市ホームページ