【石原和幸の夢コラム】

「花」生産で全国トップクラスの強み活かし、福岡の経済を盛り上げよう!

前回のコラムでは、「僕の仕事は庭園や植栽のデザインをして造ること。クライアントの目的に合ったストーリー付けをし、他といかに差別化が図れる庭園を造れるか」ということで、僕の地元である長崎を例に挙げ独特な文化や地形に触れながら、その地域に寄り添った庭づくりのことを書きました。 今回は「僕が福岡の庭を造るなら」ということで考えてみたいと思います。

福岡の魅力って何なのだろう?

料理で新しいメニューを作るときは、使う食材の特徴や旨味を調べて一番美味しく活かせる方法を探るものです。恋人にプレゼントを贈るときも、相手の好みや欲しい物をリサーチすると思います。僕は周りから直感的な思考とよく言われますが、庭づくりのコンセプト作りなどのときは、流石に相手のことや対象のことを調べますよね。
 
では、福岡のまちってどんなところなんでしょうか?
 
仕事で月に数日は訪福していますが、中心部は都市としてしっかり発展しながら、海と山が近くにあって自然も残っている。「とてもバランスがよくて住みやすそうなまちだな」と感じています。実際に人口が減少する地方都市が増えるなかで、福岡市は人口が増えているようです。その魅力は何なのでしょうか?
 

働くにも生活するにもバランスが取れたまち・福岡

僕が利用する福岡空港は、博多駅から地下鉄で5分程度の場所に位置し、住宅地の上をとおって降り立つ風景はなかなか衝撃的です。その他、バスやJR、地下鉄などの公共交通機関も充実し、道路も高速道路が縦横に走り、都市高速道路も整備されていて、通勤や通学、買い物などの移動には困らないようです。
 

福岡空港は、福岡市の都心部からも近い

次はやはり食文化ですかね。代表的なものにとんこつラーメンにもつ鍋などが挙げられますが、一番は自然の恵みによる食材じゃないでしょうか。玄界灘に面し、新鮮な海の幸が獲れ、内陸では果樹栽培が盛んで観光農園も多く旬の味覚を気楽に味わえます
 
一方で、福岡には歌舞伎や能など、日本の伝統芸能に触れることができる施設や、本格的なコンサートホールがあります。また福岡では九州唯一のプロ野球チーム「福岡ソフトバンクホークス」があり、他にもサッカー、バスケット、ラグビーのプロチームも活動しており、スポーツがもたらす魅力ある暮らしができます。
 
福岡市の中心部にある博多部や天神地区には、大手企業の支社や支店も多く、デパートやホテル、屋台などが並び福岡経済の中心となっています。同時に、九州の玄関口で流通のハブとなる福岡のまちは、必然的に九州のビジネスの中心地となっています。
 
都心部の近くには、警固公園や大濠公園、西公園、舞鶴公園など憩いの場となる数多くの公園があり、働くにも生活するにもバランスが取れた都市だと思います。
 
福岡市民の憩いの場となっている大濠公園(写真提供:福岡市)

 

“逆転の発想”で、福岡の魅力を探す

以上が一般的に思われている福岡の良いところでしょうか。今回は僕が福岡に寄り添った庭を造るならどんな庭を造るかでしたね。福岡にもたくさん良いところがありました。でも庭園デザインに紐づけて取り込むのは、難しそうな気がします。通常はその都市の個性や特徴など、あるものを組み込んでいきますが、“逆転の発想”で今魅力として活かしきれてない部分を造ってあげた方がよさそうな気がしました。
 
福岡の魅力って、食べ物が美味しかったり、交通の便が良かったり、伝統芸能やスポーツ観戦など楽しみがたくさんあったりするところでした。
 
僕の視点からするとちょっと違っていて、それは花き類の生産出荷が全国でトップクラスだということです。苗もの、切り花、植木のどれをとっても福岡は全国レベルでの生産地です。具体的に挙げますと花木(植木)が全国1位切花類が全国3位花壇用苗ものが全国4位の出荷量となっています。

多くの花きが生産され出荷がされている反面、福岡に住む皆さんの花き類の消費量は と言いますと…、切り花購入量が全国44位、園芸用品購入量が全国43位となっており、福岡の皆さんの生活にはなかなか反映されてないのが現実ようです。お花も地産地消で、地元に還元しましょう!
 
 
福岡県は、鉢物、切花、植木のどれをとっても全国レベルでの生産地である

世界から人が訪れる観光名所になるような、「花の広場」づくり

なので僕が今、福岡で庭を造ろうとするならば「花の広場」です! 今でも福岡には海の中道海浜公園のコスモスやコキア、のこのしまアイランドパークのコスモスや菜の花など花の名所はありますが、僕が目指すならば世界から観光客が訪れるシビレルくらいの花のテーマパークです。しかも中途半端なものではなく、ドバイのミラクルガーデン規模のものを造りたいですね。

必ず観光の名所になり、日本中ではなく世界から人が訪れるようになり、経済効果をもたらすと思います。花は人の心を癒し、元気にしてくれます。でも、それだけでは、都市に花は広がっていきません。
 


アラブ首長国連邦(UAE)にある世界最大級のフラワーパーク「ドバイ・ミラクルガーデン」

僕は庭園デザイナーと会社経営者という2つの顔をもっています。どちらの顔が強いかはご想像にお任せしますが、都市に花を広げようとした時、「花で利を生ませる」ことだと思います。少々現実的な話です。今、福岡が持っている生産という強みを活かし、福岡の経済を更に盛り上げられるピースに「花」がなることができれば、「フラワーシティ福岡」が見えてくるのではないでしょうか。
 
これから近い将来で、福岡の魅力に「花」という文字が加わるといいですし、そうしたいですね。

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庭園デザイナー
石原和幸
長崎市生まれ。22歳で生け花の本流『池坊』に入門。以来、花と緑に魅了され生花の路上販売から店舗販売、そして庭造りをスタート。その後、苔を使った庭で独自の世界観が「英国チェルシーフラワーショー」で高く評価されこれまで14回出展し計11個の金メダルを受賞。エリザベス女王より「緑の魔術師」と称される。全国で庭と壁面緑化など緑化事業を展開し環境保護に貢献すべく活躍中。

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