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【 謎とき@フクリパ 】

福岡市へ毎年夏、世界各国から子どもたちが 集う『APCC』をご存じですか!?

アジア太平洋博覧会をきっかけに35年にわたって毎年7月、アジア太平洋を中心とした世界の子どもたちが、福岡市へやって来ます。『アジア太平洋こども会議・イン福岡(APCC)』が主催する各事業で育まれた友情や相互理解、人的ネットワークなどは、アジアの交流拠点都市・福岡の大きな財産です。今回、このAPCCの【謎】解きに迫ります。

福岡の〝宝物〟、といえるAPCCとは何か

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世界34カ国・地域で暮らす子どもたち164人が2023年7月中旬、『BRIDGE Summer camp』という招聘型事業に参加するために福岡市へやって来た。
コロナ禍によって過去3年間、オンラインで実施しており、実に4年ぶりのリアル開催となった。
BRIDGE Summer camp』とは、福岡市を拠点に活動する特定非営利活動(NPO)法人アジア太平洋こども会議・イン福岡(APCC)が主催する市民レベルでの草の根国際交流事業だ。
アジア太平洋を中心とした世界各地から11歳の子どもたちが『こども大使』として来福し、ホームステイや学校登校、各種イベントなどを通して、福岡の子どもたちや受入先の家族、ボランティア関係者らとの交流や相互理解などを育んでいく取り組みだ。

 

プログラムでは最初、アジア太平洋各地からのこども大使らは福岡市東区にある海の中道青少年海の家で合宿をしながら、オリエンテーションを通じて日本文化や日本での生活習慣などを学んでいく
その後、〝福岡の家族〟であるホームステイ先へ向かって、家族との交流を深めていく。

 

 

夏休み前には『スクールビジット』や応援してくれている企業団体との『CSR活動』、『学校登校』というプログラムがある。
こども大使らは、福岡の会社、社会にて活動をしたり、福岡の小学校へ登校して教室を舞台に福岡の子どもたちと触れ合ったりして、友情や相互理解を深めていく。
これらはボランティアの活動として取り組まれており、その活動資金も行政や公的機関からの助成金をはじめ、地元企業からの協賛金や個人からの寄付などの〝浄財〟でまかなわれている。

 

 

【謎】なぜ、『APCC』は福岡で誕生したのか?

「アジア太平洋の子どもたちを福岡へ呼ぼう」━━━。
1989年、福岡市政100周年を記念して開催された『アジア太平洋博覧会〜よかトピア〜』の参加事業として一般社団法人福岡青年会議所(JC)は、アジア太平洋の子どもたちの招聘事業を企画した。

 

 

アジア太平洋の35カ国・地域からこども大使として招いた子どもたちの人数は、実に1,010人に上った。
彼ら・彼女らは、福岡市内をはじめ都市圏のホストファミリーでのホームステイなどを通じて、交流や相互理解を深めた。
アジア太平洋こども会議が福岡で発足した【謎】についてNPO法人アジア太平洋こども会議・イン福岡(APCC)の藤眞臣専務理事は、次のように解説する。

 

藤眞臣専務理事

APCCが始まった1989年当時、よかトピアの開催もあり、福岡の街全体がアジアへの関心を高め、JC自体もアジア志向を強めていました。 
「アジア太平洋の子どもたちを福岡へ呼ぼう」という声がJCの会員から上がりました。
そして、「海外の子どもたちとの出会いを通じて、日本の子どもたちにも海外へ目を向けさせていきたい」という思いで大いに盛り上がり、JCが実行委員会を立ち上げました。

当初は、1回限りの単発イベントという予定だったこともあり、アジア太平洋の35カ国・地域から実に1,000人を超える子どもたちを招いて、福岡でのホームステイを実現させました。
JCの理事長は1年任期であり、当初は1回限りの予定でした。

しかし、実際に開催してみると、関係者からは好評を博し、街のみなさんからも次回開催を望む声が強く、さらに経済界や企業からも継続要請がありました。
このため、翌年以降も引き続き、記念事業として開催して、今日に至っています。

NPO法人アジア太平洋こども会議・イン福岡(APCC)の藤眞臣専務理事

NPO法人アジア太平洋こども会議・イン福岡(APCC)の藤眞臣専務理事

 

 

 

【謎】こども大使1万人参加のAPCCはなぜ、35年も続くのか?

画像提供:APCC

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APCCの主要事業である招聘型事業『BRIDGE Summer camp』は毎年7月、2週間程度の日程で開催する。
例年、アジア太平洋の35~46カ国・地域から11歳の子どもたちをおおむね200人~400人のこども大使として招いている。
今回も含めた過去35回の累計として、アジア太平洋の55カ国・地域からこども大使9,773人が招聘型事業を通して福岡を訪れている。
このほか、インターネットを用いたバーチャル事業へのオンライン参加したこども大使が260人おり、総数では1万人を突破している。

 

 

この間、2003年はSARS(重症急性呼吸器症候群)の影響により渡航直前で中止となった。
また、2020年からの3カ年間は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の世界的な大流行によって、インターネットを用いたオンラインでの交流事業となった。

 

 

これら幾多の困難を乗り越えてきた中、スタート6年目となる1994年からは、相互交流を目的に福岡の子どもらが毎年の春休み、隔年の夏休みにアジア太平洋の各地を訪問する派遣型事業『BRIDGE Challenge trip』を始めている。

 

 

そして、節目となる10回目の会議を開催した19987月には、これまで参加した子どもたちを対象に同窓会組織『BRIDGE CLUB(ブリッジクラブ)』を発足させた。
その後2002年2月、運営主体を現在の特定非営利活動法人(NPO)アジア太平洋こども会議・イン福岡へ移管させている。

 

 

なぜ、30年以上にわたって草の根的な国際交流ともいえるアジア太平洋こども会議が継続しているのか? 
この【謎】について藤専務理事は、次のように解説する。

 

藤専務理事

APCCが誕生した1989年当時、インターネットもなく、ホームステイも珍しかった時代であり、ある意味で事業としては先端過ぎた取り組みだったといえるかもしれません。

APCCが35年も継続して開催しているという点に関しては、やはりJCの力が大きかったと思います。
JCでは代々、先輩から後輩へこども会議の開催という〝バトン〟をつないでいきながら、JC自身にとっても大切な絆として取り組んでいます。
JCのOBである私自身も諸先輩方の尽力には、大いに感謝しております。
また何より、JCがこの福岡の宝の運営をNPO法人化し市民移管していったことが社会にとって、私達、日本・福岡県市民にとって、大きな貢献だと思います。

APCCの開催については50年、100年続けていくことを宣言しており、今後も持続的に実施できるように努力していきたいと思います。

 

【謎】なぜ、APCCは唯一無二の国際交流なのか

画像提供:APCC

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初期のAPCCに参加した子どもらは30年余りが経過し、40歳台半ばに差し掛かっている。
その後、親になった参加者をはじめ、母国で行政や教育、医療関係などに従事したり、中には政府の要職に就いたりしている者もいるという。
また、福岡での様々な交流、ホームステイをきっかけに日本への留学を実現したこども大使もいる。

 

 

インドネシアからの第10回こども大使だった男性は、その後母国でフライドチキンの外食チェーンを立ち上げて大成功した。
そして、彼が日本の養鶏を営む企業にアドバイスをもらったのは、かつて過ごした福岡に本社を構える外食産業だった。

 

 

一方、世界からの子どもたちを受け入れているホストファミリーの動機も「国際交流に興味があったから」「子どもがやりたいと言ったので」など多彩だ。
ホストファミリーの子どもの中には、その後TVタレントとして活躍している者もいる。
そして、かつてホームステイしたこども大使を母国に訪ねて、本人と再会を果したテレビ番組も放映されるなど、子どもの頃に育んだ絆は、いまなお生き続けている。

 

 

外務大臣表彰や内閣府特命担当大臣表彰など数々の表彰を受けてきたAPCCの活動に注目し、同様の事業に取り組みたいという自治体や関係団体などからの問い合わせや視察も多い。
もっとも、今日まで類似した活動は実現していない。
このようにAPCCが、唯一無比の国際交流活動になっている【謎】について藤専務理事に尋ねると、次のような回答が返っていた。

藤専務理事

多くの場合、ホストファミリーの確保や円滑な運営などが、大きな壁になっているようです。
APCCの場合、アジア太平洋への関心と熱が高まっていた1980年代末に一気に誕生し、さらに『OMOIYARI』(おもいやり)を大切にするオープンな土地柄も相まって、その後も継続的に開催しています。
APCC自体は、草の根的な国際交流の活動であり、子どもたちにとって国際交流に関心を持つきっかけづくりに徹しています。

 

今後の福岡のまちづくりにAPCCの真価を生かす

いま、福岡市では、都市経営の根幹をなす新たな計画である『第10次福岡市総合計画』の策定に乗り出している。
総合計画の策定にあたっては、市民の声や要望をはじめ、有識者らの意見も織り込みながら、今後の〝まちづくり計画〟として産官学民で取り組んでいく
また、時を同じくして、2025年度からスタートする『第6次福岡市子ども総合計画』も今年度と来年度の2カ年を掛けて策定することになっている。

 

福岡市総合計画および福岡市子ども総合計画においても、福岡の産官学民で長年育んできた〝草の根〟国際交流であるAPCCを貴重な〝地域資源〟と考え、その真価を発揮するような施策や戦略が必要なのではないだろうか? 
今後のアジア太平洋こども会議・イン福岡(APCC)を取り巻く動向が大いに注目される。

 

 

参照サイト

APCC(NPO法人アジア太平洋こども会議・イン福岡)Webサイト
 https://www.apcc.gr.jp/

 

福岡アジア都市研究所『FUプラスNO4』福岡で地球市民を育む、アジア太平洋こども会議・イン福岡20年の歩み
https://urc.or.jp/wp-content/uploads/2014/03/fUvol4.pdf

 

子ども若者育成・子育て支援功労者表彰 内閣府特命担当大臣表彰 [子ども・若者育成支援部門特定非営利活動法人 アジア太平洋こども会議・イン福岡[福岡市推薦]
https://www8.cao.go.jp/youth/ikusei/katudou/h23/html/p-14.html

 

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編集者兼ライター
近藤 益弘
1966年、八女市生まれ。福大卒。地域経済誌『ふくおか経済』を経て、ビジネス情報誌『フォー・ネット』編集・発行のフォーネット社設立に参画。その後、ビジネス誌『東経ビジネス』、パブリック・アクセス誌『フォーラム福岡』の編集・制作に携わる。現在、『ふくおか人物図鑑』サイトを開設・運営する。

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