【経済・ビジネス短信@フクリパ】

世界初!下水から製造した水素を福岡市の水素ステーションで一般向けに販売

水素社会の実現に向けて、福岡市では水素エネルギー関連産業の振興を図っていく『水素リーダー都市プロジェクト』を推進しています。世界で初めて生活排水である下水から製造した水素を福岡市水素ステーションにおいて今秋から一般向けにも販売しています。

福岡市と民間5社の運営による「福岡市水素ステーション」

世界で初めて生活排水である下水の処理過程で発生するバイオガスから製造した水素を供給する「福岡市水素ステーション」。
「福岡市水素ステーション」は福岡市の中部水処理センターの一角にあり、そこで一般の燃料電池車向けにも水素を販売している。
国土交通省の下水道革新的技術実証事業として開設した福岡市水素ステーションは2022 年8 月、福岡市に移管した。

これを機に同月8 日、福岡市と西部ガス株式会社、株式会社正興電機製作所、豊田通商株式会社、西日本プラント工業株式会社、三菱化工機株式会社の民間企業5社は、水素ステーションの商用としての運営に向けて、『有限責任事業組合福岡市グリーン水素活用推進協議会』を設立した。
 
同月19 日、同協議会は九州大学と連携協定を締結している。
 
そして、翌9月26日から下水からつくった水素を一般の燃料電池車向けにも供給する商用ステーションとしての営業を始めている。
 
福岡市水素ステーションの概要は、次の通り。
 

福岡市水素ステーション概要

◎所在地/ 福岡市中央区荒津2丁目2-1(中部水処理センター内)
◎営業日/ 日曜日~水曜日
◎定休日/ 木曜日、金曜日、土曜日 
年末年始(12月29日~1月3日)、定期点検などの休業あり
◎営業時間/ 10時〜17時
◎販売価格/ 1,210円/㎏(消費税込)
◎支払方法/ クレジット払い(現金不可)、請求書払い(要事前申込)
 

世界初となる、下水からの水素製造を産学官で共同研究


図表提供:福岡市

下水汚泥は、家畜の糞尿などと同様に発酵することによって、メタンガスと炭酸ガスを主成分とするバイオガスが生じる。
発生したバイオガスのうち、メタンガスを精製することによって、水素を製造することができるのだ。
 
このようなバイオガスの存在に注目して、下水処理場を〝都市型バイオマス集積所〟とみなした水素製造の取り組みは、国土交通省の2014年度『下水道革新的技術実証事業(通称:B-DASH)』として採択された。
 
福岡市の中部水処理センターでの下水処理過程において発生するバイオガスからつくった世界初の水素を燃料電池自動車に供給する水素ステーションを国土交通省が建設した。
2014年度と2015年度の2カ年だったB-DASHプロジェクトにおいて、福岡市、九州大学、三菱化工機、豊田通商の産学官は、2015年3月から共同研究として水素ステーションの運営を手掛けた。
 
2016年度以降の6年間は自主研究として、設備の耐久性評価や維持管理費の低減などに取り組む。
この間、2018年2月に一般財団法人新エネルギー財団から新エネルギー財団会長賞(導入活動部門)を受賞した。
 
 

参照サイト

福岡市水素リーダー都市プロジェクト ~下水バイオガスから作った水素を地産地消!~
 https://www.city.fukuoka.lg.jp/keizai/kagakugijutsu/business/suisoleader.html

市民の生活排水から水素を製造する地産地消型水素ステーションをリニューアルします
https://www.city.fukuoka.lg.jp/data/open/cnt/3/53617/1/toujitsu.pdf?20221027115322

“福岡市水素リーダー都市プロジェクト~下水バイオガス原料による水素創エネ技術の導入~”が一般財団法人新エネルギー財団の新エネルギー財団会長賞(導入活動部門)を受賞
https://www.kakoki.co.jp/news/pdf/p180209.pdf

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編集者兼ライター
近藤 益弘
1966年、八女市生まれ。福大卒。地域経済誌『ふくおか経済』を経て、ビジネス情報誌『フォー・ネット』編集・発行のフォーネット社設立に参画。その後、ビジネス誌『東経ビジネス』、パブリック・アクセス誌『フォーラム福岡』の編集・制作に携わる。現在、『ふくおか人物図鑑』サイトを開設・運営する。

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