【ランキングで知る福岡の実力】

福岡市の〝住みやすさ〟が、『日本の都市特性評価』の「生活・居住」分野でトップに!

森記念財団都市戦略研究所『日本の都市特性評価』において福岡市は「生活・居住」分野で第1位、各分野の合計スコアで第3位でした。日経BP 総合研究所『シティブランド・ランキング』の都道府県庁所在都市ランキングで首位、『全国住みたい街ランキング』で第5位でした。今回、福岡市の都市力をみてみます。

【『日本の都市特性評価(JPC:Japan Power Cities)』(都市総合力ランキング)とは】
各都道府県の主要都市について、定量データや定性データをもとに総合的に分析して都市特性を明らかにしていくことを目的とする。政令指定都市、都道府県庁所在地、人口17万人以上の国内138都市と東京23区が調査対象だ。評価手法として『経済・ビジネス』『研究・開発』『文化・交流』『生活・居住』『環境』『交通・アクセス』の6分野・86指標で数値化していくことで各都市の特性を評価している。

●福岡市の住みやすさ、『日本の都市特性評価2021』で、総合3位を獲得

不動産開発大手・森ビル株式会社の関連である、森記念財団都市戦略研究所(竹中平蔵所長)が発表した『日本の都市特性評価2021』によると、福岡市は同評価の「生活・居住」分野において第1位を獲得した。前年調査で同分野6位だった福岡市は今回、生活利便施設で高評価を得て、さらに生活余裕度や市民生活・福祉の評価も高かった。

◎『日本の都市特性評価2021』(138都市)分野別スコア「生活・居住」

(出典:森記念財団都市戦略研究所『日本の都市特性評価2021』)

生活利便施設の評価では、小売事業所密度や飲食店舗密度、コンビニ密度を指標とする。コンパクトな都市である福岡市の利便性が、高く評価された結果といえる。

一方、可処分所得の高さや物価水準の低さ、住宅コストの低さを指標とする「生活余裕度」では従来、福岡市の強みといわれていた物価や家賃の安さを証明したカタチだ。

また、「市民生活・福祉」では、外国人住民の受入体制や要支援・要介護高齢者の少なさ、日常生活自立支援事業利用者数、電子自治体推進度を指標としており、行政サービス面でも充実していることがわかった。

『日本の都市特性評価 2021』では、これらも含めた6分野・86指標を合計したスコアにおいて福岡市は、第1位の大阪市、第2位の京都市に次いで、第3位だった。

◎『日本の都市特性評価2021』(138都市)合計スコア

(出典:森記念財団都市戦略研究所『日本の都市特性評価2021』)

合計スコアで前年と同じく第3位だった福岡市について、『日本の都市特性評価 2021』は、「経済・ビジネスにおける『ビジネス環境』や交通・アクセスの『都市外アクセス』は昨年に引き続き強みを有しつつ、今年はイベントホール座席数などの指標による文化・交流の『受入環境』のスコアが上昇した」と解説している。

その上で今後についても「福岡市は、バランス型都市として成長が続いており、今後さらにその存在感を高めていくことが見込まれる」との見通しを示す。

「住みやすい都市」「まちがコンパクトで便利」「物価が安くて暮らしやすい」と評されることの多い福岡市の〝住み心地〟や〝暮らしやすさ〟について、データ的な裏付けとなった評価といえる。

都市の競争力や経済学的分析に詳しい立命館アジア太平洋大学の久保隆行教授は、次のような見解を述べる。

久保教授

目の前に海が広がり、三方を山に囲まれた福岡市は、都市として拡大できない地勢にありました。結果的に、コンパクトで人口密度も高い都市になったという点も福岡市の強みになっています。
日本の地方中枢都市として〝横綱級〟である福岡市は今後、世界有数の地方中枢都市へのポジションを目指すべきだと考えます。「天神ビックバン」に代表される都心再開発が動き出し、今後スタートアップ施策も花開くと、福岡市はシアトルやバルセロナ、ミュンヘン、バンクーバー、メルボルンなどの世界的な地方中枢都市へのキャッチアップも可能です。
コロナ禍でテレワークが普及していく中、今後予想されるテレワーク移住に対しても優位性を発揮して、優秀な高度人材を福岡都市圏として呼び込んでいく取り組みが重要だと考えます。

●福岡市は「暮らす人」からの評価で首位、「来た人」「働く人」からも高評価

『日本の都市特性評価』では分野別評価に加え、「人」の視点でも都市の特性を評価している。「人」の視点としてシングル(独身者)、ファミリー(家族層)、シニア(高齢者)、観光客、経営者、従業者の6種類に分けて、それぞれのスコアを算出した。 

つまり、「暮らす人」(シングル・ファミリー・シニア)、「来た人」(観光客)、「働く人」(経営者・従業者)の視点でも各都市の特性を評価しているのだ。

福岡市は、シングル、ファミリー、シニアの各層で第1位を獲得しており、全世代の「暮らす人」たちから〝暮らしやすさ〟での高い評価を得ている。その一方で、経営者からの評価としての福岡市は、第1位大阪市、第2位名古屋市に続く第3位であり、従業者でも同じく第3位だった。「働く人」たちからは東京・大阪・名古屋の三大都市圏に次ぐ評価となっている。

また、象徴的な旧所・名跡に乏しい福岡市だが、観光客からの評価は第1位京都市、第2位大阪市、第3位横浜市に次ぐ第4位だった。定評ある〝食〟に加えて、都市型エンターテインメントや各地への交通アクセスの良さも「来た人」に評価されたものと考えられる。
 

●『全国住みたい街ランキング2021』では、福岡市は前年より一つ後退して5位

地域応援サイト『生活ガイド.com』(運営:株式会社ウェイブダッシュ)が発表した『全国住みたい街ランキング2021』によると、福岡市は、第1位横浜市、第2位札幌市、第3位東京都港区、第4位同世田谷区に次ぐ第5位だった。

◎全国住みたい街ランキング2021

『全国住みたい街ランキング2021』では、同サイトの会員2万3,119人に対して2020年4月1日~2021年4月15日に「住みたい街」として選んだ市区町村を集計した。前年よりも一つ順位を下げた福岡市について、同サイトでは、「都会の利便性はそのままに、自然とのバランスも良い福岡市は、住環境としても人を引き付ける魅力がある街」と紹介する。

『全国住みたい街ランキング2021』において福岡市は、『日本の都市特性評価 2021』で上位だった京都市、大阪市を上回っている。しかし、同ランキングでの政令指定都市としての順位は、横浜市、札幌市に次いでの三番手だった。

 

●『シティブランド・ランキング』都道府県庁所在都市でも、福岡市がトップに

日経BP 総合研究所が運営するWebサイト『新・公民連携最前線』において、働く世代のビジネスパーソン2万4,553人を対象にした『シティブランド・ランキング―住みよい街2021―』における道府県庁所在地ランキングでの第1位は、福岡市だった。

◎シティブランド・ランキング―住みよい街2021―都道府県庁所在地別ランキング

(出典:日経BP 総合研究所「新・公民連携最前線」2021年9月2日掲載)

同ランキングは、20代以上のビジネスパーソンが自分の住む自治体の「住みよさ」を8分野・39項目で評価したものだ。福岡市への評価対象8分野のうち、「街の活力」の評価が極めて高かった。また、「自治体の運営」「生活の利便性」「生活インフラ」「医療・介護」も高評価を得た。
 

●福岡市は今後、何を目指していくべきだろうか!?

日本人は、無類のランキング好きだ。人気の企業や職業、大学、さらに芸能人まで、いろいろな「〇〇ランキング」があふれている。ランキング調査では、同じ対象であっても調査母体や調査方法などが異なれば、調査結果も異なってくる。

『日本の都市特性評価 2021』は、各指標を基にした専門家による分析・評価だ。一方、『全国住みたい街ランキング2021』は、一般市民による人気投票的な観もある。『シティブランド・ランキング』では、住民自らが地元自治体を評価している。

評価方法や評価者が異なりながらも、各調査において常に上位にランクインする福岡市の〝都市力〟は評価に値する

「快適な暮らしやすさ」での高評価をはじめ、「交通アクセスや生活インフラなどの利便性」に優れ、経済・ビジネスでも独自の強みを発揮する福岡市は今後、国内外の他都市との研鑽を通じて、ヒトやビジネス、カネなどを域外から呼び込んでいくことで更なるステップアップを目指していくべきだ。筆者はそう考える。
 
【参照サイト】
森記念財団 都市戦略研究所「日本の都市特性評価 2021」
生活ガイド.com 『全国住みたい街ランキング2021』
日経BP 総合研究所「シティブランド・ランキング―住みよい街2021―」都道府県庁所在地ランキング

 
 
 

   
 

 

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編集者兼ライター
近藤 益弘
1966年、八女市生まれ。福大卒。地域経済誌『ふくおか経済』を経て、ビジネス情報誌『フォー・ネット』編集・発行のフォーネット社設立に参画。その後、ビジネス誌『東経ビジネス』、パブリック・アクセス誌『フォーラム福岡』の編集・制作に携わる。現在、『ふくおか人物図鑑』サイトを開設・運営する。

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