東京から移住した元放送作家が語る「フクオカ」の魅力と、●●と。③

きむ兄が考える「フリーランスが食いっぱぐれないためのツイッター運用術」

福岡は住みやすい!街への自負の強い福岡市民のそんな魅力を、実際に移住してきた元放送作家・きむ兄がひもといてくれる人気連載!今月は、東京で15年、フリーランスの放送作家をしてきたきむ兄が「フリーランスが食いっぱぐれないためのツイッター運用術」について紹介してくれます。

▶︎ 食いっぱぐれないためにSNSが必要なわけ

そもそも、フリーランスはSNSを活用する必要があるのか?そんな問いに対して、僕は「別に必要性を感じなければ、活用しなくてもよいのでは」と答えます。実際、放送作家をしていたときは必要以上に発信をしていませんでした。

でも、今はツイッターやフェイスブックなどでSNSを積極的に活用しています。リアルで知り合った方々とツイッターでつながることで、次に会うときの話題作りにもなるし、なにより自分の性格やキャラを知ってもらえます。僕は人と会う機会が多いので、対面しないときのコミュニケーションツールとしてSNSは大きな役割を果たしています。

コミュニケーションスキルは食いっぱぐれないスキルに直結するので、僕はわざわざ時間を取ってツイッターやフェイスブックにリプやコメントをしています。それほどコミュニケーションを大切にしているんです。

フリーランスや起業家にとって、自分の仕事実績や会社事業を知ってもらうための発信は、PR戦略のひとつとして、とても大切なことです。僕自身、東京都のスタートアップのアクセラレータプログラムでメディアメンターを務めていて、数多くのスタートアップ起業家にPR戦略のアドバイスをしてきました。
 
そのアドバイスはフリーランスの方々にも通ずるのではと思い、2021年夏には「フリーランスが食いぱっぐれないコツ」的な勉強会も開いて、50人近くの方に受講していただきました。
 
今回は、きむ兄が考える「フリーランスが食いっぱぐれないためのSNS活用術・ツイッター編」と題して、フォロワー数が少なくてもツイッターを楽しく続けられるコツをお伝えします。
 
 
 

▶▶︎ きむ兄のツイッター歴は12年

 
僕は2009年9月からツイッターを利用しています。ずっと実名で鍵垢にもしたことはありません。これまでのツイート数は約1万2600ほど、一日平均で約2.6回のツイートをしている計算になります。
 
ツイッターをフォローしているのは「会ったことある人」「会ってみたい人」「ツイッターを始めた当初からフォローしている人」「物事の本質を突くツイートをしている人」などです。
 
ツイッターには相互フォローという考え方もありますが、僕は違います。なので、フォローしていただいた数日後にフォローを外されることもありますが、そこは考え方の違いなのでご容赦ください。
 
今でこそ、自分なりの「型」というか、決まった投稿の仕方がありますが、始めた当初は「とにかくつぶやいてみようか」的な投稿ばかりです。ちなみに最初の投稿はこちらです。

ツイッターを始めた日は雨が降っていたんですねw

過去の投稿を振り返ると、12年もの間、毎日コツコツと投稿していたわけではありませんでした。どちらかというと、著名な人の投稿を見たり、ニュースサイトのアカウントをフォローしたりして、情報収集のために使っていました。
 
 
 

▶▶▶︎ 気を付けていること:「人間臭さ」があふれるツイートを心がける

 
本格的に運用をしようと思ったキッカケのひとつは、自分自身がスタートアップの起業家に「SNSを使いましょう」と言っているのに、自分が使っていなかったらダメじゃん、説得力ないじゃんと思ったからです。
 
しかも、ただ投稿するだけでなく、ツイッターのアナリティクスページを使って、投稿に対してどのくらいの「いいね」がついたのか、インプレッションやエンゲージメントのパーセンテージはどのくらいなのか、きちんと分析もするようにしました。
 
分析の末、僕なりに出たひとつの結論が「人間臭さあふれる感情むき出しの投稿は、反応率が高い」でした。
 
例えば、今回のテーマに近い内容で投稿したツイート。フリーランス向け勉強会を終えた後に書いたもので、かなり感情をむき出しにしております。


最後の「ねぇだろ」が感情むき出しですw

こちらは「僕にとって10月1日は特別な日です」と的な内容でつぶやいたものです。

130〜140文字で投稿するよう心がけています

感情とか思いを自分なりの視点でつぶやくと、それなりに反応をいただけます。
 
いろいろなマーケターの方が指摘していますが、ツイッターはその時に感じたことや気づいたことなど、リアルタイムに発信すると、たくさんの反応がもらえるSNSです。
 
ツイートする上で大切にしているのは「これ、本当にあなたの言葉ですか?」と思われないような言葉選びです。義務教育を受けた日本人なら言葉の読み書きができるので、日本語を書いてつぶやくこと自体は誰でもできます。
 
でも、人の心に響く日本語を書くとなると、話は別です。僕も毎日ツイッターを開いてたくさんのツイートを見ていますが、無意識レベルで心に響く・響かないを判別しています。心に響く・響かないの基準は人それぞれですが、みなさんも無意識レベルで判断していると思います。

人の心に響くツイートは、自分の心の中にある思いや思考に隠れています。
 
 
 

▶▶▶▶︎ それでも運用を戸惑っている人へ魔法の言葉:そもそも誰も、あなたのことを見てない

 
たまに受けるSNS運用の相談の中には「発信することが恥ずかしい」「炎上したらどうしようという声もあります。そんな方々に対し、僕はあるエピソードを話しています。
 
1993年、中学3年生だった僕は東京の代々木第1体育館で行われた福岡出身の超人気デュオ(同じ世代の方々はきっとおわかりになられるかと…答え合わせがしたい方はぜひ僕のTwitterにDMくださいwww)のコンサートに行きました。コンサートが始まった瞬間から会場のボルテージは最高潮。観客は曲に合わせて踊り、拳を振り上げていました。
 
しかし、僕は恥ずかしさもあって周りの目を気にしてしまい、いまいち会場のノリに合わせることができませんでした。今では考えられませんが、ちょっと内気な中学生だったので…笑
 
始まって20分ほど、数曲の演奏が終わり、迎えたMCタイム。「盛り上がっていくぞー!」的なかけ声の中で、デュオの1人が「乗り切れてないヤツらに言うぞー!周りを見てみろ。誰もお前のことなんて見てないから、全力で盛り上がれー!」的なことを言ったんです。僕はその言葉を聞いて「確かに!」とハッとしました。そこから残り120分ははち切れんばかりの声を出して、盛り上がったのは良き思い出です。
 
つまり何が言いたいかというと、「そもそも炎上をするほどのフォロワーもいないし、悪口や誹謗中傷さえしなければ炎上はしない」ということです。僕自身、ツイッターで炎上もケンカもしたことがありません。ツイッター民からみたら「お前、誰だよ?」なわけです。まずは「ツイッター始めました。雨降ってます」的なツイートから始めてみてはどうでしょうか。投稿していくうちに発信への抵抗感も薄れていくと思いますよ。
 
自分の感性や考えに近い人たちをフォローした後は、ツイッター上の交流が大切になってきます。例えば最近、ツイッターでこんなやり取りをしました。


もちろんこのやりとりを「フクリパ」で公開することは了承済みですw

この方は大分県佐伯市で地域おこし協力隊として活動していて、ツイッター上で知り合いました。僕が中洲の川のほとりでの様子をツイートしたところ、この方の実家の花屋さんが真後ろにあったという展開。リアルタイムでのやり取りの親和性が高いツイッターならではのコミュニケーションです。
 
 
 

▶▶▶▶▶︎ 一番大事な心得:ツイッターで集客は「目的と手段を」間違えない

 
「ツイッターで仕事を得たい。集客したい」という相談もきます。これは僕個人の考えですが、そんな魔法のような話はありません。
 
そもそも仕事とは「目の前の人の幸せを考え続けた結果、いただく」もので、人の幸せを考えられない人に仕事など巡ってくるわけがありません。
 
SNSで誰もが発信できる時代だからこそ、自分の魅力を最大限に活かして発信をして、相手のめいっぱいの幸せを想像しながら、自分にできるスキルを最大限提供する。実績があろうとなかろうと、少なくともフリーランスや起業家はこのマインドがないと仕事は得られないと思います。
 
日本人は欧米人と比べると自己表現が苦手な人が多いです。そもそも「表現する教育」を受けてないのでしょうがない部分はあります。
 
でも、せっかく誰もが発信できる時代になったのでSNSというツールを上手に活用して発信力・表現力を身につけていくと良いと思います。SNSを自己表現の鍛錬の場と捉えてみましょう。人間力の向上がフリーランスのスキルとして最も大切なのですから。

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移住系ライター
きむ兄(木村公洋)
2020年秋に東京から福岡に移住した元・放送作家。現在は中小・ベンチャー企業、フリーランスのPRに関するアドバイス・企画立案戦略をサポート。マスコミ業界に15年いた目線から福岡の魅力、東京との違いを発信します。東京で見なかったもの「高校の同窓会中止のお知らせが新聞の全面広告に載っていた」

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