パンオタクが選ぶ福岡パン

「ハード系」って何?素材と食感で紐解くパンの深み【福岡市南区】

福岡で10年以上パンブログを続け、2020年には城南区別府にパン喫茶をオープンさせた「pantiki」さん。毎日をリープアップしてくれる福岡のパンを、「ひとぱん入魂」の気持ちで1つずつご紹介いただくこちらの連載。98回目の今回は、福岡市南区のベイカーズ アンクマです。

そもそもハード系のパンとは、、、?

「ハード系のパンが好きなんです」と仰る方に、「では、〇〇(パン屋さんの名前)とかお好きなのでは?」と伺うと、「いや、そこまでハードで無くて良くてー、、、△△が好きですね」と答える方が多いです。

 

この△△(パン屋さんの名前、仮名)は、筆者にとっては「モチモチしたパンが多い」というイメージです。

 

ハード系のパン屋さん、というイメージは全く無く。

 

それは、その場に居た「パンオタク」さんたちも同意見でしたが、世の中のパンオタク人口なんて、0.0001%くらいか、もっと少ないか、ですよね(個人的肌感覚による試算)

 

つまりは、世の中の多くの方にとってのハード系のパンは、あのくらい(どのくらい?)なのだなぁ、、、と考えると同時に、そもそも、ハード系のパンとは?」ということを考え始めてしまいました。

 

製菓製パンの教科書的視点から言うと、(知人のパン屋さん談)ハード系とは、砂糖、油脂を使っていないパンのことを言うそうです。

 

リーン(材料がシンプル)なパンとも言えるとか。

 

つまりは、バゲットやカンパーニュ、リュスティックなど、、、

 

そう言われてみると、素材がシンプルな食パンで、トーストするとザクッとした噛み応えのものは「ハード食パン」と書いてあったけど、あれはゴリゴリ硬いわけではなかった。

 

勿論フワフワでもないですが。

 

つまりは「食感」もですが、「材料」的にもハード系だよ、という意味だったのですね。

 

恥ずかしながら、ずっと「食感的なモノ」にばかり注視して「ハード系か否か」を語っていたように思います。

 

そういうことを踏まえた上で、もう一度自身の嗜好を鑑みると、硬かろうと、柔らかであろうと、私はやはり、「素材的にはハード系」のパンが好き、なのだという答えに落ち着きます。

 

昔から、咀嚼することが好きです。

硬いパンを噛み締めるたびに滲み出る、小麦の甘さを堪能するあの感じ

 

流石にずっと硬いパンばかり食べていると、顎が疲れる齢になりましたので(切ない、、、)

 

フワフワ、蕩けるような生地のものも、好きになってきましたが、それらもやはり、リーンな素材のものを好んで選んでいる気がします。

 

そして、これはあくまでも個人的見解で、以前もこのコラムに書いたかもしれませんが。

 

ハード系という枠には入っている、リーンな材料だけれど「硬くない」パンは、モチモチしていて、イメージ的には「加水が多い」と言われるタイプのパンなのかな?と。

 

そして、加水が多い=水の比率が多いという意味で、なんとなく、生地から小麦の味を得難いなぁ、、、というのが「食べ専素人」の、筆者の感じるところです。

 

 

 

高加水パンの代表的なパン

そういう意味では避けているパンがあります。その名も「ロデヴ」。

 

高加水パンの代表的なパンとして、知名度も上がっていますね。

 

大きな気泡と、ぷるんぷるんのクラム(内生地)が印象的なパンです。

 

こちらの、ベイカーズ アンクマさんは、そのロデヴを、すごく素敵に使いこなされているなぁ、と思ったのです。

 

福岡市南区長丘の、ファミリー層のご利用が多そうなエリア。そんな場所にぴったりの、可愛らしい雰囲気のお店です。

 

 

 

故に、ふんわり可愛らしいパンたちが並んでいるのであろう、、、と伺ってみると。

 

 

いやはや、なんと、結構「茶色い」ラインナップとてもとても、好きな光景です。

 

所謂「映える感じ」の方向性ではなく、ホッコリと、ニッコリと、微笑みかけてくれているような、温かみのあるパンたちが並びます。

 

こういう雰囲気のお店でまず買いたくなるのが「自家製」のあんこと、カスタードを使ったもの。

 

甘さとか、カスタードの保形性とか。

 

そういうところで、自分との相性、というと大袈裟でしょうか、好きだなぁと感じる部分が見えてくる気がするのです。

 

 

 

あんぱんが食べたい時に食べたいのはこういうの

 

あんぱんは、使用されている「食パン生地」は、ヨーグルト酵母を使い、耳まで美味しく、毎日食べたくなる味わいと口溶けを、考え尽くして作られたこだわりの生地とか。

 

仰る通り、しっとりと柔らかく、でも菓子パン寄りでないこの生地感は、毎日食べたくなります、なります!

 

そして、その生地に包まれた自家製あん。

 

これがまぁ、お上手でいらっしゃること、、、

 

ホコホコほっくりした小豆は、きび糖使用でしつこくない甘味

 

こだわりの生地を、ポフっと口に含み口中でとろけていく時に、ホコホコのあんこも舌の上で転がり、馴染んで、生地と一緒に喉を降りていく、、、

 

わー、、、

あんぱん食べたい時に食べたいのはこういうのなのよ、と呟きたくなる。

そんなあんぱんです。

 

クリームパンもしかり。

 

 

同じく食パン生地に包まれた、ぷるんっとした保形性高めのカスタードは、シュークリームのカスタードではない、クリームパンのカスタードなのだ!と全身で主張してくれている、ザ・カスタードで。

 

たまご感しっかり感じながら、ぷるんぷるんを感じながら、あれ、でも生地と一緒にとけちゃったー、名残惜しい。みたいな。

 

これもまた、クリームパン食べたい時は、こういうのだよね、満足しちゃうね。のクリームパンなのです。

 

 

 

ハード系のパンも、抜かり無い

そして、昔ながらの定番を、今風なんだけど定番らしく作る、という技に長けてらっしゃるだけで無く、前述の「ロデヴ」生地を使ったパンハード系のパンも、抜かり無く作っていらっしゃるのです。

 

それがこちら、ロデヴ生地の胡桃あんぱん

 

 

なんと、こちらのロデヴ生地は雑穀と麦茶入りとか、、、

 

そのお気持ち(意図)、すごくよくわかる〜

 

素人にわかるなんて言われたら、お嫌かもですが(すみません)

ロデヴ、という超高加水のパンに関して、先ほども申しましたように、超高加水=めっちゃ水含んでる

故に起こる、小麦の風味薄まってしまわないか心配説

 

故に、故に、筆者的には、ロデヴは小麦の「味」には期待せず、「香りと食感を楽しむ」存在のパンなのです。

 

そのロデヴに、なんと、麦茶を入れちゃうという、、、麦茶、、、

 

そう、麦です!

 

水で薄まったところに麦を足すわけです。

 

麦の香り増し増し〜!

 

そこに、胡桃の風味と香ばしさが加わって、味わいにも奥行きが出ています。

 

そして、あんパンでも実感していた、このお上手な炊き加減のあんこ、、、

ホクホクとして、甘さも絶妙で、、、

 

もっちり生地で食べるあんパンも良いなぁ、、、と。

 

そして、オタク故にやはり、焼いて」食べてもみたい欲。

 

半分はトーストしてから食べてみました。

 

 

さすれば!

 

クラストはカリッカリと軽やかに弾け、クラムはしっとり、もっちり感をキープという、、、

 

ロデヴ単体で(スライスで)焼き戻すと、沢山の水分蒸発しちゃって、カピカピになりがちなので(すみません、もっと焼き戻し頑張ります)

 

こういう状態の生地ならば、焼き戻しても美味しく食べられるのだなぁという、新たな発見にもなりました。

 

そしてこちらも、ハード系から「バゲットコンプレ」。

 

 

もっちり、レアレア、しっとり、プルプルオノマトペ使用しまくりで表現しますよ!の素晴らしいクラム(内層)

 

断面からは、小麦の香りがブワワワ〜ン♪

 

バゲットは、筆者は基本的に、焼き戻してから頂きますが、今回は、この手触りは、これは、、、

 

生食したい!本能的に、噛みついておりました(野生)。

 

 

リュスティック寄りのクラストは、引きがあって、小麦由来のお醤油的甘味と少ーしだけ酸味(それもお醤油でたまに感じる、あのくらいの酸味←あのくらいとは)

 

様々な旨みが折り重なっているような、立体感のある味わいのバゲット

 

塩味も程よくあるので、白系無塩バターをたっぷりのせて食べる、、、

 

(※生食のバゲットに塗るバターは、バターが溶けないので、噛み締めることでバターの味がすごく感じられます。美味しいバターがある時にはぜひ!とてもおすすめです。)

 

口の中でバターと生地が蕩けて混ざり合う感じがたまりません。

 

これを微温めのワインで流し込むのを、至福というのだろう、、、なんて、遠い目になって感じ入ってしまったり。

 

ぜひ一度、このリーンな生地のパンを、味わっていただきたいです。

 

ロデヴ未体験の方も、敬遠されてる方も、いらっしゃいましたら、ぜひ一度、その扉を、開いてみてください♪

 

 

 

店舗情報

ベイカーズ アンクマ

住所:〒815-0075 福岡県福岡市南区長丘5丁目24−20 長丘ハイツ 1F

営業時間:9:30〜16:30

定休日:水、木曜日

駐車場:あり

Instagram:@bakers_ankuma

 

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パンブロガー
pantiki
福岡在住。色々なパンを食べ歩き、「ひとパン入魂」を心に紹介するパンブログを10年以上運営。2020年には福岡市城南区別府に、ブログを三次元化させたパン喫茶「kissaten ぱんフレット。」をオープン。オリジナルのメニューの提供のほか、ロスになる前のパンにアレンジを加え、ストーリーと一緒に味わってもらう「パンのバトン活動」を続けている。

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