喫茶 バンビーノ

創業は昭和58年。筥崎宮そばに佇む老舗喫茶店「喫茶バンビーノ」【福岡市東区】

いつの時代でも「カフェ」という存在は人々をトリコにします。近年のSNS人気も相まって、おしゃれなカフェ巡りを楽しむ女性も多い中、脚光を浴びているのが「昭和レトロな喫茶店」や「ネオ喫茶」と呼ばれるお店。中年以上の方はノスタルジックを感じ、若者にとってはおしゃれなカフェにないレトロ感が斬新だと感じるんだそうです。この記事では福岡にあるそんな「昭和レトロを感じられる喫茶店」や「ネオ喫茶」をご紹介していきたいと思います。

放生会で有名な神社「筥崎宮」のそばにひっそりと佇んでいる

 

今回ご紹介する「喫茶バンビーノ」の場所は福岡市東区箱崎。

博多の三大祭り「放生会」が開催されることでも有名な神社「筥崎宮」のそばです。

筥崎宮の「一の鳥居」を正面に左に進むと「筥崎宮横交差点」があり、その傍にひっそりと佇んでいます。

最寄駅の福岡市地下鉄「箱崎宮前駅」からは徒歩4分ほどです。

 

 

キーコーヒーの電飾看板が目印なのですが、看板には店名が記載されていないんです!

一見すると「名前のない謎の喫茶店」のように見えますね・・・

 

 

こちらがお店の外観。ビビッドなターコイズブルーに彩られたドアや窓枠が印象的ですね。

 

 

年季の入ったオーニングには店名の「Bambino」という文字が微かに残っていました。

さて、ターコイズブルーのドアを開け、いざ入店します!

 

昭和時代から時が止まったかのような、手作り感のある店内空間

 

ボックスタイプのソファー席で構成された店内。重厚なソファーからは長年の歴史を感じさせてくれます。

 

 

歴史の重みを感じさせてくれるカウンター席は、おもに常連さんたちの特等席になっています。

 

 

カウンター席の椅子の座面には、現代ではあまり見かけない浮き彫り加工が施されています。塗装が剥がれた背もたれも、実に良い味わいを醸し出しています。

 

 

カウンターに座って天井を見上げると、クラシカルな形状のライトが散見されます。

このような個性的なデザインも昭和時代ならでは。

 

 

色褪せた壁面にはヨーロッパ調の絵画やオブジェが至るところに飾られています。

 

 

喫茶店だけに、もちろん新聞や雑誌コーナーも完備されています。

 

 

カウンター裏のカップボードには、クラシカルなデザインのカップ&ソーサーが並んでいました。

 

「喫茶バンビーノ」の歴史

喫茶バンビーノの店主は佐々木昌代さんは地元・箱崎のご出身。

 

元々ご実家が現在の土地を所有されており、30代半ばに「ここで喫茶店をやろう」と思い立ち、6歳下の妹・扶美代さんと姉妹2人で1983年(昭和58年)に「喫茶バンビーノ」を開業されました。

 

開業当初は筥崎宮への参拝客を中心にたくさんのお客さんで賑わっていたそうです。

 

開業から22年が過ぎた頃、妹の扶美代さんが他界。以来、昌代さんお1人でお店を切り盛りされていらっしゃるそうです。

 

何かと著名人とのゆかりがある喫茶バンビーノ

店主の佐々木さんとお話をする中で興味深かったのが、何かと著名人とのゆかりがあること。

 

代表的なのが、博多を代表するブリティッシュロックグループ「チューリップ」のリーダーで、日本を代表するシンガーソングライターでもある財津和夫さんはなんと小学校時代からの同級生なんだそうです。

 

財津和夫さんと店主の佐々木昌代さん。テレビの収録の合間に撮影していただいた一枚。

 

さらに取材時にたまたま横に居合わせた方は、日本テレビ系列の番組「沸騰ワード10」の「名字頂上決戦シリーズ」など数多くのメディアにも出演されている”日本一のはんこ屋”こと「はんのひでしま」店主の秀島徹さんでした!

 

常連客でもある”日本一のはんこ屋”こと「はんのひでしま」店主の秀島徹さん。

 

秀島徹さんが営む「はんのひでしま」は喫茶バンビーノから200mの場所にあり、喫茶バンビーノには常連客のひとりとして頻繁に来店されているそうです。

 

ちなみに、財津和夫さんも秀島徹さんも、店主の佐々木さんとは香椎高校時代の同級生なんだそうで、秀島さんご自身は武田鉄矢さんともお知り合いなんだとか。

 

福岡と言えば「芸能人を数多く輩出してきた街」として全国的にも有名ですが、秀島さん曰く、現在のような大都市になる前の福岡は友人・知人の交流が今よりも活発だったそう。

 

そんな同年代の福岡人が初対面のときに必ず確認するのが、”福岡のティーンエイジャーあるある”として有名な「お前、どこ中や?」と確認する文化。

 

「◯◯中」と答えると「じゃあ◯◯って奴、知っとーや?俺、友達ぜ」といった感じで、どんどん知り合いの輪が広がっていったんだそうです。

 

しかし「お前、どこ中や?」文化が50年以上前からあったとは驚きでした!(笑)

 

古き良き時代の喫茶店らしいメニュー構成

 

それではメニューをチェックしていきましょう。

ドリンクはコーヒーメニューをメインに、クリームソーダやコーヒーフロートといった昔懐かしい名前が並びます。

 

 

そのほか、カレーライス・スパゲッティ・ピラフ・トーストといった軽食から、ホットケーキやコーヒーゼリー・クリームあんみつなど、古き良き時代の喫茶店らしいラインナップになっています。

 

 

壁面の張り紙を見てみるとランチメニューを発見しました!

ビーフカレー・ハッシュドビーフ・エビピラフ・タカナピラフが各700円、ナポリタンは800円。プラス200円でアフターコーヒーも付けられます。

 

 

今回はランチメニューの中から「エビピラフ」をオーダーしてみました。

ピラフと言えば、昭和の喫茶店の代表的なメニュー。筆者も幼少期、親に喫茶店に連れて行ってもらっていた時には必ずオーダーしていたという思い出のメニューでもあります。

 

 

焦げ目がつくほど入念に炒められた具材と、味がしっかり染み込んだライスが絡んだピラフはまさに懐かしの昭和の味!別添えのお漬物で味変しながら食べるのもおすすめです。

 

 

コーヒーは昔ながらのサイフォン式で抽出。カウンター席に座って抽出作業を見るのも楽しいんです。

 

 

こちらがアフターコーヒー。サイフォン抽出なので、まろやかな口当たりとすっきりとした味わいが楽しめますよ。

 

 

最後に、お車で来店される方にプチ情報。


お店の裏手には隣接する「銘菓堂」(昌代さんの弟さんが経営されているそうです)と喫茶バンビーノの共同駐車場があり、通常は1時間100円ですが、お店を利用すると無料になりますよ。

 

 

筥崎宮のそばに誕生して今年で42年。筥崎宮への参拝を兼ねて、ぜひ行かれてみてはいかがでしょうか。

 

 

喫茶バンビーノ

住所:福岡市東区箱崎1-43-17

TEL:092-631-0655

営業時間:12:00~18:00

定休日:日曜日・祝祭日

喫煙:NG

 

 

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ライター
久原茂保
2001年より福岡発のカフェ情報サイト「CAFE@TRIBE(カフェ・トライブ)」を開設。以来、20年以上に渡り福岡県を中心に数多くのカフェを訪れ、日々取材活動に励んでいる。近年はカフェアドバイザー業やカフェのリブランディング、カフェプロモーションなどカフェ業界の知見とネットワークを活かしたオンリーワンな事業を展開中。グラフィックデザインやWEBデザイン、広告コンサルも。

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