1バス停単位で福岡を切り取る「バス停から愛」

実はそんな名前の公園はない。「流通センター公園前」【福岡市東区】

一見なんてことないバス停とそのまわりも、視点を変えれば観光資源。そんな思いで福岡のバス停を取り上げ、ご紹介する本企画。連載93回目は、福岡市東区にある「流通センター公園前(りゅうつうせんたーこうえんまえ)」バス停をご紹介します。

今回の主役は「流通センター公園前」バス停

 

今回は、福岡市東区の「流通センター公園前」に参りました。

 

前回まで2回にわたり「物流センター前」「物流センター入口」を紹介しましたが、これまた大きく離れた場所にあります。

 

 

まず郊外方面のバス停の時刻表を見ると、土井方面に、いくつかの系統が走っています。「73」の土井営業所ゆきは、土曜日の夕方1本だけなので稀少です。利用される想定がないために本数が少ないのですから、本当に価値があるのは「1時間に何本も走っていて、多くの人が利用する系統」なのでしょう。ですが、マニアは乗車難易度が高いものを珍重する傾向が強いです(言い切った!)

 

 

そんな「73」なのですが、系統そのものが1週間に1本しかない、というわけではないのです。殆どが流通センター公園前で終点となるため、その先に向かう時刻表には掲載されないだけで。

 

 

都心向けバス停に移動してみると、

 

 

平日は8本、土日祝日は6本の博多駅ゆきがあります。

 

 

 

隠された(の)から読み解く本当の意味

 

流通センター公園前バス停は、文字通り流通センターの中心部にあって、

 

 

都心方面バス停の後ろに公園があります。しかしこちらの公園の名前は「流通センター公園」ではなく、「多の津公園」です。

 

つまり、「流通センター公園前」は構造として、「流通センター公園(の)前」ではなく、「流通センター(の)公園(の)前」ということになります。本当にどうでもいい話ですが。

 

この名称構造が許されるならば、福岡県内にあるすべての大学は、その名前にかかわらず、西南大学も九州産業大学も北九州大学も久留米大学も福岡県立大学も、「福岡 (の)大学(の)前」ということで、「福岡大学前」を名乗れることになりますね (なりません)。

 

 

バス停の撮影をしていると、偏った妄想にまま陥りますが、バスが来ると正気に戻ります。いやバスを追いかけている時点で狂気なのかもしれない、という自覚も携えつつ。

 

 

 

バスが向かって行く先をたどってみると・・・

 

流通センター公園前終点で、数人の客を降ろした「73」、あたりに方向転換をする場所は見当たりません。このまま進むと、バス停4つほど先、所要時間としては5分くらいのところに土井営業所があるため、そこまで回送するのかな?

と思いきや、

 

 

すぐ右車線に寄って、バスの営業路線ではない道へ曲がっていきます。あー乗りたい(笑)。

 

 

そして僅か2、3分しか経たないうちに、バスは折り返してきて、

 

博多駅の「73」となって、また都心へ向けて出発です。

 

 

車庫ではないところで折り返すバス、営業路線ではない区間を走る回送、夢があります

 

その夢を壊さぬよう、今回あえて「どこで方向転換しているのか」は載せません。気になる方は、現地でお確かめください。いや、現地へ行っても確かめるのは難易度が非常に高いのですが。

 

 

タイミングがよければ、先ほど掲載した、この流通センター公園前ゆきが左折する交差点に向かって、

 

 

反対側からも回送バスが来ることもあります。バスの営業路線網を追いかけるだけでもキリがないのに、回送路を気にしだすと、趣味として本当に沼が深いです。しかしその分だけ、得られるものもまた大きいような気もします(言い切れない)。

 

興味のあるかただけ、どうぞ。

 

 

 

基本情報

バス停名:流通センター公園前(りゅうつうせんたーこうえんまえ)

・住所:〒813-0034 福岡県福岡市東区多の津1丁目14 [map]

・天神からの行き方例:

「アクロス福岡・水鏡天満宮前(呉服町方面)」から、78番 みどりが丘団地入口ゆきに乗車。約29分、390円。

 

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バス路線探検家
沖浜貴彦
1972年生まれ・福岡在住。路線図に描かれた終点を想い、途中の狭い区間を苦心して走るバスに愛を注ぐ変態。ブログ「ほぼ西鉄バスの旅」を2008年に開設、日々愛を持ってバスを追いかけ続ける。毎月第二金曜・第四土曜日はバス趣味の現況を共有するサロン「バス路線探検家の会」を運営。

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