店主プロフィール

久島 剛さん / KUJIMA店主。編集の仕事をしていた頃、沖縄での取材をきっかけに器の世界に惹かれ、陶芸教室に数年通って作り手の感覚を学ぶ。2016年に白金エリアで開業し、今年で10年目を迎える。普段使いしやすく、飽きのこない器を全国の作家から直接セレクトしている。
編集の仕事から器の世界へ、10年の歩み
―白金エリアで今年10年を迎えられるとのこと、おめでとうございます。久島さんはなぜ器のお店を始められたのでしょうか?

久島:以前からいつかは自分でお店をやりたいという思いがありました。編集の仕事をしていたので、ものを選んだりするのは好きだったんですが、文章を書くよりも実物を手に取って、人に伝えることの方が好きだなと思って。それで、いつか自分が好きなものを誰かに届けられたらいいなと考えていました。
そんな時に、取材で沖縄に行く機会があって。取材では作家さんの窯元の工房に入らせてもらえるので、ろくろを回しながら器を作る様子を間近で見せてもらったんです。作家さんとおはなしをしているうちに、「この現場で聞いたはなしをお客さんに伝えられたら面白そうだな」と思いました。

もともと私は食べることもお酒を飲むことも大好きで、そのどちらにも器って欠かせないなと思って。自分で器のお店をやろうと決めました。
ただ作り手の感覚を知りたかったので、まずは陶芸教室に通って勉強することにしたんです。お店を始めてからは時間がなく、次第に通えなくなってしまいましたが、数年間通いました。一時期は作家になる道も面白そうだなと思ったこともありましたが、同じものをずっと作り続けるよりも、いろんな作家さんに会ってはなしを聞いて、器をセレクトする方が自分には合っているなって。
陶芸教室で学んだことは今にすごく活きていますね。器の基本的なことはもちろん、陶土のことなどを勉強できたので、作家さんの苦労もわかるようになりました。器を見る目が変わったというか、お客さんにもより深くお伝えできるようになったと思います。
普段使いできて、飽きのこない器を
―現在お店でお取り扱いされている器のセレクトやコンセプトを教えてください。

久島:器のセレクト基準はオープン時からずっと変わらず、“普段使いできる器”であることを一番大切にしています。良い器でも戸棚にしまったままになってしまうことってありますよね。でも、せっかくなら日常的に使ってほしい。だから、使いやすくて毎日使っても飽きない器を選ぶようにしています。
―全国の作家さんの器を扱われていますが、どのようにして出会うのでしょうか?
久島:作家さんにはなるべく直接会いに行くようにしています。クラフトフェアなどに出かけて、事前に目星をつけた作家さんに声をかけて。実際に会っておはなしを聞いて、共感できたらお取り扱いをお願いする、という流れですね。お客さんには作家さんとはなして感じたことも伝えたいので、可能な限り直接会うことを大切にしています。

―お店には若手の作家さんの器が多いと伺いました。
久島:中川夕花里さんや小川綾さんなど、若手の作家さんの器のお取り扱いも多いですね。以前は30代、40代の作家さんを中心に考えていたんですが、今は年齢にこだわらず、20代から上の世代まで幅広く扱っています。九谷焼の赤池陶房さんとはオープン以来のお付き合いです。「今の人に使ってもらえる器」を大切にしているので、若いお客さんが器に興味を持ってくれるのはとても嬉しいことですね。
―最近はこのエリアもインバウンドの方をよく見かけるようになりました。「KUJIMA」に訪れるお客さんも海外の方が増えていますか?
久島:すごく増えていますね。多いときは半分以上が海外からのお客さんで、特に韓国、台湾、香港の方が多いですね。欧米や中国からも来られます。
Googleで調べて来る方が多いようですが、日本人の方以外にも韓国人の方がレビューを書いてくださっていたようで、口コミで広がっているみたいです。韓国や中国のサイトでもお店が紹介されているとお客様から教えてもらったこともありました。若いお客さんも増えているので、国籍や世代を問わずいろんな方に器を楽しんでもらえているのはありがたいことですね。
天神から一駅、静かで個人店が多い白金エリアの魅力
―久島さんは白金エリアにはどのような魅力を感じていますか?

久島:最初は箱崎で事務所兼お店を開こうと思っていたんですが、当時はまだあまり人がいなくて。今でこそ再開発で少し盛り上がっていますが、当時はまだまだお店も少なかったんです。それで色々考えた結果、天神から一駅で、かつすごく静かな白金エリアに決めました。
今は周囲にマンションが増えて、街の雰囲気も少し変わりましたけど、やっぱり駅から近くて路地を1本入ると静かなところが魅力ですね。
―薬院・白金エリアで久島さんがよく行くお店を教えてください!
久島:お肉をしっかり食べたい時は「ビフテキ屋 うえすたん」というステーキ屋さんへよく行きますね。昔からあるお店で、ランチで200グラムくらいのステーキを頼んでワインと一緒に楽しんでいます。手頃な価格で美味しいので、お昼からちょっと一杯飲みたい時にもおすすめです。

居酒屋なら「かんすけ」が一番好きですね。福岡ってマグロのイメージがあまりないと思うんですけど、ここのマグロの4種盛りはとても美味しいんです。あと季節限定で、有明海で獲れるマジャクという甲殻類の天ぷらが絶品で。作家さんが来た時は、よくこちらにお連れします。
焼き鳥の「やきとり 弥七」、「カレーキノシタ」、「餃子 李(リ)」もおすすめです。まだまだ良いお店はたくさんありますが、このエリアは本当に美味しいお店が多いんですよ。
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これからも変わらず、いい器を届けていきたい
―素敵なお店のご紹介をありがとうございます!最後に、これからKUJIMAに来られる方へメッセージをお願いします。

久島:10年続けてこられたのは、本当にありがたいことだなと思っています。試行錯誤は今も続けていて、2022年頃には2階も開放して空間を広げました。1階で個展を開催している期間も、2階で常設の器をご覧いただけるようにしています。1階には畳のスペースがあって、座ってのんびり器を眺める方もいれば、立って見る方もいて。多いときには10人くらいのお客さんが思い思いに器を楽しんで、自由に過ごしている様子を見て嬉しく思っています。

月に1回程度開催している作家さんの個展も、以前は土日の2日間だったのを、今年からは3回土日が入るように長めに設定しました。お客さんにもゆっくり見ていただけるし、平日が入ることで来られる方も増えて。お客さんの好みや傾向も日々変化していくので、それに合わせて展示のやり方も工夫しています。
これからも普段使いしやすくて、飽きのこない器を、作り手の想いと一緒にお届けしていきたいと思っています。ぜひ気軽に遊びに来てください。
【KUJIMA】
住所:福岡市中央区白金1-6-7 MAC白金ビル 2階 [map]
アクセス:西鉄天神大牟田線「薬院駅」より徒歩7分
営業時間:13:00~18:00
定休日:不定休
TEL:092-753-7463
Instagram:@kujima_desu








