都府楼珈琲

45年の歴史が再び。祖母の喫茶店を孫が受け継いだ「都府楼珈琲」【福岡県太宰府市】

いつの時代でも「カフェ」という存在は人々をトリコにします。近年のSNS人気も相まって、おしゃれなカフェ巡りを楽しむ女性も多い中、脚光を浴びているのが「昭和レトロな喫茶店」や「ネオ喫茶」と呼ばれるお店。中年以上の方はノスタルジックを感じ、若者にとってはおしゃれなカフェにないレトロ感が斬新だと感じるんだそうです。この記事では福岡や福岡近郊にある「レトロを感じられる喫茶店」や個性的な喫茶店・カフェをご紹介しています。

都府楼珈琲の場所は太宰府の歴史エリア「政庁通り」沿い

「都府楼珈琲」への道のり

 

今回ご紹介する「都府楼珈琲」があるのは福岡県太宰府市観世音寺。

まずは場所のご紹介から。福岡市都心部から県道112号線を太宰府方面に南下。太宰府市に入り「関屋交差点」から県道76号線(政庁通り)を太宰府天満宮方面に進んでいると、右手に看板が現れます。

最寄駅の西鉄天神大牟田線「都府楼前駅」からは徒歩約15分で到着できますよ。

 

「都府楼珈琲」外観

 

こちらがその看板。歴史ある太宰府を象徴するかのような和風の大きなフォントは、近くで見るとかなりインパクトがあります。

 

「都府楼珈琲」外観


その反対側には味のあるレトロな看板が据え付けられています。

 

「都府楼珈琲」外観

 

外観は一見するとコンクリートづくりのビルのよう。その傍には大きなロゴが入った白いタペストリーがはためいています。

 

「都府楼珈琲」外観

 

ドアを開けると、さらにもう一枚、グリーンのドアが現れます。このドアはかなり年季の入った様子。さあ、中へと入ってみましょう。

 

昔ながらの喫茶店の雰囲気と海外のアンティーク感が同居する店内空間

「都府楼珈琲」内装

 

入店すると、そこはレトロクラシカルな空間が広がっています。それもそのはず、ここは元々店主の祖母が経営していた喫茶店だった場所。

オープンするにあたり、内装で活かせる部分はそのまま活かしつつ、壁面などはアンティーク調に仕上げて、日本と海外のレトロな雰囲気を両立させているんです。

 

「都府楼珈琲」内装

 

背もたれに彫刻が施されたカウンターの椅子と、長い年月を経たフロア。古き良き昭和時代の喫茶店の雰囲気が感じられます。

 

コーヒー豆の販売スペース

 

カウンターの一角はコーヒー豆の販売スペース。種類ごとに香りをテイスティングできるようになっています。

 

水出しコーヒーの抽出器具

 

カウンターの片隅にそそり立っているのは、水出しコーヒーの抽出器具。時間をかけてゆっくり抽出される水出しコーヒーは夏季限定メニューとして楽しめるそうです。

 

「都府楼珈琲」内装

 

政庁通りに面した窓側には3席のカウンター席も設けられています。さらにその先には何やら白い空間があるのですが・・・

 

「都府楼珈琲」内装

 

こちらは6人がけの半個室席になっていました。アンティークなアイテムに囲まれたこの一角だけは、まるでヨーロッパの貴賓室のような雰囲気です。

 

オーディオブース

 

さらに奥に進むと、重厚なオーディオブースが鎮座し、スピーカーから心地よい音楽が流れています。これらのオーディオ機器は、音楽好きな店主のお父さんの私物なんだとか。

 

「都府楼珈琲」内装

 

その奥には4人掛けのテーブル席が並んでいました。外観から想像するよりも奥行きがあります。

 

「都府楼珈琲」内装

 

ガラス窓にはステンドグラスのようなデザインが。ここにも昭和の香りが感じられます。

 

コーヒーの焙煎室

 

一番奥のスペースはコーヒーの焙煎室になっています。メインの焙煎機は富士ローヤルの半熱風式5kg釜。この焙煎機を駆使し、2週間に1回ほどのペースで焙煎しているそうです。

 

都府楼珈琲が復活したきっかけ

都府楼珈琲の店主をつとめる万田竜之介さん

都府楼珈琲の店主をつとめる万田竜之介さん

 

都府楼珈琲を営んでいるのは、太宰府市の隣・筑紫野市出身の万田竜之介さん。昔から機械いじりが好きで、地元の学校を卒業後は車やバイクの整備士として働いていたそうです。

 

そんな中、万田さんのお父さんから「昔、おばあちゃんがやっていたお店を使って何か商売をやってみないか?」と打診されます。

 

万田さんのおばあちゃんは1973年から「都府楼コーヒー」という喫茶店を営んでいましたが、体力的な限界もあり2018年をもって閉店し、45年間の歴史に幕を下ろされました。その後、長い間手付かずの状態になっていたそうです。

 

父から打診された万田さんは、整備士を退職し、自家焙煎コーヒーの道を歩むことに。筑紫野市にある「筑紫野珈琲」に弟子入りし、焙煎や店舗運営のノウハウを2年間学ばれました。

 

そして2025年5月、おばあちゃんが営んでいた喫茶店「都府楼コーヒー」の屋号を引き継ぎ「都府楼珈琲」として復活されたのです。

 

かつての「都府楼コーヒー」はランチが中心のお店だったそうですが、現在はコーヒー以外のメニューはかなり削ぎ落として、自家焙煎コーヒーをメインとして営業されています。

 

自慢の自家焙煎コーヒーやモーニングが楽しめる

「都府楼珈琲」メニュー

 

それではメニューをチェックしてみましょう。

メインである自家焙煎コーヒーは、「都府楼ブレンド」を筆頭に、ホンジュラス、グァテマラ、ブラジル、コロンビア、インドネシアなどのシングルオリジンコーヒーをラインナップ。

コーヒー豆はいずれも高品質なスペシャルティコーヒー豆を採用しています。

そのほかにもアレンジドリンクや、コーヒーゼリーなどのスイーツもありますよ。

 

都府楼ブレンドと本日のケーキ

 

今回は都府楼ブレンド(ホット 税込550円)と本日のケーキ(税込550円)をオーダーしてみました。この日のケーキはイチゴのバスクチーズケーキでした。

 

本日のケーキ

 

いただいたバスクチーズケーキはしっとりとした食感。ジャムとイチゴとホイップクリームが添えられており、味変しながら楽しむことができます。

ちなみにケーキなどのスイーツの製造や、焙煎したコーヒー豆の中から品質の悪い欠点豆を取り除く「ハンドピック」という作業は、万田さんのお母さんが担当しているんだそうですよ。

 

都府楼ブレンド

 

ブレンドコーヒーはグァテマラ、ブラジル、コロンビア、インドネシアのオリジナルブレンド。しっかりとしたコクと芳醇な香りのバランスが取れた一杯に仕上がっています。

カップとソーサーにも「都府楼」の文字が入っているのもポイントですね。

 

モーニングAセット

モーニングAセット 写真提供:都府楼珈琲

 

また、9:00〜11:00はモーニングメニューがオーダーできます。

バタートーストのAセット(税込600円)、チーズトーストのBセット(税込650円)、ホットサンドのCセット(税込700円)の3種類があり、その日の気分に合わせてセレクトできるのもうれしいですよね。

 

 

ということで、今回は福岡県太宰府市の「都府楼珈琲」をご紹介させていただきました。

ちなみに、お店のそばには「大宰府政庁跡」や「令和」ゆかりの「坂本八幡宮」、「源氏物語」にも登場する「観世音寺」があり、歴史的なロケーションが密集するエリアとなっています。

太宰府天満宮とはひと味違った太宰府の歴史めぐりの合間に訪れてみてはいかがでしょうか。

 

 

【都府楼珈琲】
■住所:福岡県太宰府市観世音寺1-19-27
■アクセス:西鉄天神大牟田線「都府楼前駅」より徒歩約15分
■営業時間:9:00〜19:00
■定休日:火曜日
■TEL:080-3904-2330
■Instagram:@tofurocoffee

 



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ライター
久原茂保
2001年より福岡発のカフェ情報サイト「CAFE@TRIBE(カフェ・トライブ)」を開設。以来、20年以上に渡り福岡県を中心に数多くのカフェを訪れ、日々取材活動に励んでいる。近年はカフェアドバイザー業やカフェのリブランディング、カフェプロモーションなどカフェ業界の知見とネットワークを活かしたオンリーワンな事業を展開中。グラフィックデザインやWEBデザイン、広告コンサルも。

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