パンオタクが選ぶ福岡パン

きっとこれが本場流!pâtisserie nicoの「クロワッサン」【福岡市中央区】

福岡で10年以上パンブログを続け、2020年には城南区別府にパン喫茶をオープンさせた「pantiki」さん。毎日をリープアップしてくれる福岡のパンを、「ひとぱん入魂」の気持ちで1つずつご紹介いただくこちらの連載。73回目の今回は、福岡市中央区にある、pâtisserie nicoの「クロワッサン」です。

サクサクからのフワッフワ系クロワッサン

朝、いつものように
テレビのスイッチを入れ、いつもの番組に合わせる。これは天気予報を確認するためのルーティンである。

 

天気予報以外のコーナーは、
静かすぎる空間が苦手な筆者の、BGM代わり。常に聞き流しているのですが、
内容がパンのことになると、ふと動きを止めて、観入ってしまう。
忙しい朝、本当ならばさっさと次の準備に移りたいところだが、そこは、興味が勝る。
パンのコーナーが終わるまで、洗わなければならない食器を手にしたまま、しばし立ち尽くすことも多い。

その日もそうだった。
とある有名人の好きなパンベスト3!という
夫からするとどうでもいい(故に本当はチャンネルを変えたい)コーナーが始まり、その『変えたいオーラ』を察しながらも、
例によって朝の準備作業の手を止め、ランキングに観入っていた。

3位ベーコンエピ、2位塩パン。
この2つに関しては、大した理由も述べられなかったように記憶している。

 

しかし、好きなパン1位はクロワッサン!!と発表されたときに、その有名人の方は、急に饒舌になり、こう仰った。

 

「お仕事でフランスに行った時、パンが美味しいよ、と聞いてはいたんですが、クロワッサンを食べて本当に驚いたんです!外皮はサックサクで、中はフワッフワなんです!」

 

と。

フワッフワ、、、
中がフワフワ、、、???

その表現を聞いたパンオタク(私)は、ちょっと驚く。と、同時に自分の勉強不足というか経験不足を恥じる。


フランスに行ったことはあるが、それはパンに目覚める前。
所謂「OLさんの有給使った旅行」そのもので、当時流行りの化粧品とか頼まれものを買うのに必死で、パンのことなんて覚えちゃいない、食べたのかなぁ?きっとフランス行ったんだから食べてるよねぇ?くらいの記憶。
今ならめっちゃリサーチして、食べまくって記憶&記録しまくっただろうに、なんと勿体ないことをしたのだろう、、、と後悔しまくりですが、当時はパンへの興味が皆無だったのだから仕方がない。

 

 

そして、件の「中フワッフワ」のクロワッサン。これがあまりにもタイムリーな話だったのです。

外皮がサックサク!は、ありがたいことに日本に居ても出会うことが多いのですが、

中がフワッフワ!は、なかなか出会えません。

往々にして、サックサク!の後は、ハラハラとこぼれ落ちるように儚い『サクサクハラハラ』系で、食べる時に、ポロポロ生地が散らかるのも特徴です。

 


もうひとつ『ザックザクからのジュワーン』系もありまして、
それは折り込みの数(クロワッサンは生地を畳んでは伸ばし、畳んでは伸ばし、を繰り返して層を作っていきます)を、わざと減らして、一層一層をやや厚めにしたことによる
「層から滲み出るバター」のジュワーンを噛み締めて味わうタイプ。
筆者はこちらの方が好みです。


そして、新たに登場した「サクサクからのフワッフワ系」
いや、もしかしたら本来これが、本場の食感なのでしょうか。

これにね、わたくし、
出会っていたのです!
フランスじゃなくて、六本松で!
(フランスよりだいぶ近〜い、嬉し〜い)

 

pâtisserie nicoさん。

六本松の「福岡地方裁判所」の周囲(地元の方々の良い散歩コース)にあり、駅近くの喧騒とは少し離れた静かなエリア。そのブルーの外観と佇まいからして、まさにおフランス!な空気に満ち満ちたお店です。

 

 

この日、今季最後の桜を見ようと、裁判所周りを散歩していました。
福岡市でお花見といえば舞鶴公園なのですが、あまりの人の多さ、車の多さに近寄ることも出来ず、、、
諦めて六本松周辺を歩くことにしたのです。


するとそこに、圧倒的空気感をもって佇むnicoさんの濃いブルーの建物。

これはもしかして、「本格派ブーランジェリーパティスリー」の予感、、、?

と扉を開けると、予感的中、綺麗なケーキやコンフィチュールと共に、目に飛び込んできたのは大きくて見目麗しいクロワッサン!パンヲショコラ!カヌレ!

 

 

 

 

サクサク!の後はフワ〜ッが本場流!?

果たしてこのクロワッサンは凄かった。

まずは大きさ。
パン屋さんのクロワッサンの1.5倍〜2倍はありそうな直径と高さです。

 

そして、しっかりとした成形。

サクサクであろうことと、折り込みの数がとても多いであろうことは見た目から察することができます。

 

ですがこれはサクサクハラハラ系では無かった、、、
触れても壊れないではないか!
パラパラと生地が剥がれないではないか!(驚愕)

 


そして輪をかけて圧倒的なのはその香りです。
発酵バターです、絶対にこれは発酵バター!
普通のバターではなく「発酵」だ!と、十人中十人答えるのでは?位のレベルで香ります。
発酵しているからこそのチーズっぽい香り。

満を持して、その美しい渦巻きの端っこから口に含むと、、、

 

 

サクサクサクサク、、、からの、、、しっとり。(フワッは後ほど登場します、しばしお待ちください)

相反するこの食感は、一体どこから?

 

薄〜くスライスしたチーズのような。

極限まで薄く、花びらのようにスライサーから出てくるチーズのような。

そのくらい儚くも薄い、薄〜い一層一層が、束になっている
大きなクロワッサンであることが、ここで意味を成してくるわけですね、層の数が多い。
薄い層でも、個々がしっかりとバターを纏い、束になって噛み締める、故に感じる「しっとり感」

 

束になっているからこその力強さも、感じる。だからこその発酵バターの風味の強さ、しっとりしている故に粉が散らばらない!不思議と手に油脂が付き難い!

 

焼き戻さなくてもこの美味しさ。

これは是非、丁寧に焼き戻してからもう一度食べてみたい。

そして細心の注意を払って焼き戻す。(以前、Poouta さんの記事のときに色々書いております、、よろしければご覧ください)

 

さすれば、その食感は、、、

ついぞ味わったことのないものであった。(フワッフワ、ついに登場します)

 

そう、冒頭の有名人の方が仰った「サックサクからのフワッフワ」を聞いた後、(つまりこれを書いている今)

思えば、これがフランスのクロワッサンだったのかー、、、と(放心、遠い目)

焼き戻すことで温まり、バターの風味が際立つ際立つ!焼いている間も、部屋中が良い香りに満ち満ちる。

生食の時でさえカリサクッとしていた外皮は、更に軽やかさを増し、弾けるような歯応え。そこから驚く程に軽やかに、歯は内部へと歩を進め、フワッッ、、、の内層へと行き着く。

その時、口中から鼻腔に抜ける、発酵バターの香りたるや、、、

そして、砂糖甘さに頼らず、粉とバターの風味を活かした控えめで絶妙な塩梅たるや、、


セ トレ ボン !!(美味しい、、、!!)

 


感嘆のため息と共にお店のことを回想していたところ、、、ふと思い出す。

 

クロワッサンのお隣に、パンヲショコラがあった。

これまた大きめサイズのパンヲショコラがクロワッサンよりも幅を効かせるかの如く鎮座していたのだが、

その理由が今、わかる。

このクロワッサンを食べると、パンヲショコラが食べてみたくなる。クロワッサンはそこへ行き着くまでの伏線であるかのようにさえ思えてくる。この生地に、ショコラのほろ苦甘さを足したものを食べてみたくなるのです。

 

シンプルに極限まで素材感を追求した生地に、ショコラの甘味と苦味が加わることで「五味」が成り立ち、さらにこの生地を200%くらい活かして、昇華させてくれそうだ。

 

どのパン屋さんに行っても、クロワッサンがあるお店には、かなりの確率でパンヲショコラも置いてある。がしかし、筆者は今まで、パンヲショコラというものの存在意義をわかっていなかったように思う。別にチョコ足さんでも、、、くらいの印象しか受けていなかったからだ。


それはひいては、本場のクロワッサンを知らなかったからなのだと、、
今理解した。まだnicoさんのそれを、
食べてもいないのに、、、

 

基本は「パティスリー」です。クロワッサンやパンヲショコラは、毎日おいてある商品ではありません。ご注意ください!不定期登場の逸品、いつあるんですか!?等お店の方に詰問なさったりせず(苦笑)出会えたらラッキーくらいのお気持ちで、、、(^^)

 

 

編集部より

ご紹介した商品は、本文でも触れられている通り、不定期で販売されています。店頭に並ばない日もありますので、あらかじめご理解の上、訪問されてください。

 

 

店舗情報

pâtisserie nico

住所:〒810-0031 福岡県福岡市中央区谷2丁目13−15 メゾン・レジテラーネ[map]

営業時間:10:00〜19:00

定休日:月曜日
※詳細はInstagramをご確認ください。

駐車場:無し

Instagram:@patisserie.nico

 

 

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パンブロガー
pantiki
福岡在住。色々なパンを食べ歩き、「ひとパン入魂」を心に紹介するパンブログを10年以上運営。2020年には福岡市城南区別府に、ブログを三次元化させたパン喫茶「kissaten ぱんフレット。」をオープン。オリジナルのメニューの提供のほか、ロスになる前のパンにアレンジを加え、ストーリーと一緒に味わってもらう「パンのバトン活動」を続けている。

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