貴賓館カフェ

旧福岡県公会堂貴賓館内にある「貴賓館カフェ」【福岡市中央区】

いつの時代でも「カフェ」という存在は人々をトリコにします。近年のSNS人気も相まって、おしゃれなカフェ巡りを楽しむ女性も多い中、にわかに脚光を浴びているのが「昭和レトロな喫茶店」。中年以上の方はノスタルジックを感じ、若者にとってはおしゃれなカフェにないレトロ感が斬新だと感じるんだそうです。そこで福岡に今なお現存する「昭和レトロ喫茶店」をピックアップしてご紹介していきたいと思います!

「貴賓館カフェ」は、福岡市内有数の観光名所「旧福岡県公会堂貴賓館」の中

 

今回ご紹介する「貴賓館カフェ」の場所は、福岡市中央区西中洲。

天神と中洲を繋ぐ「福博であい橋」のそばに佇む「旧福岡県公会堂貴賓館」の中にあります。

 

この一体は天神中央公園の一部となっており、近年は整備が進み、今や福岡市内有数の観光名所としても知られるようになりました。

 

「FUKUOKA」の立体文字のオブジェは撮影スポットとしても人気となっており、そのオブジェの奥に佇むトンガリ屋根のレトロな洋館が「旧福岡県公会堂貴賓館」です。

 

 

この「旧福岡県公会堂貴賓館」は1910年に建てられた、木造2階建てのフレンチルネッサンス様式を取り入れた洋風建築物。

天神ビッグバンにより高層ビルの建設が進む天神エリアの中で、この重厚な存在感はすごいのひと言です。

 

 

外壁は1階窓下からの腰壁は白い化粧タイル貼り。

1階モルタル壁には目地を入れ、2階窓額縁や軒蛇腹を木骨下地のモルタルによる造出しにすることで、外観を石造に擬しています。

 

 

屋根は中央部に陸屋根を設けた寄棟形とし、シンボリックな八角塔屋は尖塔。修理工事によって、腰屋根は天然スレート葺に、暖炉のレンガ積煙突も当初の姿に復元されています。

 

 

入り口にカフェの立て看板があるので、ここでメニューをチェックしてください。

 

 

石柱を施した玄関ポーチの奥が入り口です。靴を脱いでスリッパに履き替えて、いざ館内へ。

 

 

旧福岡県公会堂貴賓館に入るには入館料が必要となります。入り口左手にある券売機で入館料(大人:200円)を支払いましょう。

 

カフェメニューの料金も同じく事前に券売機で購入するスタイル。横にメニューボードがあるので、お好みのメニューを選んで券売機で購入してくださいね。

 

エントランスの広間は真紅の絨毯が敷かれ、レトロ感満載。

左右の階段から2階に進むと談話室や貴賓室など当時の面影が偲ばれる数々の部屋を堪能できます。

カフェに行く前に館内をゆっくりと楽しんでみてくださいね。

 

 

旧福岡県公会堂貴賓館の歴史

当時の様子 写真出典:https://www.fukuokaken-kihinkan.jp/about.html

 

旧福岡県公会堂貴賓館は1910年(明治43年)に開催された「第13回九州沖縄八県連合共進会」の来賓接待所として使用する為に建てられました。

 

「九州沖縄八県連合共進会」とは、地場産業の発展を目的に同業者の見識を深め、物産を比較してその改良発達を図るのが目的で企画されたもので、第1回となる明治15年の長崎に続き、鹿児島・熊本・佐賀と開催され、第5回目が1920年の春、初めて福岡で行われました。

 

第13回の同共進会の開催に伴い、貴賓館の設計監理は福岡県土木技師であった三條栄三郎氏が担当。竣工後の1910年4月には閑院宮御夫婦の宿泊所として利用されたほか、共進会開催中は来賓を接待しての夜会が催されていました。

 

共進会終了後は県の公会堂として一般市民に利用されていましたが、戦後は福岡高等裁判所、福岡県農林事務所などに転用され、1956年(昭和31年)11月以降は福岡県教育委員会庁舎として使われていました。

 

その後、福岡県庁新設の移転に伴って教育委員会も1981年(昭和56年)に移転し、その跡地は都市計画公園「天神中央公園」の一部となることから、跡地内の諸施設は取り壊しが決定。

 

しかし、旧公会堂のうち貴賓館は明治期のフレンチルネサンス様式の木造建築物が「数少ない明治時代の木造公共建築の遺構として貴重」と評価され、1984年(昭和59年)5月に国の重要文化財に指定され、以降は公園施設の一部として広く福岡県民に親しまれています。

 

出典:https://www.fukuokaken-kihinkan.jp/about.html

 

歴史とロマンを感じられるレトロでノスタルジックな空間

 

カフェの場所は1階入って左側にある、かつて食堂として使われていた部屋になります。

 

 

高い天井とクラシカルな家具で構成された空間はレトロな雰囲気満点!

かつて貴賓館には調理する厨房施設は設置されていなかったそうで、敷地南西部に隣接して設けられた西洋料理店から飲食料理を取り寄せ、食堂として利用していたそうです。

 

 

壁紙は、建物の修復工事の際に築造当初の壁紙の一部が見つかったのを基に、わざわざアメリカに特注して同じ図柄を複製したもの。

家具は部屋の雰囲気に合わせて、新たに福岡県有数の家具の町・大川市で製作されました。

なお、床は板材を斜めに交差させる「綾筋張り」と呼ばれる工法が採用されています。

 

 

天井中央部から吊るされたアンティークのシャンデリヤは、旧県庁舎県議会議事堂(大正2年上棟式)で使用されていたもの。

 

貴賓館には当時の照明器具が全く残っていなかったので、設計者が同じ三條栄三郎氏であり建築年代も近いことから、この場所に移設され再利用されているんです。

 

大正2年と言えば西暦で1913年なので、なんと111年も前のもの。

 

 

かつて使われていた暖炉も今なお残っており、マントルピーと呼ばれる暖炉の上面や側面の飾り枠は大理石で造られています。

 

 

一番奥にある「八角塔の部屋」と呼ばれる5人掛けのテーブル席が貴賓館カフェの特等席。
ちょうど外から見るとトンガリ屋根の内部にあたります。

 

 

天井を見上げると変形の八角形になっているのがよく分かります。

背の高い窓には長い丈のカーテンが取り付けられており、レトロ感を十分に味わえます。

 

人気のアフタヌーンティーで優雅なひとときを

 

この雰囲気の中で味わうのは、本日のケーキ&アイスクリームにドリンクが付いた人気の「アフタヌーンティーセット」(税込1,100円〜)。

 

写真のようにポットサービスの紅茶にすると100円アップの税込1,200円とおトクです。

食器のセレクトもクラシカルで素敵です。

 

 

この日は3種類のケーキの中からいちごのショートケーキをチョイスしてみました。アイスクリームはいちごとバニラ、紅茶はダージリンティーでした。ゆったりと流れる優雅なひとときを存分に楽しめました!

 

 

メニューは今回ご紹介したアフタヌーンティーセットの他にも、「フレンチトーストセット」や「気まぐれパンケーキセット」(各税込1,100円)などのスイーツから、ダージリンティー・うれしのローズティー・スウェーデン王室御用達の北欧紅茶といったバリエーション豊かなドリンクもラインナップされています。

 

 

福岡に長く住んでいる私ですが、実は「旧福岡県公会堂貴賓館」は今回はじめて入館しました。福岡市内で100年以上前の洋風建築を楽しめる場所はほぼ皆無なので、国の重要文化財として指定されたのも頷けます。

 

福岡市が近代都市へと成長する出発点であり、基礎となった九州沖縄八県連合共進会。そのシンボルとしてのモニュメントである旧福岡県公会堂貴賓館は、福岡を観光される方のみならず、ぜひ福岡市民にも行っていただきたい場所です。

 

レトロカフェとともに、福岡の近代化の歴史に触れてみてはいかがでしょうか。

 

 

貴賓館カフェ

住所:福岡県福岡市中央区西中洲6-29 旧福岡県公会堂貴賓館内

電話番号:092-751-4416

営業時間:9:00~17:00(ラストオーダー16:45)

定休日:月曜日(月曜日が休日のときは翌日)、及び12月29日から1月3日まで

※記載の価格は取材当時のものです。

 

※カフェご利用の方は下記の入館料が必要です。

大人:200円/児童:100円(15歳未満)/団体大人:160円/団体児童:80円
※6歳未満、65歳以上の方は無料です。年齢がわかるものをご提示ください。
※障がいのある方とその介護者1名は無料です。障害者手帳等をご提示ください。手帳提示には、障がい者手帳アプリ「ミライロID」もご利用になれます。
※30名以上より団体料金となります。

 

公式サイト:https://www.fukuokaken-kihinkan.jp/index.html

Instagram:https://www.instagram.com/fukuokaken_kihinkan2017/

 

 

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ライター
久原茂保
2001年より福岡発のカフェ情報サイト「CAFE@TRIBE(カフェ・トライブ)」を開設。以来、20年以上に渡り福岡県を中心に数多くのカフェを訪れ、日々取材活動に励んでいる。近年はカフェアドバイザー業やカフェのリブランディング、カフェプロモーションなどカフェ業界の知見とネットワークを活かしたオンリーワンな事業を展開中。グラフィックデザインやWEBデザイン、広告コンサルも。

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