カフェジョージ

創業から40年。照り焼きバーガーが自慢のアメリカンスタイルの喫茶店「カフェ・ジョージ」【福岡市博多区】

いつの時代でも「カフェ」という存在は人々をトリコにします。近年のSNS人気も相まって、おしゃれなカフェ巡りを楽しむ女性も多い中、にわかに脚光を浴びているのが「昭和レトロな喫茶店」。中年以上の方はノスタルジックを感じ、若者にとってはおしゃれなカフェにないレトロ感が斬新だと感じるんだそうです。そこで福岡に今なお現存する「昭和レトロ喫茶店」をピックアップしてご紹介していきたいと思います!

誕生した1984年当時の面影が今なお残る「カフェ・ジョージ」

 

今回ご紹介する「カフェ・ジョージ」の場所は、博多区の大博通りと祇園大通りがクロスする「商工会議所入口交差点」のそば。

 

文字通り、福岡商工会議所や福岡ファッションビルと並列するようにひっそり佇んでいます。

 

最寄り駅の福岡市営地下鉄「祇園駅」からは5番出口を出て、なんと徒歩わずか1分!

 

 

こちらがカフェ・ジョージの外観。黄色とオレンジのカラーリングが80年代を感じさせてくれます。

 

 

斜めに突き出た個性的な形状の看板。錆つき加減が40年の歳月を物語っています。

 

 

入口のガラスには店名と「Hamburger Bar」の文字が。

 

オープンした1984年当時は、「カフェ」や「ダイナー」という言葉にまだ馴染みがなかった時代。

 

どんな業態のお店なのか、一番わかりやすく伝えられる言葉ですね。

 

喫茶店とアメリカンダイナーをミックスしたような個性的な店内

 

入店すると、左手に長いカウンター席、右側にテーブル席の2つのエリアに分かれています。

 

コロナ禍を機に店内を改装したそうで、壁面は鮮やかなカラーリングになっていますが、スツールやチェアは創業当時そのまま。

 

アメリカンなPOPさと、古き良き喫茶店の雰囲気をミックスした個性的な空間に仕上がっています。

 

 

テーブル席の後ろには音楽好きなマスターが集めたというアルバムがズラリと並んでいます。ジャンルはジャズを中心にロックやレゲエなど様々。

 

壁面に飾られたキース・ヘリングやアンディ・ウォーホルのチョイスがいかにも80年代ですね。

 

 

心地よいBGMを奏でてくれているのは「BOSE」のスピーカー。現在50~60代の方にとっては、「スピーカーと言えばBOSE!」な時代でした。

 

吊り下がったグリーンのランプシェードもレトロで可愛いです。

 

 

映画ファンでもあるマスター。片隅には映画のパンフレットが並んでいます。

 

その数なんと1,000冊以上!年代ごとにキレイに整理されているので、映画好きな方は来店した際、手に取って眺めてみては?

 

カフェ・ジョージが誕生するまで

オープンから数年後のマスター。リーゼント&ヒゲ&アロハシャツのスタイルは、まさに当時の”イケてる喫茶店のマスター”といった雰囲気。それにしてもお若い!

 

カフェ・ジョージを営んでいるのは、庄野八寿王(しょうのやすお)さん。お客さんは愛着を込めて「マスター」と呼んでいます(当時の喫茶店の店主の呼び方は全国的に”マスター”でした)。

 

マスターは地元・博多のご出身。昔からジャズ好き・アメリカ好きだったこともあり、西南学院大学在学中に一時休学し、半年間渡米。ニューヨークやロサンゼルスなど憧れのアメリカの街を満喫されていました。

 

その後、アメリカ人と結婚してシアトル郊外に移住していた叔母さんを訪ねた際、キーウエストという街で出会った喫茶店(おそらくアメリカンダイナー)に感銘を受け、「将来はアメリカンスタイルの喫茶店を開業する」という夢を持つように。

 

帰国後、自らの夢を叶えるべく大学を中退。3店舗の喫茶店での修行を経て、学生時代のアルバイト先のレストランで知り合い、交際していた現在の奥様と二人で起業することになりました。

 

物件探しをしている中、たまたま現在のお店の場所にあったマスターのご実家(ご両親は麻雀屋さんを営んでいたそうです)を取り壊してビルを建てるという話になり、そのビルの1階にカフェ・ジョージを開業されました。

 

なお、店名の「カフェ・ジョージ」とは、叔母さんの旦那さんから渡米中に呼ばれていたあだ名から拝借したそうです。

 

 

そしてこちらが現在のマスター。御年66歳。おヒゲにアロハシャツのスタイルは今なお健在なのです!

 

 

マスターと昔話に花を咲かせていると、「懐かしいものが出てきたよ」と一枚の写真を持ってきてくれました。それは1963年(今から60年前)の博多の写真。

 

奥の建物が現在の場所の博多駅(建物は新しく建て替わってますが)、そして手前が旧博多駅。両駅を繋いでいるのは大博通り。

 

実は博多駅は昔、お店のそばの「商工会議所入口交差点」の場所にあったんです。

 

駅が移転した後、線路だった場所に「祇園大通り」が出来、道路沿いに福岡商工会議所や福岡ファッションビルが立ち並ぶようになったんだそうです。

 

ちなみに写真を見ると一目瞭然ですが、当時の博多駅筑紫口側は田んぼだらけだったそうですよ。

 

アメリカで出会った照り焼きバーガーは40年間変わらない味

 

カフェ・ジョージの看板メニューは「照り焼きハンバーガー」。

 

若き日のマスターがアメリカを旅していた時に立ち寄ったダイナーで食べて衝撃を受け、「自分が店を出す時は絶対この照り焼きバーガーを出そう」と心に決めていたんだそうです。

 

ランチタイムは単品で税込750円、ドリンク付きで税込850円。ディナータイムは単品で税込850円、ドリンク付きで税込1,050円でオーダーできます。

 

 

アルミホイルを開けば、バンズに挟まれたハンバーグとトマトとレタスがぎっしり。

 

大きく口を開けてガブリとかぶりつくと、ジューシーな肉汁がしたたり落ちてきます。この肉汁の量は手作りハンバーガーならでは。

 

ハンバーガーチェーン店では味わえない、40年間変わらぬ手作りの美味しさを堪能できます。

 

愛煙家に朗報!店内は全席喫煙OK!

 

マスターが愛煙家につき、カフェ・ジョージは喫煙OK!

 

全ての席にロゴ入りの灰皿が設置されています。

 

近隣で働く愛煙家のビジネスマンにとって、まさにオアシスのような場所なのです!

 

※ただし20歳未満の方は入店できません。ご了承下さい。

 

 

最後に余談なのですが、筆者の私は学生時代、このカフェ・ジョージがカッコ良すぎて働いてみたくて、アルバイトの面接を受けたことがあるんです。

結果的に不採用となり働くことは叶いませんでしたが、それから30年の時を経て、このような形でマスターとお会いすることができて、とても感慨深かったです。

 

40年間変わらない味の照り焼きバーガー、そして穏やかでやさしいマスターに是非会いに行ってみてくださいね。

 

 

カフェ・ジョージ

住所:福岡市博多区博多駅前2-20-15 第7岡部ビル1F

営業時間:月~金曜日 11:30〜25:00/土曜日 18:00~25:00/日曜日・祝日 11:

30~21:00

電話番号:092-451-4010

定休日:不定休

 

 



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資料送付はえんホールディングスグループの一員である株式会社えんが行っています。
えんホールディングスグループはWEBメディア「フクリパ」の運営も行っています。

 

 

 

 

 

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ライター
久原茂保
2001年より福岡発のカフェ情報サイト「CAFE@TRIBE(カフェ・トライブ)」を開設。以来、20年以上に渡り福岡県を中心に数多くのカフェを訪れ、日々取材活動に励んでいる。近年はカフェアドバイザー業やカフェのリブランディング、カフェプロモーションなどカフェ業界の知見とネットワークを活かしたオンリーワンな事業を展開中。グラフィックデザインやWEBデザイン、広告コンサルも。

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