パンオタクが選ぶ福岡パン

キレイな切り込みが生み出す絶妙な食感。iruaruの「パンブリエ」【久留米市】

福岡で10年以上パンブログを続け、2020年には城南区別府にパン喫茶をオープンさせた「pantiki」さん。毎日をリープアップしてくれる福岡のパンを、「ひとぱん入魂」の気持ちで1つずつご紹介いただくこちらの連載。23回目の今回は、福岡県久留米市にある、iruaruさんの「パンブリエ」です。

カットした方が美味しいものと、かぶりついた方が美味しいものってあるよね。というハナシ。

そのままガブリ!の最たるは、ハンバーガーでしょう。あれを、ナイフとフォークでちまちまカットなんてしてちゃぁ美味しさも半減致しますよ。どんなに食べ難くても、かぶりつくべーし!というのが持論です。

そして、その対局にある、『カットして、一口ずつ口に運んで食べる方が美味しい』もの。

まず浮かぶのは、フレンチやイタリアンの美しいひと皿です。そのいでたちを愛でることなく、箸で摘んでガブリ!とひと口で食べられた暁には、シェフ、泣いちゃうかもしれませんよ。

では、パンはどうでしょう?

基本的には、大型パンはスライスして、そのスライスを口に運びます。(直径30㎝の大型パンをそのまま齧る方はそんなにいらっしゃらないかと)

ですがこれは、『カットしたひと口ぶん』を口に運ぶというイメージとは違いますよね。小型のパンで、カットしてしみじみと味わいたいもの、、、。

筆者にとってのそんなパン、いろいろ浮かんだんですが、(カヌレとか、4分の1くらいに切って食べるのが好きです)

今回ご紹介するのが、フランスの伝統的なパン「パンブリエ」です。

キレイな切り込みが入った見た目も魅力的なパン。

ヴィエノワズリー系(めっちゃ端折って説明すると、バターや砂糖がリッチ目な配合のお菓子寄りのパンたち)の中ではブリオッシュの方が知名度がありますが、ブリオッシュほど菓子寄りではなく、『程よくパン感を残しつつ適度にバターやお砂糖も感じる』のがパンブリエ。

例えるならば、パン界の『イングリッシュスコーン』でしょうか?

生地そのものにも乳製品の風味や旨みはありつつ、クロテッドクリームとジャムがとても合うのがイングリッシュスコーン。
軽食にも、オヤツにもなる
単体でもトッピング有りでもイケる

そんな振り幅の広さが、スコーンとパンブリエの共通点かもしれません。

でも、福岡でパンブリエ置いてるお店って、あまり無いんですよ。なので、iruaru さんで出会えた時にはもう嬉しくて!

このパンの肝はスコーン同様『焼き戻し』にあり、それがワタシ流技。

キレイな切り込みは、飾りだけでなく、その入れ方による生地の立ち上がりに寄って、絶妙な食感を生み出してくれています。焼き戻すことで、立ち上がり部分はカリリ!と香ばしさを増す。

程よい『みっちり感』もある内生地は少しエアリーになり、ほど良きバターの配合加減のおかげで、そのバターが緩み、フワリとした食べやすさが加わる。

それでも、トゥーマッチな甘さや油脂感は無いので、オヤツパン的な位置付けのみならず、朝ごパンでもいける、シンプルな味わいなのです。

店舗情報

iruaru
住所:〒830-0003 福岡県久留米市東櫛原2035半田ビル102号室 [map]
営業時間:9:00〜18:00(売り切れ次第終了)
定休日:月・火曜日
駐車場:あり
電話:0942-48-0165
Instagram:@iruaru.kushiwara
https://www.instagram.com/iruaru.kushiwara/

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パンブロガー
pantiki
福岡在住。色々なパンを食べ歩き、「ひとパン入魂」を心に紹介するパンブログを10年以上運営。2020年には福岡市城南区別府に、ブログを三次元化させたパン喫茶「kissaten ぱんフレット。」をオープン。オリジナルのメニューの提供のほか、ロスになる前のパンにアレンジを加え、ストーリーと一緒に味わってもらう「パンのバトン活動」を続けている。

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