福岡民放局プロデューサーがこっそり教える、福岡非豚骨系ラーメン探訪

博多のラーメン文化は「豚骨」だけじゃない。非豚骨系・味噌ラーメン店3選

福岡といえば豚骨、豚骨と言えば福岡と、必要十分条件のような知名度となっている「豚骨ラーメン」。しかし最近、福岡では「非豚骨系」なるジャンルがにぎわっている様子。現役の福岡民放局のプロデューサーが、こっそり収集してきた情報を紹介してくれる「福岡民放局プロデューサーがこっそり教える、福岡非豚骨系ラーメン探訪」第三弾は、味噌ラーメン特集です!ぜひ参考にしてくださいね。

6月に始まった「福岡民放局プロデューサーがこっそり教える、福岡非豚骨系ラーメン探訪」気づけば夏が終わり、秋が深まりつつあります。

そろそろさっぱりしたものから体が芯から温まるような、味噌ラーメンはいかがでしょうか。え?ラーメンはどれも熱いじゃないかって?そこはご愛嬌。
 
 

【博多 文福】 世界各地で豚骨ラーメンを広めた人物が開いた味噌ラーメンの店

 
福岡市南区から一歩、春日市に入ったところに、2021年12月にオープンした「博多 文福」は、民家を改装したような外観。入り口にかかる世界地図の暖簾には、ちゃんとした理由があります。それは後ほど。
 

 
食券自販機のメニューは全て味噌らーめんがベース。人気No.1の味噌コーンバターを選びました。スープはあっさり系で、50円追加すると「こってり味噌」になるそうです。麺は細麺、中太麺をオーダー時に選べます。今回は中太麺にしました。ちなみに、お店の入り口を開けた目の前に、製麺室があります。自家製で2種類の麺を作るなんて、どうやらこの店、ただものではなさそう。
 

 
麺を覆い尽くすチャーシュー、コーン、バター、ネギ、メンマ。そして中央にドンと鎮座しているキクラゲ。具だくさんです。
 

 
さらにスープに浮いている、謎の四角い物体。噛み締めても味はほとんどありません。これ、正体は揚げた高野豆腐。「日本らしい食材をトッピングに使えないか」と選ばれたのだそうです。
 

 
麺をすくいあげると、味噌とバターがほどよく絡み、するすると喉を通り抜けていきます。噛みごたえのある身の締まったチャーシューも味噌との相性抜群です。
 


 
実は店主の島津智明さん、博多の豚骨ラーメンを世に広めた「一風堂」で、20年にわたって海外展開を担っていた人物。暖簾に描かれた地図の謎が解けました。でも、その島津さんがなぜ、独立して開いた店が味噌ラーメン店なんでしょう?
 
「日本に帰ってきて、やっぱり日本らしい食材を使いたいと思って、味噌にしたんです」

「日本らしい」といえば、店内には日本酒の一升瓶がずらっと並べられていて、夜はお酒を楽しみながら過ごせそうな雰囲気。不定期で「酒蔵ナイト」というイベントを開催していて、そのとき限りの「酒粕味噌らーめん」なるものも登場するそうです。
 

 
帰り際に見つけた、この張り紙。「おかねはいらないから/おとなになったときに/こまっているひとを/たすけてあげてね!!」どこまでも素敵なお店でした。
 
 
【博多 文福】
■TEL:非公開
■住:春日市須玖北9-62
■営:11:00〜21:00(水曜11:00〜15:00)
■休:なし
■店舗詳細はこちら 
 

【麺屋 わがもん】 北海道から麺を持ち帰ったという研究の成果がこの一杯に

 
飲食店がひしめく福岡市中央区大名に、2022年8月オープンした「麺屋 わがもん 大名本店」へ。路上芸術家・バ○クシーの有名な作品にも似た絵が描かれた、大きな日除け幕が目印です。
 

 
この絵、よく見ると右手に麺を茹でて湯切りまでできるテボ、左手にはラーメン鉢が握られていて、添えられたコピーは「食べてみそ/おいし〜お」。
 

 
味噌ラーメンと塩ラーメンの店と一目でわかる親切さ。今回は「みそらぁ〜めん」をいただきます。ランチタイムだったので、焼売と白飯がついた「Aセット」で。
 

 
運ばれてきたのはシンプルな味噌ラーメン。中央にあるのはおろし生姜です。見るからに体に優しそうな一杯。
 

 
スープを一口飲んでみると、おや?何やら香ばしい。箸ですくうと、麺と一緒に姿を見せたのは、炒めたもやしと玉ねぎ、そしてミンチ肉。ぱっと見、ここまで具だくさんとは思いませんでした。
 

 
いかにも味噌ラーメンと相性が良さそうな中太ちぢれ麺。こちら、お店のインスタグラムによると、北海道から麺を持ち帰って、九州の名店御用達の製麺屋慶史さんに依頼して作ったもの。ちなみに、同じくインスタ情報ですが、この店をオープンするために北海道を訪れ、2日間で15杯のラーメンを食べ歩いたのだそうです。
 

 
チャーシューも表面をよく観察すると炙った形跡が。この香ばしさがさらに食欲をそそるんですよね。別鍋で火を通した食材、生姜、そして味噌。さまざまな味が楽しめました。
 

 
そして、いかにも肉肉しい大きな焼売。箸で割ると、一気に肉汁が溢れてきました。白飯と味噌汁代わりのラーメンのスープ、そして焼売。定食までいただいたような、なんだか得した気分になりました。
 
こちらもお酒の種類とつまみのメニューが豊富。ラーメン取材とは別に、改めて夜ゆっくりと訪れてみようと思います。
 

【麺屋 わがもん 大名本店】
■TEL:092-791-6428
■住:福岡市中央区大名1-8-33
■営:11:00〜29:00
■休:不定休あり
 

 

【蔵出し味噌麺場彰膳】 トッピングの大きさと選べる味噌に感激の一杯

 
福岡市東区松島、国道3号博多バイパス沿いにある「蔵出し味噌麺場彰膳東福岡店」へ。本店は春日市で、ほかにも福岡市城南区、北九州市にも店舗があります。店舗の壁に大書された「味噌は日本人の宝物」にまず惹かれました。
 

 
メニューの冒頭には味噌の効能が縷々表記されていて、味噌愛があふれています。ここの店の特徴はまず、味噌の種類が選べること。
 

 
濃口の北海道味噌、甘口の江戸前味噌とその中間の信州味噌の3種類からスープが選べます。別の日に伺った城南区のお店では九州味噌、春日市の本店では期間限定で伊勢味噌も選べました。訪れるタイミングで選べる味噌の種類も変わるようです。
 
トッピングも多種多彩。たくさんあるので迷ってしまいそうですが、ちゃんとメニューにそれぞれの味噌に合うトッピングの提案があるので安心です。
 

 
まず見た目のインパクトがすごい。江戸前には全型サイズ(21cm×19cm)のいわゆる板海苔が1枚、丼からそびえ立っています。トッピングの辛味をつけたネギのボリュームも圧倒されます。ネギの下にはもやしもいました。
 

 
江戸前味噌のスープは確かに甘めですが、ネギのさっぱりした辛味との相性が良く、最後まで飽きのこない組み合わせでした。
 

 
そして、北海道味噌にトッピングされたバターがまた他店では見ない大きさ。これ、バター好きにはたまらないと思います。徐々にスープに溶かして味の変化を楽しむといいでしょう。たっぷりのコーンも合わせて、これぞザ・北海道です。
 

 
北海道味噌のスープはバターのおかげで辛さが抑えられてコク旨。こちらも最後までおいしくいただきました。
 
味噌に一晩漬け込み、直火で香ばしく炙った自家製炙りチャーシューも自慢の一品。厚みがあり、豚の脂身から出る甘味も強くて、これだけでも食べに来る価値ありです。
 

さらに!彰膳さんでは椎茸をはじめ、トッピングのきのこを自社栽培しています。こちらが自慢の椎茸を使ったきのこラーメン。

レジ横には、その自社栽培きのこを持ち帰り用にも販売しています。

【蔵出し味噌麺場彰膳】※データは東福岡店
■TEL:092-710-4194
■住:福岡市東区松島3-35-25
■営:月〜金11:00〜15:00/18:00〜21:30 土日祝11:00〜21:30
■休:無休

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#福岡グルメ
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福岡民放局プロデューサー
宮岡朋治
情報番組で数多くの飲食店取材をしていたのを契機に外食が趣味に。酒好きが高じて2022年1月「唎酒師」の資格を取得。

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