福岡初の餃子無人販売店はなぜ生まれたのか?「三三餃子」(福岡市中央区)に聞いてみた。
――現在、餃子の無人販売店「三三餃子」を福岡・熊本などで7店舗運営している(フランチャイズも含む)オーナーの宮崎将孝さん。福岡市内でも急激に店舗数が増えた餃子の無人販売店ですが、福岡市中央区大名で飲食店を営む宮崎さんは、昨年11月に餃子の無人販売店としては福岡初となる三三餃子長浜店をオープンさせます。無人販売店オープンのアイディアはコロナ禍で生まれたのでしょうか?
福岡初の餃子の無人販売店「三三餃子」オーナーの宮崎さん
宮崎さん
この無人販売の時に“人件費がかからない”、“お客さんが全部セルフでやってくれる”というシステムがとても楽だしいいなと思いましたね。こちらは弁当さえつくっておけばいいだけなので、この無人販売は1年半ぐらい続けました。
ですが、ちょっと悪い人達が、仲間で1円とか10円で大量に弁当を持っていくようになってしまい、3分の1ぐらい持っていかれることが続いたので、ランチの無人販売はやめたんです。
その後コロナになって店が休業になった時に、“無人販売というシステム”自体のよさは既に実感としてあったので、それからいろいろと調べていた時に、当時関東に一件だけ餃子の無人販売店があるのを見つけたんです。それが餃子の雪松さんです。同じことを考えてもうやっている人がいるんだと思いました。
“世の中にまだないものをやろう” “人がまだやってないことをやろう”と思って、福岡にはまだなかった餃子の無人販売店をオープンしたんです。
無人販売店のメリットは「人件費」、デメリットは「安全性」
――三三餃子さんがオープンさせた後に、福岡市内に次々に餃子の無人販売店がオープンしていますが、やはり無人販売店にもメリットとデメリットがあると思います。宮崎さんが感じているメリットとデメリットは?
福岡初の餃子無人販売店「三三餃子」長浜店。三三餃子の名前の由来は32個の餃子プラス1個分の優しさと愛情が入っているから。
宮崎さん
三三餃子ではよい時は月に数十万円ぐらいの売上がありますが、店舗によって売上が全く違います。場所はとても重要ですね。無人販売店は大きく利益が出るモデルではないですが、月のランニングコストが低ければ低いほど利益が出るので、自分で場所を持っている人(土地やスペース)には最適だと思います。
現金の料金箱の横にはキャッシュレス決済のQRコードと共に鳥居が飾ってある
デメリットは安全性です。
ですが、お金を払わずに持っていく人はほぼいません。防犯カメラをしっかり設置し、料金箱のすぐ近くに鳥居を飾っているのも抑止力になっていると思います。鳥居があると、なんとなく神様に見られている気がしますもんね(笑)。
料金を計算した時に誤差はもちろんありますが、お客さんのミスもあるし飲食店をやっていれば日常茶飯事の誤差ぐらいです。現金の料金箱に加えてキャッシュレス決済ができることも安全性につながっています、キャッシュレス決済は記録に残るので不正は不可能なんです。
今後キャッシュレス決済だけにできないかなと考えています。
OEMとフランチャイズ。餃子へのこだわりは“山八餃子さんに作ってもらうこと”
――三三餃子の餃子は山八餃子さんに作ってもらっているオリジナル餃子ですが、餃子については何かこだわりがあるのでしょうか?
「三三餃子(32個入)」1,000円
宮崎さん
国産豚肉とたっぷりの野菜をもちもちの皮で包んだ手作りの味
また、熊本の店舗はフランチャイズ店です。僕自身が熊本出身ということもあり、地元でコロナの影響を受け苦しんでいた友人に、「人件費なし」「初期費用を抑えられる」などの無人販売店のビジネスモデルを伝えました。その後フランチャイズとして友人が熊本で三三餃子をオープンさせることになり、現在は熊本で3店舗展開しています。
餃子の無人販売店も増えてきましたが企業が出店しているケースも珍しくありません。でも “企業じゃないと無理”ではないんです。フランチャイズで分母が増えればブランドの規模も大きくなります。餃子に関してのこだわりは“山八餃子さんに作ってもらうこと“ですが、ビジネスでのこだわりは、僕は個人が企業を相手にする時に重要なことはOEMやフランチャイズ展開などのスピード感が必要だと思っています。
※OEM(オーイーエム)とは、「Original: 本来の」「Equipment: 製品」「Manufacturere: 製造業者」それぞれの頭文字をとった用語。自社で製造した製品を、自社ブランドではなく、他社のブランドで販売する製造業社のこと。
“無人販売”は流行りじゃない、これからスタンダードになっていく
――福岡初の餃子無人販売店をオープンさせ、手応えを感じて店舗展開をしている宮崎さんですが今後の目標などはありますか?
今後は九州内で店舗展開を考えているという宮崎さん
宮崎さん
そして今後は九州内で店舗展開していこうと思っています。目標数はありますが内緒です(笑)。九州人は人がいいとよく聞きますし、無人販売がやりやすいんじゃないかと思っているので、まず九州ですね。
“餃子の無人販売“は流行りかもしれませんが、“無人販売”は流行りじゃない、これからスタンダードになっていくと僕は考えています。今後は餃子に限らず無人販売のアイディアは出していこうと思っています。
【三三餃子 長浜店】
■住: 福岡市中央区長浜2-5
■営: 24時間
■販売内容:「冷凍餃子(32個)」1,000円
■詳細はこちら @sansangyoza
【その他の店舗】
▪️大名店: 福岡市中央区大名2-3-9-1
▪️南庄店: 福岡市早良区南庄4-5-1
▪️白木原店: 大野城市白木原 1-11-11
▪️八王寺町店: 熊本市中央区八王寺町43-16
▪️帯山店: 熊本市中央区帯山3-6-13
▪️御幸笛田店: 熊本市南区御幸笛田3-5-36
続々オープン!福岡市内の餃子無人販売店をご紹介
――コロナ前から“無人販売”のシステムにメリットを感じていた宮崎さんが、コロナ禍でオープンさせた餃子の無人販売店は、全国各地でも大成長を遂げている今注目されているビジネスモデルです。他にも福岡市内にオープンしている餃子の無人販売店がありますので紹介します。
■福耳餃子(福岡市中央区)/福岡・滋賀県を中心に現在13店舗、累計120万粒販売達成!
餃子は昔、中国では食べるとお金持ちになると言われていたそうです。幸せをたっぷり包んだ福耳餃子。
カリっと焼き上がったもちもち餃子。
地下鉄大濠公園駅から徒歩1分!平和台ホテルのゲートがある通り沿いにあります。
期間限定の「博多一口餃子(42個入)」1,000円
博多の餃子といえばこれ!!季節限定商品なのでお早めに!タマネギをベースにした食べやすくジューシーな餃子です。
地下鉄大濠公園駅より徒歩1分にある「福耳餃子 大濠店」。国産の取れたてキャベツと南九州産の豚肉を使用しています。現在は期間限定で「博多一口餃子」も販売中、肉汁溢れる餃子を味わってみてください。
※「博多一口餃子」は11月末で終了、12月から「水餃子」に変更になります
【福耳餃子 大濠店】
■住: 福岡市中央区荒戸1-1-1
■営: 24時間
■販売内容:「冷凍餃子(36個)」1,000円
■詳細は@fukumimigyoza
【その他の店舗】
福岡県(営業時間 24時間営業)
・片江店: 福岡市城南区片江1-4-6
・諸岡店: 福岡市博多区諸岡3-6-1
・香住ヶ丘店: 福岡市東区香住ケ丘6-7-26
・舞松原店: 福岡市東区舞松原2-1-8
・折尾店: 北九州市八幡西区大浦3-13-1
・直方店: 直方市古町17-2
・三ヶ森店: 北九州市八幡西区三ヶ森3-13-1
・門司店: 北九州市門司区老松町2-4
・苅田店: 福岡県京都郡苅田町京町1-11-4
■八幡餃子(福岡市中央区)/栃木宇都宮センター直送!餃子の街宇都宮生まれの餃子店。
福岡市中央区今泉、上人橋通りにオープンした八幡餃子(はちまんぎょうざ)。
店内には大量の冷凍餃子が詰められた大型冷蔵庫が。
「八幡餃子(36個入り)」1,000円
焼き目はパリっときれいな黄金色で、焼面以外は透明感がありモチモチ。
栃木餃子の特徴は少し厚めの皮。こだわりの粉と栃木の清流で練り上げられたオリジナルの皮を使っています。独自配合のタレに那須産の豚肉と新鮮野菜の旨味がたっぷり詰まっています。
【八幡餃子(はちまんぎょうざ)】
■住: 福岡県福岡市中央区今泉2-4-13
■営: 24時間
■販売内容:「冷凍餃子(36個)」1,000円
■詳細は@mujin_gyoza_hachiman
【その他の店舗】
・八幡餃子 松山店: 福岡市城南区松山2-5-9
■香港餃子(福岡市中央区)/中華レストランに併設!餃子や小籠包、ごま団子など27種類並んだ手作り無人販売所
地下鉄赤坂駅より徒歩1分。昭和通り沿いの角にある中華レストランに併設。
「焼き餃子(10個)」300円。「水餃子(ニラ)」や「ウイキョウ水餃子」、「サワラ水餃子」、「焼き餃子(えび)」など。焼き&水餃子だけで12種類ある。
餃子だけでなく、ごま団子や桃饅頭も!(各300円)
豚肉・野菜(白菜・ニラ)をバランスよくブレンド。肉・野菜の旨味のある定番の肉餃子。
中華レストラン香港に併設された無人販売所。冷凍餃子だけでなく小籠包や春巻、中華揚げパンなどもある。また中国の調味料やお菓子も販売しているのでかなり楽しめる無人販売所。尚、無人販売所だが店主がたまに裏から出てきてくれるので無人でない時もある。
【香港餃子(中華レストラン 香港併設)】
■住: 福岡市中央区舞鶴3-1-3
■営: 11:00~24:00
■休: 土曜
■販売内容:「冷凍餃子(10個)」300円や「中華点心」、「中華物産」など
■土下座餃子(福岡市博多区)/奥さんに土下座して餃子店を再開し、5店舗を展開
土下座イラストがかかれたパッケージには、名前の由来が。今回紹介する餃子の無人販売店の中で最多の40個1,000円。
毎日ひとつひとつ丁寧に包んだ一口餃子は、40個ペロリといけちゃうそうです。
しっかりと餡に下味をしみ込ませているので、タレなしでもおいしい。焼く時にごま油を少し垂らすのがオススメ!
『 餃子でクスっと家族を一つに 』をコンセプトに小郡市のコインランドリー内に生まれた餃子の無人販売店。12月3日に東月隈店、続いて大分県内に3店舗をオープン。
【土下座餃子 東月隈店】
■住: 福岡市博多区東月隈3-15-7-1
■営: 24時間
■販売内容:「冷凍餃子(40個)」1,000円
【その他の店舗】
・小郡稲吉店:福岡県小郡市稲吉1329-1 ららら・ランドリー内
・上宗方店: 大分県大分市上宗方409-1
・中島西店:大分県大分市中島西3-7-10
・南津留店:大分県大分市南津留22−5つる内田ビル1F
■詳細はこちら @dogeza_gyoza_hakata_hitokuchi
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コロナ禍で急増している無人販売店は、人件費と初期費用を抑えてはじめられる、注目のビジネスモデルです。その中でも目立って増え続けている餃子の無人販売店。今回紹介した5店舗の中にも、今後も店舗展開を予定しているところが多く益々店舗が増えそうですね。
非接触の販売方式や24時間いつでも買える気軽さに加え、餃子が手土産にちょうどよい、家族で食べるメニューとして選ばれやすいということ、買いだめに慣れて大量のストックが当たり前になったことも餃子の無人販売店が好調な理由のひとつではないかと思いました。
今、大注目のビジネスモデルとして餃子に限らず無人販売というシステムが飲食店の可能性を広げてくれるのではと感じています。