【経済・ビジネス短信@フクリパ】 

プラスチック回収資源化のシステムづくりに向け、福岡市のシンクタンクと福大、九大、北九大との官学連携が始動

廃プラスチックの低い有効利用率や海洋プラスチックによる環境汚染が世界的な課題になっている中、日本でも『プラスチック資源循環促進法』(プラ新法)がされました。2035 年の100%リユース・リサイクルに向けて、福岡でも行政系シンクタンクと地元大学との官学連携による共同研究が動き出しています。

2022年4月新プラ新法が施行、官学での共同研究がスタート

出典:『地域特性によるプラスチック回収資源化システムのモデル・シナリオ形成』

プラスチックごみの削減やリサイクル促進の強化を目的とした『プラスチック資源循環促進法』(プラ新法)が2022年4月から施行された。
プラ新法では、プラスチックの製造~消費~運搬~再生という全体の流れにおいて、プラスチックの利用削減や再生利用に向けた取り組みを求めている。

このため、福岡市のシンクタンクである公益財団法人福岡アジア都市研究所と福岡大学、九州大学、北九州市立大学は、環境省の外郭団体である独立行政法人環境再生保全機構の環境研究総合推進費を獲得して、共同研究を始めた。
研究代表者は、 福岡大学工学部の鈴木慎也准教授。 

官学連携による共同研究では、地域特性に応じた効果的な回収・資源化システムづくりを目指して、大・中・小の人口・都市規模スケールに合わせて取り組んでいく。
具体的な調査・研究内容としては、プラスチックごみの状況調査や流通業者・メーカーへのアンケート調査、個別回収や拠点回収における実態調査を実施する。
そして、使用済プラスチックの100%リユース・リサイクルを目指す2035 年目標へのシナリオ分析もおこなうとしている。

実施対象の大都市としては福岡市、中規模都市としては久留米市、小規模都市としては福岡県南筑後地域の大木町やみやま市など5市町を予定し、2022年度から3カ年で取り組む。

福岡のごみの削減と資源化を推進し、SDGsも実現していく

出典:福岡市資料『「プラスチック製品回収モデル事業」5月23日(月)から実施!』

従来、分別収集した廃プラスチックの処理施設が近隣に無い場合や処理財源が足りない場合、多くの自治体では廃棄プラスチック製品を燃えるごみとして燃やすか、あるいは燃えないごみとして埋立処分をしてきた。
しかし、世界の潮流として、使用済みプラスチックを可能な限りリサイクルして、焼却は最終的な選択肢とする流れになっている。
このため、日本においてもプラ新法を通じて、各自治体にプラスチックごみ分別基準の策定や住民への周知を求めている。

今回の共同研究について、福岡アジア都市研究所では、「ごみ・資源に関する研究を通して、福岡のごみの削減と資源化を推進します。
特に、資源循環が経済活動の主流に組み込まれ促進される社会のあり方を模索します。
こうした考えは、SDGsの目標12《つくる責任 つかう責任》やサーキュラーエコノミーとも密接に関わりを持ちます」(安浦寛人理事長)としている。
 

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家庭ごみは4分別。福岡市のごみ分類が少ない理由とは?〜福岡市の家庭ごみを取り巻く謎を解き明かす!〜
https://fukuoka-leapup.jp/biz/202208.729

政令指定都市で唯一、ごみの夜間収集を実施している福岡市。その理由を聞いてみた。
https://fukuoka-leapup.jp/city/202204.511

参照サイト

福岡アジア都市研究所「地域特性によるプラスチック回収資源化システムのモデル・シナリオ形成」 
https://urc.or.jp/gomi-shigen?fbclid=IwAR3eTjhRXl9kQfVrafAvp111xJG8wtxE8lAGTpJfK7P9uAQjj3knRqqGM08

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編集者兼ライター
近藤 益弘
1966年、八女市生まれ。福大卒。地域経済誌『ふくおか経済』を経て、ビジネス情報誌『フォー・ネット』編集・発行のフォーネット社設立に参画。その後、ビジネス誌『東経ビジネス』、パブリック・アクセス誌『フォーラム福岡』の編集・制作に携わる。現在、『ふくおか人物図鑑』サイトを開設・運営する。

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