コテンリレー #10-1

徹底解説!「ポスト資本主義」に振り切るコテンの未来 ─ポスト資本主義編─

「歴史を面白く学ぶコテンラジオ(以下:コテンラジオ)」を運営する「株式会社COTEN(以下:コテン)」の様々な情報をお届けしている「コテンリレー」。今回は、ついにコテンのフェーズ2として大公開された「ポスト資本主義」、そしてコテンの未来展望について前後編にてお届けします。

ついに殿堂入り!Podcast界の王者「コテンラジオ」とは?

第3回JAPAN PODCAST AWARDSで「殿堂入り」を果たした「コテンラジオ」。このPodcastを運営している「株式会社コテン」は、福岡発のスタートアップ企業です。
 
「コテンラジオ」は株式会社コテン(以下、コテン)の広報活動として2018年11月に始まった歴史系Podcast。株式会社コテン代表の深井龍之介さん、メンバーの楊睿之(通称:ヤンヤン)さんと株式会社BOOK代表の樋口聖典さんの3名が、日本と世界の歴史を面白く、かつディープに、そしてフラットな視点で伝えてくれるインターネットラジオです。
 

この数年で瞬く間にファンが増え、今年3月に開催される「JAPAN PODCAST AWARDS」では「殿堂入り」となりました!
 
 

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フクリパでは、これまでコテンの代表・深井龍之介さんからスタートしたコテンメンバーのご紹介記事「コテンリレー」をお届けしてきました。

「コテンリレー」過去記事はこちら

コテンが目指す「世界史データベース」や理念経営、才能診断に基づく権限移譲、そしてコテンラジオの裏方チームに焦点を充てるなど、様々な角度からコテンをご紹介してきましたが、ついに、コテンにとって非常に大切なフェーズを迎えたということで、その全貌と今後のビジョンを株式会社コテンの代表取締役・深井龍之介さんに独占インタビューしてきました!(インタビューの模様は後編にてご紹介します)

「アキラメタ」から、新たなワードに辿り着いたコテン

賢明な読者の皆様は覚えておいででしょう。
ちょうど1年前、コテンがフクリパに初登場したときの記事です。


様々なコトを“アキラメタ”からこそわかる、新しい歴史のとらえ方!株式会社コテンが目指す、New Typeの「株式会社」とは?

この記事の中で、コテンメンバーは既存のサラリーマン構造の中で働くことをポジティブに「アキラメ」、New Typeの株式会社にしていくと語ってくれました。
 
さらには利潤を追求することを第一とせず、投資家に直接的な見返りを期待させないビジネスモデルを貫いていくというコメントもありました。あまりにも既存の資本主義からは逸脱したこの考え方に驚きつつも、もしかしたら彼らには何か違う世界が見えているのではないかと感じました。
 
そのときは
「アキラメタという表現に代わるものがきっと見つかるはず」
と書かせていただきましたが、ついにその新たな概念がコテンラジオで発表されました。
 
それは、「ポスト資本主義」。
 
自分たちだけが利益を享受するのではなく、広く社会に貢献できる形を模索していく、コテンでいうならばコテンラジオをマネタイズするのではなく、コテンのビジョン・ミッションや「世界史データベース事業」そのものを支援してくれる人や企業を募るという考え方です。
 
その発露として、深井さんは「この考え方に共感できる人たちに、サポーター(現:COTEN CREW)になってほしい」と仰っています。

コテンが目指す「ポスト資本主義」とは?

ではここで、なぜコテンが「ポスト資本主義」に舵を切ろうと考えたのかの大前提となる、「ポスト資本主義」とは何かについて、コテンラジオで紹介された内容をまとめたいと思います。

●資本主義とは

人類全体で「資本主義」の定義は体系化されていませんが、この数年、様々な角度から歴史を学び、届けてきたコテンラジオ流にこの「資本主義」を分析すると、以下の6つの特徴に分類され、それぞれが課題を抱えているそうです。
 
① 市場経済を前提として成り立っている
課題)自由市場での自由競争により、創意工夫や効率性の追求へのインセンティブが生まれ、我々の社会は豊かになった一方で、自由市場では、すべてのモノが商品化されていき、具体的に我々の生活を脅かしている面がありそうである。また、インターネットの登場によるデジタル商品の存在やシェアリングエコノミーは、自由市場の前提となる私的所有の概念を変容させつつあり、これが市場経済にどのような影響を及ぼすのか、未知数。
 
② 市場経済上では、市場にとってよしとされる行動にのみ報酬・インセンティブが発生する仕組みになっている
課題)社会にとって良い、自分にとって良い、という評価軸でヒトや事業や会社を評価するよりも、市場で評価されやすいかどうか、が優先されやすくなってしまった結果、環境問題などの解決すべき喫緊の課題に投資がされにくくなったり、高利回りの金融商品に過剰に投資が集中したりする。
 
③ 期待値が定量化される。 
課題)この期待値は、貨幣としてしか定量化できず、投入するコストの価値と未来に返ってくることが期待される価値に対して、後者が前者を上回るときしかアクションが正当化できない。
 
④ 資本が資本を産む
課題)資本が資本を産むことそれ自体は、問題ではないが、労働によって生み出せる資本よりも圧倒的にスピードが早いため格差が拡大される。また、再配分が阻害されてしまう。
 
⑤ 経済成長と生産人口が比例する
課題)思想的に持続的な成長(生産人口に比例する)が前提とされているため、生産人口が増えること(=出生率の増加)が奨励されてしまっている。これは資源の有限性や環境問題とコンフリクトする。

⑥ 資本主義はシステムではなく「OSとして」機能している
課題)社会の他の制度(システム)や価値観、道徳観念、習慣と関連しているために、これまでに挙げた課題を部分的に解決することが困難である。
 
 

●ポスト資本主義への移行は既に始まっている

コテンは、社会が「資本主義」から「ポスト資本主義」に移り変わり始めていると考えています。
 
資本主義は、上記6つの特徴のどれかひとつだけの課題を解決しようと思ってもできません。なぜなら、資本主義は、生き方や社会システム、文化や慣習を包括して「OSとして」機能しているからです。「ポスト資本主義」に移行していく過程でも、政治形態、政府の形、福祉の形、幸せの形などが包括的に変わっていくと予想されます。
 
では、なぜ「ポスト資本主義」に移行していると考えるのかというと、現在、社会で何かをやっていきたいと考えている人たちの傾向として、この「ポスト資本主義的なこと」をすでに考え、実践し始めている人が多いからだそうです。
 
今回、コテンがまとめた「資本主義の6つの特徴」が包括的に変わっていくであろうことを伝えることで、社会活動の変革がより洗練されるのではないかと考え、今回の発表に踏み切ったと言います。
 
逆に、お金を儲けたいという想いは、資本主義的な概念と混同されがちですが、資本主義以前(=近代以前)にもありましたし、ポスト資本主義時代以降も変わらずに存在し続けると考えられます。こうして、「資本主義の6つの特徴」を理解していれば、変わるところがどこで変わらないところがどこなのかのアタリをつけやすくなります。加えて、資本主義を変革する必要があるというのは、ポスト資本主義的な考え方を唱えて行動する人が増えていることからも明らかです。
 
 これまでは、経済に関し、資本主義国では、「政府が経済にどこまで介入すべきか」、共産主義・社会主義国では「政府はどのように経済を統制できるか」が議論されてきたのではないかと考えられます。しかし、「政府が経済をコントロールする」という見方に加えて、私たち一人ひとりがどのように経済に接続していくのかという見方に視点を増やすことで、個人ではどうしようもない巨大な問題というより、自分の生き方の問題として資本主義を考える機会を提供できるのではないか、とコテンは考えているそうです。
 
 

●ポスト資本主義を試行する人たちが考えていることとは

では、「ポスト資本主義」を試行している人たちは、具体的にはどのような点から資本主義からの変化の必要性を感じているのでしょうか?
 
まず、現在ポスト資本主義を提唱している人は、資本主義を否定はしていないけれど、リーマンショックのような、マネーゲームと言える金融資本主義に関しては否定している立場の人が多いそうです。
 
また、資本主義を脅かす内的要因の一つとして、「(資本主義では)我々が幸せになれない」という指摘があります。
 
確かに、実態のない金融商品で資産が一時的に増減することが自分の将来を安心させてくれるかというと、「こういう人生が自分にとっての幸せな人生なんだ」と思い描けないのであれば、いくらお金があっても満たされないように思えます。

ここまでのおさらいは動画でもどうぞ!

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後編では、「ポスト資本主義」に振り切ったコテンがどんな未来を見ているのかをご紹介します。
コテンリレー #10-2 徹底解説!「ポスト資本主義」に振り切るコテンの未来 ─コテンの未来編─

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