“企画のお焚き上げ”シリーズ その1

福岡の女性は、キレイでツヨイ!! ─福岡と言う街の女性性を考える─

福岡でいちばん企画書を書いてきたプランナー・中村修治さんの連載がスタート!今回は、過去にお蔵入りとなった企画の中から渾身の作を引っ張り出してもらう“企画のお焚き上げ”シリーズ第一弾です。福岡の街を女性性に例えるその心は?ぜひ企画を考える際の参考にしてみてくださいね。

“企画書のゴミ箱からひと摑み”

ワタシは、他所者である。滋賀県の彦根生まれ。福岡にやって来たのは1989年。”おしまイムズ”がこの街に誕生したバブル真っ只中。街も広告業界も浮かれていた。
パワポなんて企画書を書くためのソフトがない時代から、何千本も企画書を書いて来た。幾千日も徹夜をしてきた。そんでもって、そろそろアラカンである。泣けてきた。

ちなみに競合プレゼンの勝率なんてせいぜい3割だ。いや3割あったら立派な方だ。7割以上の徹夜は無駄になる。徹夜して書いた企画書は、一瞬にして紙くず。それじゃあ、あんまり浮かばれないので、この場を借りて清算させていただく。いや”お焚き上げ”と呼んだ方がしっくり来る。この街を継ぐ若い人たちへのメッセージに換えることによって成仏させたいと思う。

“企画のお焚き上げ”シリーズ その1

今回の“お焚き上げ”は、街づくりについての企画。東日本大震災より以前のブツである。ワタシは”福岡”という街を、実は、手放しで賞賛していない。どちらかというと好きじゃないのかもしれない。30年以上住んでいるのに、いまもって他所者気分。なので”街づくり”のような企画になると、どこか素直になれない。

 福岡は"しょーもない男たちの街"でいいのか!?

屋台でアジアの話やグローバルな話をしているサラリーマンがいっぱいいる。しかし、アジアがどうのこうのと語っている割には、「アジアのリーダー都市」になりたいという行政への関心は極めて低い。選挙の投票率は、全国的に見ても最低レベルである。

選挙の時の候補者のポスターに「××高校××年卒業」と明記される都市も珍しい。宴会のシメは、いつも博多一本締めである。大きな会合の時の挨拶の順番にこれほど五月蝿い都市も少ないのではないか?

福岡は、自然も、空港も、近くにある。物価も安い。食べるものも美味い。そこそこの年収で、充分に満足できる最高の都市なのである。その充足した空気の中で、みんなちょっと革新を装うのである。そして、みんながさらに気持ち良くなっていく。

「ソト」に向かっているふりをしながら「ウチ」意識が強すぎるのではないかという心地よい矛盾を孕んでいる。革新を装っていながら、どっぷり保守なのである。「保守の中の革新」っぷりが凄まじいのが福岡の男たちなのではないかと!?

目立つことが好き。流行り物には、直ぐに行列。福岡が全国区のテレビに取り上げられたら、福岡地区の視聴率は、驚くほど上がる。いつまでもそんな田舎臭い都市でいいのか!?メディア的発想の街づくりから脱却しようと提言してみちゃったりするわけである。

来街者で大事にすべきなのは、なによりも共感度の高いファン層一回きりの観光客を相手にする最大公約数的に戦略よりも、何度も来てくれる、長く滞在してくれるファンのに刺さる最小公倍数型の戦略を選択しなくちゃ先がない。コロナ禍のいまなら、突き刺さる話だったのかもしれないなぁ!?いつも10年早い・・・。

そもそも都市は"女性性"である。

"そもそも""とはいえ"が企画するときの頭に必要なキーワードである。"そもそも"って始めたら、大概の企画の本質は見えてくる。街づくりがテーマであったら「そもそも都市という言葉は!?」って調べてみる。"そもそも"と大事なことに踏み込むと良い発見があるものである。"そもそも"で見えてきたことに"とはいえ!?"と壁打ちをすることによって良い企画とは仕上がっていく

Cityは、もちろん、どの言語においても、都市を表現する言葉は「女性名詞」なのである。男性名詞と女性名詞の分類は、便宜的なものだと言われている。しかし、例えば「愛(amour)」は男性名詞だし、「戦争(guerre)」は女性名詞。これは、まことに深い、対をなすだけの便宜的意味だけない気がする。

素敵な都市とは「女性性」なのである。そんな話を、そもそもおっさんたちにしていることが企画自体のミスなのかもしれないと、このコラムを書きながら反省している。もう遅いのだけれど・・・笑

茹でガエルな男たちを覚醒させるために!!

人口増加数・増加率が全国一の成長を続ける福岡市。というものの、特徴的なのは男女比で、男性が約73万人に対して、女性は約81万人。8万人も女性の方が多い。ましてや20代、30代にしぼるとさらに差は広がる。福岡には男がいないというのはもはや都市伝説ではないのである。物理的に、ダメな男でも、素敵な女性をゲットできるマーケットなのである。福岡の男たちが褒めても伸びないのは、このあまーい市場にある

「福岡は、良いとこやねぇ」「住むなら福岡やね」と言われたときに、そうでしょう!と間髪入れずに自慢する。さらに「福岡の女性はキレイやねぇ」と言われて、ニンマリとする。それが福岡の男たちの定番となっている。自分たちの努力なし、濡れ手に泡の資産をあたかも自分たちが創造したような大きな顔をしてニッコリする。そういう茹でガエル状態にある

・・・であるなら、そんなどっぷり茹でガエルな男たちに覚醒してもらうためにも、博多区は、もっと世界に拓かれた「女性たちの都市」にしようとコンセプトをまとめたわけである。福岡の街を成す、天神と博多。その博多区が、グレーなおっさんの街から脱却して世界に開かれた「女性が主役」の街になれば、さらに都市として発展があるのではないかと!?

このプレゼンは、ワタシ自身としては美しいストーリーの大作ではあったが、日の目をみることはなかった。いま読み返して思うことがある。ワタシに、街づくり系の企画は似合わない。そもそものスタンスを間違っている。笑

 道理で福岡の女性は、キレイでツヨイ!!

福岡の女性たちは、全国的に見てもキレイだと評判である。ワタシは、その根本的理由が、このような男性たちの茹でガエル状態にあると睨んでいる。

女性たちは、いつも最適な遺伝子を探している。遺伝子的に近いタイプの交配は、生物集団が病弱になってしまうリスクがある。だからと言って遠い遺伝子との交配は、共通基盤が失われてデメリットも多い。ちょうどいい補完状態を望むようになる。そういう観点から見ると、福岡の男たちが自らダメになっていくことを選択しているとも言える。

道理で、福岡の女性は、キレイでツヨイ。
そもそも福岡という街は、
誕生した時から"女性性"であるのかもしれない。

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プランナー
中村修治
1986年に立命館大学を卒業。1989年にバブルの泡に乗って来福。1994年に㈲ペーパーカンパニーを設立し独立。福岡に企画会社など存在もしなかったころから30年も最前線で生きているプランナー。企画書を書いた量とプレゼン回数は、九州No.1だと言われている。JR博多シティのネーミングやテレQのCIなどが代表的なお仕事。コラムニストとしても多誌で執筆。

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