【前編の記事はこちら】上野千鶴子 東大名誉教授 福岡来たる!お茶くみNO!世の中を変えた女性学
(左)上野千鶴子さん (右)私、村山由香里 【撮影】高巣秀幸
男は正論とロジックでは動かない。
村山
上野
村山
上野
村山
上野
村山
※ #MeToo=「私も」を意味する英語にハッシュタグ (#) を付したSNS用語。セクハラや性的暴行の被害を告発・撲滅する運動の際にSNSで使用されている
上野
思っちゃいねーよ、そんなこと!男になりたいと思ったこともなければ、男がうらやましいと思ったこともないのに。
村山
上野
あ、会場には納得しておられる方もいらっしゃるようですね。自分たちの既得権益が侵されることに彼らは防衛的に反応するんでしょうね。
福岡女性で埋め尽くされた会場
逆風にドーパミンが出るの。
村山
上野
村山
上野
批判を受けたら、相手が言ってることの、どこをどう突けばいいのか、ばーっとシミュレーションするんですね。最善から最悪の選択肢まで考えておく。
批判やバッシングを受けた時に、大事なことは、自分に理があると確信できること。それと、仲間がいることって、ものすごく大きいですね。
私が一歩前に出る人に必ず言うのは、絶対に孤立しちゃダメよ、仲間のサポートってすごく大事よって。仲間がいるから退かずにいられる。
語り掛けるような優しい口調の上野さん
村山
上野
教理問答みたいなもんだから、勝敗がつかない。だから、どうするかって言うと、論敵に向かってではなく、聴衆に向かって話をする。
二人のうちどっちの言い分が正しいと思う?って。結果的に聴衆が私の側についてくれたら、それでOK。
おっさんと話すときは、できるだけ相手がアホに見えるようにおっさん転がしするの。だけどね、これをやると後でツケがくる(笑)。恨まれる。
村山
上野
村山
上野
情報発信の手段を持つことは大事。
村山
上野
村山
上野
村山
上野
後で福島瑞穂さんと会ったら「あなたたち、バックラッシュサバイバーなのね」って言われました。(※)
※バッククラッシュ=ある流れに対する「反動」「揺り戻し」の意味。 男女平等や男女共同参画、ジェンダー運動などの流れに反対する運動・勢力
村山
上野
だから、自分たち自身の情報媒体を持つのはものすごく大事。私たちのウィメンズアクションネットワークは、そのために作りました。
村山
上野
コーナー際に追い詰められて、撃って出るしかない。オルタナティヴ(※)なメディアを持たないと反撃できないなと思って。
※オルタナティヴ=代替的な
ネットの世界に出ていかないとフェミニズムが広まらない、サポートが得られないと、背水の陣でスタートしました。
村山
上野さんの話に聞き入る福岡女性たち
フェミニズムは弱者が弱者のままで尊重されることを求める思想。
上野
男女平等って、「男と同じになりたい」じゃなくて、「違っていても差別されない権利」のことです。
村山
上野
強者ってずっと強者ではいられないのよ。強者であるって人生の一瞬のこと。誰でも必ず弱者として生まれて、いずれまた弱者に還っていくことを、女の人たちは自分の経験の中からよく知っています。
別に男に取って代わろうとか、男のように強者になりたいとか思ってるわけじゃない、そこのところはちゃんと分かってほしいですね。
村山
上野
村山
上野
自分より前に生きた女性たちのおかげで、私たちもちょっとずつ楽になってきた。この年齢になると、こんな世の中にして本当にごめんなさいって思う。でも、謝らなくて済むような世の中を、次の世代に手渡したいですよね。
だから一緒に頑張ろうね。
ありがとう。
—-
その後の懇親会では、上野さんの周りは最後まで女性たちの渦が途切れず、上野さんは一人ひとりと真摯に向きあって、声をかけたり、抱きしめたり、福岡の女性たちを勇気づけてくれました。
――参加した方の声
〇「一生の宝物になる言葉をいただきました」
〇「フェミニストの思想を誤解していました。自分の中にあるフェミニズムに蓋をしていたようにも感じます」
〇「今0歳の我が子が社会人になる頃には、もっと生きやすい社会になってほしい」
〇「私は上野先生のバトンを受け取り、私なりのかたちで表現したいと勝手に思っています」
など、様々な感想を聞きました。
後日、上野さんから福岡のみなさんへメッセージが届きました。
「あったかい場でした。村山由香里さんへのリスペクトと愛が満ちていました。 ひとがひとに贈ることのできる最大の贈り物は、信頼と友情。
村山さんが築いたその場に、彼女はわたしを招き入れてくれました。 女同士の関係は、男のあいだのようなパワーゲームとマウンティングではありません。
弱さを認めて支えあう関係。村山さんがただの成功した女性ではなくて、弱さをさらけだしてくれたからこそ、培われた関係。ああ、そうか、こうやって何度でも、周囲に支えられて、やりなおせばいいんだ、って。
そしてそれこそが新しいロールモデルになると思います。 上野千鶴子」
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