光陰矢の如し
パンオタク歴も、20年を超えまして、
改めて年数を口にすると、自分の歳が怖くなりますけども 苦笑
パン屋さん巡りを始めた頃のことや、
名古屋、横浜在住時にお世話になったパン屋さんのこと、、、etc
思い出してみると、我がことながら、よくもまぁ、あれだけ情熱を持って勢いよく巡れたものだ、と懐かしくなったり。はたまた、前のめり過ぎて、お恥ずかしいところをお見せしたことも多かったなぁ、と苦笑いしてみたり。感慨深し、です。もの思いに耽る秋哉。
横浜から福岡に戻ってきた当時、福岡には、そんなにパン屋さんは多くなかった印象です。
でもその後、あれよあれよという間に増えていき、、、
今現在、その当時から続くお店は、福岡のパン界をリードし続けていらっしゃる、先駆者のような存在であられます。


そんな有難いお店のひとつが、ロジウラベーカリーさん。
西新の商店街の、またひとつ筋を入った、それこそとても小さな「路地裏」に、ポツンと可愛いお店が出来てから、早幾年。今では、平尾や百道浜にも出店され、黒門店は先日6周年を迎えられました。おめでとう御座いますー!
最近お伺いしてないなぁ、と
ふと思ったタイミングで、6周年という節目の日にお伺い出来、尚且つこの日は『ロブロ』があった!という、嬉しすぎる巡り合わせ、、、
食べやすい口あたりの「ロブロ」
そう、筆者にとって、今一番気になる、と言いますか、お勉強したいパン。
それが『ロブロ』です。


ロブロの定義とか、何故今こんなに注目されているのか等等を、キチンと書くと、とーっても長くなりそうなので、ここではかなり端折って書きますが、興味のある方はぜひぜひ、その素晴らしい栄養と、歴史や背景を検索していただきたいです。
ここでは、簡単な説明で恐縮なのですが、「捏ねない」ライ麦パンである、という事と、デンマークのおむすび!?とでも言いましょうか、1,000年の歴史を持つと言われる伝統食である、ということをお伝えしておきたいな、と。
本場デンマークでは、捏ねずに混ぜるだけで焼けるという手軽さもあり、ロブロは各家庭でも焼かれているそうです。
パンとしてそのまま食べる他にも、サンドイッチは勿論、雑炊のように煮込んだり、煮込んだものをもっとドロドロにして伸ばして焼いてお煎餅のようにしたり、、、と、その可能性は無限大、多種多様な食べ方とアレンジがあります。歴史があると共に、これから(未来)がとても「楽しみなパン」でもあるのです。
そんなロブロを焼いているお店が、福岡でも徐々に増えてきておりまして、(有難いことでございます)筆者も、数店のロブロを食しました。
各店舗毎に個性がありますが、共通して言えるのは、どのロブロも、とても地味深い、味わい深いパンだということ。噛み締めるたびに、ライ麦の旨みが口中に広がっていきます。
そして、これも共通項なのですが、不思議と「和食と合う」のです。
ロブロのオープンサンドイッチ(挟むのではなく具をのせるタイプ)のことを、スモーブローと、呼ぶそうなのですが、その具材に、ごぼうのきんぴら、人参シリシリ、白和え、、、etc
これがね、合うんですねぇ。基本的には、ライ麦全粒粉100%の生地だからでしょうか、蕎麦粉を練っていく過程のような、モロッとした感じを受ける生地なのです、まさに和風の印象。ロブロの説明の時に、思わず「おむすび」とか「雑炊、煎餅」という和風の例えを使ってしまいましたが、それもここに起因するかもしれません。
そんな生地だからこそ、和の食材でも調理方でも、受け入れてくれるのですね。とても懐の深いパンだなぁと、感嘆すると同時に、次は何を合わせてみようか!?とワクワクさせてくれるパンでもあるのです(^^)
さてさて、そんなロブロ、ロジウラさん流はどんな感じなのだろうなーと、楽しみにいただきました♪

さすればそれは、ライ麦100%のみっしり、どっしりのロブロではなく、オートミールが入り、少し空気感と食感のアクセントも加えた、食べやすさも意識されたものでした。
しっとりと、パンナイフにまとわりつく程の水分量。酸味がしっかりあり、塩味は控えめ。
ロブロの所謂「酢飯」的要素ありーの、尚且つ、オートミールや種子類が入ることで、みっちり詰まったロブロよりも食べやすい口あたりになっています。普段使いのパンとしても受け入れられ易いように。
こちらのお店のお客様は、お若い方々も多く、パンマニアも勿論来るでしょうが、近隣にお住まいだったりお勤めの方々が、お昼ご飯に気軽に寄って行かれる(そのまま2階でイートインされている方も多い)というパターンも多いように拝察致します。
そういうお客様方のニーズに合わせて、「ガチでライ麦パン好きっす!」のマニアじゃない方や、まだ酸味のあるパンには馴染みのない方にも、まずは入口として、こういうご提案をしてみましたよー、という優しさ溢れる仕上がりにされているように感じました。
バタートーストにぴったりな「角食」
そして、ジャパニーズサンドイッチに使うパンと言えば!の食パン。

今更ながら、ロジウラさんの食パン、食べてなかったなぁということに気づく。ここではついつい、バゲットを買いがち、だったのですよね。
というわけで、購入させてもらったこの食パン。

マッシュポテトや生クリーム入りという商品POPにも、どんな食感なんだろう?と興味をそそられました。
さすれば、
さすれば、
これがまた美味しくて!

内容から拝察して、結構リッチ目の生地(故にデニッシュ食パン寄りの)を想像していたのですが、使用しているものはリッチでも、仕上がりはリーン、毎日食べられそうな、優しい仕上がりなんですね。
生クリームや油脂類は、耳の軽やかさや、内生地のしっとり感に尽力している感じで、お菓子的要素は含まず。
マッシュポテトが、水分キープともっちり感を演出。甘さは、それらの素材からくるものが、ほんのり。砂糖甘い印象はありません。
故にバタートーストにぴったり。

焼き戻して、サックサクの耳、ヒキのある内生地、そこにバターをのせて、ジュワジュワと染み込ませながらいただく幸せな朝食、、、
いやはや、素敵なバランスの食パンです。先程のロブロとは、良い意味で真逆、酢飯と白米のおむすび位の対比を感じることができました、我ながらgood choice!!
ロブロにしても食パンにしても、利用される方々の嗜好とニーズを、しっかり捉えていらして。
そこに合うパン、喜ばれるパンを次々と提供なさっているお姿は、福岡の地で愛され続けるお店の、ホスピタリティと、機運を捉える力があればこそ。それを、パンを通して見せていただいた気がします。
次は、cafe &bar を始める計画もあるとか、、、(^^)?
準備中のお店のinstagramはこちら>> @rojiura_cafe_bar
それもまた楽しみに、そして既存のお店の「これから」も楽しみに、伺わせていただきたいです。
店舗情報
ロジウラベーカリー黒門店(ろじうらべーかりーくろもんてん)
住所:〒810-0055 福岡県福岡市中央区黒門4-23 [map]
営業時間:8:30~18:00(イートイン 17:00まで)
定休日:火曜
駐車場:なし
Instagram:@rojiura_kuromon











